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返還20年 “新香港人”の衝撃

2017-07-26 06:30:00 | 報道/ニュース

7月1日 おはよう日本


香港は中国に返還されてから20年。
返還後も50年間は“一国二制度”のもと高度な自治が約束されたが
今さまざまなひずみが生じている。
その背景にあるのが増え続ける中国本土からの移住者である。
ビジネスチャンスや
より良い教育環境を求めて
返還後に香港に移住した中国本土出身者やその子どもたち。
“新香港人”と呼ばれている。
“新香港人”は20年間で延べ140万人。
人口の5分の1近くにあたり
もともと香港に生活していた人たちの生活が圧迫されている。

返還から20年の節目を迎えた香港。
中国本土から移住者と巨額の投資マネーが流れ込んでいる。
建設予定のマンションは30㎡で1億円である。
住宅価格はこの10年で3倍に上昇。
過去最高となっている。 
それでも売りに出された300戸を1万7,000人が見に来た。
中国本土の人たちなどがこぞって購入しているのである。
(香港市民)
「不動産価格はどんどん高くなります。
 新しい物件が出るたびに競うように取り合うんです。」
中国本土・福建省出身の林成さん(28)。
香港の大学で1年間学び
卒業後香港の保険会社に就職した“新香港人”である。
4年前
5千万円のマンションを購入した。
父親が公務員の林さん。
中国本土に知り合いが多く
本土の富裕層を顧客にできるため営業成績は好調である。
(“新香港人” 林成さん)
「より良いチャンスや生活を求めて移住するのは当然のことです。
 香港は皆のものです。」
林さんのような“新香港人”は140万人にのぼっている。
友人の多くが林さんと同じように香港に自由を求めて本土から移住した若者たちである。
(“新香港人”)
「これからの香港で暮らしていきたいです。
 子どももいますし。」
(“新香港人”林成さん)
「香港は包容力があって自由な成長を認めてくれる場所です。
 中国本土は保守的ですが香港には可能性があります。」
一方
香港で生まれ育ち
自らを“香港人”とする若者たち。
高収入の仕事は本土出身者に取られ
将来への見通しが立たないと海外への移住を希望する人が増えている。
文迪匡さん(28)は大学卒業後社会福祉士として働いている。
月収は香港では平均的な30万円ほどである。
両親のアパートで家族4人暮らし。
文さんは結婚を控えているが
物価が高すぎて今の給料では香港では暮らしていけないと
オーストラリアへの移住を考えている。
(“香港人”文迪匡さん)
「将来子どもができたら部屋もいりますが
 私たちには払えません。」
文さんが移住を考えるのには経済だけでなく政治的な理由もあるという。
2014年
民主的な選挙を求めて学生などが座り込みを行った大規模な抗議活動。
文さんは
本土の影響を強く受けるようになった香港政府が
市民の声に耳を貸さず活動を強引に抑えたと感じた。
(“香港人”文迪匡さん)
「政府は無理やり運動を解散させ
 その過程には暴力があふれていました。
 まさか香港でこんな暴力が振るわれるとは思っていませんでした。」
現在は移住を仲介する会社に相談している文さん。
この会社を訪れる若者はここ数年増え続けているということである。
香港は自分たちのものではなくなってしまう。
香港らしさが失われていく状況が
文さんら若者を移住へと追い立てているのである。
(“香港人”文迪匡さん)
「私が生まれ育った香港には人と人とのつながりが強く人情がありました。
 離れるのはつらいですが
 これも人生なので仕方ありません。」
香港は誰のものなのか。
社会が変わりゆくなか
人々の間に意識の差が広がっている。

香港から海外に移住しようという人は
毎年7,000人を超えている。





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