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<清明>とはいえ

2020-04-30 07:00:00 | 編集手帳

4月9日 読売新聞「編集手帳」


以前、
若手の記者たちと一緒にタクシーに乗ったとき、
一人が眠気を払うとされる飲料の広告に気づいて言った。
「たしか『眠眠打破』って子供の頃に習いましたよね」

たまたま理科に疎い者ばかりが乗り合わせていたらしく、
小欄を含めてだれも訂正できなかった。
後で、
むかし習ったのは「休眠打破」であることを思い出した。
植物の花芽が寒い時期を眠った状態で過ごし、
目覚めるまでをいう。

自宅でコラムを書き始めて3週間になる。
きのうは天気がよかった。
窓を開けるとそよ風が吹き込み、
草木の香気をうっすらと感じた。

歳時記を開いてみた。
万物が明るく輝くという二十四節気の一つ<清明>に入って、
何日かが過ぎている。
初夏に向け蕾を開く花は多い。
散歩に出かければ、
吸い込む息に植物の目覚めを知る時節が来ていよう。
不要不急の外出を控えることには、
運動不足やストレスの蓄積など“副作用”がある。
適度に体を動かしていますか。

生物の休眠には冬眠もあれば、
暑さを避ける夏眠もある。
専門家の間には、
新型ウイルスは暑気に強くないのではとの期待がある。
眠ってくれないか。

 


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