日暮しの種 

経済やら芸能やらスポーツやら
お勉強いたします

感染症と闘った偉人➄ 野口英世の誤算

2020-07-12 07:00:01 | 報道/ニュース

6月12日 テレビ朝日「グッド!モーニング」 池上彰のニュース検定


野口英世と言えば黄熱病の研究で知られている。
黄熱病もまた新型コロナウィルスと同じように感染症である。
横断症状が出て黒い血を吐いて死ぬことがある恐ろしい病気である。
当時アフリカや南米などで流行していた。
原因がわからないまま長い間多くの人を死に至らしめていたのである。
この病気を調査するため
1918年に南米エクアドルに赴いたのが野口英世だった。
野口はアメリカのロックフェラー研究所の研究員だった。
当時エクアドルでは原因不明の熱病が流行っていた。
そして野口は赴任してからわずか9日目で
黄熱病の原因と思われる細菌を発見したと発表したのである。
その細菌を使って“野口ワクチン”が作られ
治療法が確立されたと言われた。
これで人類は黄熱病に打ち勝ったと思われたのである。
ところがその後 野口は大ピンチとなる。
研究者の間で
野口の研究に疑問を投げかける論文が相次いで発表されたのである。
野口は焦る。
起死回生を狙って西アフリカへと旅立った。
そこでは黄熱病が流行していたのである。
しかしこの地ではエクアドルで効果があった野口ワクチンは効かなかった。
1928年
野口は自らも黄熱病にかかり亡くなった。
エクアドルで流行っていた熱病は黄熱病ではなく
ワイル病というよく似た感染症だった。
結局 野口が発見したのは
黄熱病ではなく
ワイル病の原因となる細菌だったのである。
ワイル病の原因は細菌だが
その後
黄熱病は細菌よりはるかに小さいウィルスが原因だとわかった。
ウィルスを見ることのできる電子顕微鏡が開発されたのは
野口が死んだ後のことだった。
野口は結局 黄熱病の原因を見つけることができなかったが
目の前で苦しむ多くの人々の多くの命を助けたのである。

 


コメント    この記事についてブログを書く
« 韓国 ネット上の誹謗中傷への... | トップ | 歳末の「第九」 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

報道/ニュース」カテゴリの最新記事