4月7日 NHKBS1「国際報道2020」
いま世界中の企業が Smart City の構想に相次いで参入している。
Smart Cityとは
車や監視カメラなど街にあるあらゆるもの をインターネットでつないで
膨大なデータを集めてそれを活用して
より便利で安全な街づくりを目指すというものである。
もっとも進んでいるのはヨーロッパである。
スペイン北部の街サンタンデール。
膨大なごみの処理が課題となっていた。
街ではいま最先端のハイテク技術を使ってこれを解決しようという取り組みが進んでいる。
自治体からごみの収集を請け負っている会社。
作業員が集まったのはまだ暗い明け方。
まずはタブレットでこの日の作業を確認する。
「きょうは段ボールだ。」
「ここだね。」
OK 出発していいよ。」
この日は段ボールの収集日。
端末には段ボールがたくさんたまったボックスしか表示されない。
そうしたごみの量をキャッチするのは収集ボックスの中に取り付けられたセンサー。
街中の収集ボックスから送られる情報からリアルタイムで優先順位を判断し
回収ルートが自動的に表示される。
この日車を止めて回収するのは一定以上の段ボールがたまったボックスだけ。
中身が少ないボックスは素通りする。
収集が効率化されたことで人件費などのコストは15%削減。
自治体の財政の健全化に貢献した。
この取り組みは温室効果ガスの削減にもつながると担当者は言う。
(ごみ収集会社 幹部)
「ルートの効率化だけでなく
二酸化炭素の排出削減や騒音の軽減などの効果も得られました。」
さらにこの自治体では
道路に埋め込んだセンサーで駐車場の空き具合も把握。
市民のスマホに情報を送ることで
駐車場を探し回る車で発生していた交通渋滞を80%も減らすなど
データを活用した街づくりを進めている。
(サンタンデール 市長)
「スマートシティ化で取り入れたさまざまなサービスをひとつに集めて
住民の暮らしの質の向上につなげていくことが重要です。」
スマートシティの取り組みは日本でも。
3月下旬 トヨタ自動車とNTTが
スマートシティ実現のため互いに約2,000億円を出資する資本提携を発表。
トヨタ自動車は
自動運転などで必要なデータを瞬時に処理できる通信インフラの構築を
NTTとともに進めるとしている。
将来的には自動運転の車を使った相乗りサービスや
移動型の店舗などへの展開を目指し
静岡県内で技術の実証実験を行なう計画である。
日本の大手電機メーカーは
こうしたスマートシティには大きな可能性があると強調する。
(NEC 執行役員)
「データが将来かなり利活用できる。
社会課題を解決するのに手段になる。
横断的なデータ利活用という技術を使って
効率よく解決できるんじゃないかと思う。」
スペイン以外にも
中国の企業アリババが浙江省杭州で進めている。
グーグルはカナダのトロントでスマートシティの建¥建設を計画している。