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東北の被災地で見たイラク復興への手がかり

2018-02-19 07:00:00 | 報道/ニュース

1月25日 国際報道2018


イラクでは過激派組織との戦闘などで荒廃した街をどう再建するかが大きな課題となっている。
12月
その手がかりを見つけるためイラクの若手職員が東日本大震災の被災地岩手県を訪れた。

東日本大震災から7年が経とうとしている被災地 岩手県。
日本政府の招きでイラクの政府職員6人が視察に訪れた。
全員が30代で
インフラ整備や避難民の支援などを担当している。
一行がまず訪れたのは特に被害が大きかった釜石市の沿岸部。
土地のかさ上げなど
インフラの整備が大規模に進められている地域である。
この復興工事に特に関心を寄せていたのが
土木技術者のムハンマド・カーシム・二メルさん(34)である。
二メルさんのふるさとはイラク西部のファルージャ。
一時 過激派組織ISイスラミック・ステートに支配され壊滅的な被害を受けた。
自ら建設に携わった学校も破壊されてしまった。
(二メルさん)
「ISに占拠された3年間は人生から消してしまいたい。
 故郷の町と家族から引き離され
 戻った時にはひどく破壊されていました。」
釜石市で進められている“災害に強いまちづくり”は
地震の多いイラクでも大いに参考になると二メルさんは感じた。
二メルさんの目にとまったのが建設中のラグビー場である。
“津波の被害を受けた町でワールドカップを開催することで復興に向かう姿を示そうとしている”と
説明を受けた。
(二メルさん)
「日本はくじけずに災害に立ち向かっていることをることを世界に伝えようとしています。
 それはいいことだと思います。」
イラクから来た6人の心に最も深く残ったのが町の復興に関わる市民の姿だった。
この日訪れたのは大槌町のNPO。
震災後に閉じこもりがちになった高齢者の見守りや
子育て中の家庭の支援など
行政の手が届かない部分を市民たちが担っている。
(NPO法人「つどい」事務局長 元持幸子さん)
「お金も何もなくなっちゃったけど
 ただ泣いているだけではなく
 動き出せる力をこの町の人たちは持っていました。」
イラクでは400万人以上の人がいまだに避難生活を強いられていると言われている。
政府の支援はなかなか行き届かない。
市民の力を復興にどう生かしていくのか。
NPOのメンバーと語り合った。
「集まって議論することで良い方向に進めようとしているのですね。
 町の復興には必要な活動だと思います。」
「行政より住民主導の方が早いですね。」
2週間にわたる視察の最終日。
それぞれが
被災地から学び
イラクで取り入れたいことを発表した。
二メルさんは
復興に市民の力を生かす仕組み作りが重要だと語った。
(二メルさん)
「日本と同じようにイラクでも
 苦しい状況を乗り越えるために力を合わせる必要があります。」
「日本とイラクは違う部分もあるのですべて取り入れることは難しいですが
 被災地を復興させるという強い心を日本から学びました。」
帰国した職員たちは
東北の被災地で得た手がかりを胸に
イラク復興の長く険しい道のりを歩み始めている。




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