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香港 チャイナドレスに魅せられて

2019-03-12 07:00:00 | 報道/ニュース

3月21日 おはよう日本


中国の伝統衣装の1つチャイナドレス。
かつては広く普段着としても着られていたが
動きやすくて値段も安い洋服に押され街中で見かけることはほとんどなくなった。
そうしたなかチャイナドレスを見直そうという動きが香港で広がっている。

チャイナドレスで着飾った女性たち。
「チャイナドレスこの会」の集まりである。
ドレスを着る機会を増やそうと月に1,2回メンバーの自宅などで会合を開いている。
いま香港ではこうしたグループがいくつも設立されている。
「チャイナドレスで外出すると注目されます。」
「東洋の女性らしさが出てエレガントに見えるから好きです。」
香港でチャイナドレスが全盛期を迎えたのは1960~70年代。
当時 中国本土では文化大革命の真っただ中。
華美なチャイナドレスは批判の対象となった。
このため多くの仕立て屋が香港に移り住みドレスを作るようになったのある。
当時を知る仕立て屋のひとり 封さん(73)。
約60年前 同じく仕立て屋だった父親とともに上海から移り住んだ。
封さんにように上海からの職人は今では5人ほどになってしまった。
封さんは今でも昔ながらに全て手縫いで仕立てている。
縫い目が見えないようにするなど
細かなところまで気を配るためである。
体にぴったり合ったラインが特徴のチャイナドレス。
仕上げるまでに少なくとも2回は試着してもらい
そのたびに糸をほどいて縫い目の位置を微調整する。
1着作るのに3週間。
こうした丁寧な仕事をする職人はほとんどいなくなったという。
(封さん)
「われわれ職人が香港に移ってきたので
 中国の伝統衣装を残すことができました。
 しかし今は後継者がほとんどいません。」
封さんは3年前から仕立て教室を開いている。
もっと多くの女性たちにチャイナドレスに触れる機会を持ってほしいと考えたからである。
この日集まったのは20~50代の初心者の女性たち。
半年間にわたって作り方を1から教える。
(生徒)
「おばさんたちが着るイメージがありましたが
 尊重されるべき文化だと思いました。」
(封さん)
「みんながこんなに一生懸命学んでくれて満足しています。」
チャイナドレスの歴史的な価値に注目して保存しようという人も出てきている。
袁さんは10年ほど前から亡くなった人の遺品や着なくなった古いドレスを譲り受けている。
金の糸で豪華な刺しゅうを施したドレス。
今では見られなくなった貴重なものである。
収集を始めるきっかけとなったのがチャイナドレスを着た祖母の若いころの写真である。
美しく輝く祖母の姿に衝撃を受けたという。
(袁さん)
「いつも会っていた祖母のイメージがチャイナドレスですっかり変わりました。
 あの写真のおかげで中国の服装に興味を抱くようにです。」
この日袁さんに保存してもらおうと
母親から着なくなったドレスを預かってきたが男性がやって来た。
「これはパーティー用に作ったそうです。
 1970年代のものです。」
「上質な素材で作られていますね。」
(男性)
「母はチャイナドレスの良さを文化として大事にほしいと願っていました。」
これまでに袁さんが譲り受けたチャイナドレスは1,500着。
香港随一のコレクションとなり
特別展などで展示されるようになった。
袁さんは今後さらに多くの人に見てもらおうと
常設の博物館を作りたいと考えている。

 





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