日暮しの種 

経済やら芸能やらスポーツやら
お勉強いたします

ブラジル 沖縄そば物語

2012-01-29 08:48:16 | 海外ネットワーク



  1月14日 NHK海外ネットワーク


  とんこつとカツオだしのスープ、
  甘辛く煮込んだ豚のバラ肉、
  紅しょうが、
  小麦粉でうった麺の沖縄そば。
  南半球のブラジルではこの沖縄そばに多くの人がひきつけられている。
  沖縄そばの味を伝えたのは日本からブラジルに移住した人たちで、
  現地で苦労し、
  くじけそうな時、
  懐かしんで食べたのが沖縄そばである。

  ブラジルの中西部カンポグランジ、サンパウロから北西に約1000km。
  日本からの移住者の中でも沖縄からの移住者が多い地域で、
  この町には約2万人の日系ブラジル人が暮らしている。
  ブラジルへの移住は1908年に始まり、
  カンポグランジでは鉄道工事が行なわれた。
  新天地の豊かな暮らしを夢見て、
  沖縄の人を中心に移住者が集まった。
  鉄道開通後はコーヒー豆の栽培などを行なったが、
  熱帯の土地を切り開くのは過酷な作業だった。
  太平洋戦争の激戦地となり、
  戦後も経済的に貧しかった沖縄からは、
  1950年代以降多くの人たちが海を渡った。
  辛い農作業の日々に移住者たちの楽しみは、
  誕生日などにお祝いの席で沖縄そばを味わって思い出を語り合うことだった。

  沖縄そばは気軽に食べられる料理として
  日系人だけでなく多くの人たちに親しまれている。
  カンポグランジには100軒近いそば店が軒を連ねている。
  46年前にこの町で沖縄そばの店を開いた女性は
  5人の子供を育てる生活費の工面しようと夫と二人で店を開いたが、
  箸が珍しかったことやそばをすする音が恥ずかしく、
  当初は皆隠れるようにしてそばを食べていたのである。
  店の周りをカーテンで覆ったのが逆に地元の人の好奇心をかきたてた。
  “日本人がおいしいものを隠れて食べている”
  といううわさが広まりブラジルの人たちが店をのぞくようになったのである。
  
  移住者の歴史を記した冊子には“沖縄そば”という章が設けられている。
  生活に苦労していた移住者たちが店でそばを食べながら
  働き口などの情報を交換し、
  互いに励ましあっていたことが記されている。
  移住者たちがふるさとへの思いをつのらせて食べた沖縄そば。
  その味は沖縄から遠く離れたブラジルで多くの人たちを笑顔にし愛されている。
  
  



  

  

コメント    この記事についてブログを書く
« 丸の内2丁目 アンティーブ ... | トップ | 東電値上げに「待った!」 ... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

海外ネットワーク」カテゴリの最新記事