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エチオピア 元マラソン選手 東京五輪にかける思い

2020-11-24 07:08:42 | 報道/ニュース

10月29日 NHKBS1「国際報道2020」


東京大会でエチオピアのホストタウンとなっている茨城県笠間市。
市内を走るのはアベベ・メコネン(56)さんである。
メコネンさんはオリンピック2大会に出場した経験を持つ
エチオピアを代表する元マラソン選手。
東京国際マラソンで3回('88 '91 '93)優勝するなど
80年代後半から90年代にかけて活躍した。
去年8月
笠間市のスポーツ国際交流員として来日。
市内の小中学生を対象にしたマラソン体験教室などを企画・指導している。
(笠間市職員)
「すごい人が来ると感じた。
 本当にあのアベベ・メコネンかと。」
(アベベ・メコネンさん)
「日本とエチオピアの良い関係を築くために来ました。
 ここ笠間市で東京オリンピックを見られるなんて
 私は大変な幸せ者です。」
メコネンさんは新型コロナウィルスの影響でオリンピックが延期になった後も
母国には帰らず日本に残ることを決めた。
東京大会の開催を待ち望むのは
自身もかつてオリンピックで悔しい経験をしたからである。
1988年
メコネンさんは23才でソウルオリンピック エチオピア代表に選出。
選手としては絶頂期にあり
金メダルの最有力候補とももくされていた。
しかし当時のエチオピアの社会主義政権が政治的な理由で大会をボイコット。
メコネンさんの出場はかなわなかった。
(メコネンさん)
「オリンピックで勝つための準備はできていた。
 どうすることもできなかった。
 私たちの力を超えていて・・・。」
オリンピックに出場できない悔しさを誰よりも知っているメコネンさん。
今回 東京オリンピックが延期となり影響を受けている母国の選手たちを
少しでも励ましたいと考えている。
この日電話したのはエチオピア代表のコーチ。
(メコネンさん)
「練習はどう?」
(コーチ)
「始めたよ。」
(メコネンさん)
「東京大会に備えてどう?」
(コーチ)
「いいよ。
 この前のロンドンマラソン見た?」
(コーチ)
「優勝したキタタ選手は良かったでしょ。」
(メコネンさん)
「よかったね。
 頑張って練習してください。
 選手たちを励まして。」
(アベベ・メコネンさん)
「延期になったが中止にはなっていない。
 だからやる気を出して準備してオリンピックに参加しなければいけない。
 陸上では強い心があれば成果も出ます。
 希望を失ってはいけない。」
希望を失ってはいけない。
メコネンさんもいま日本で新たな生きがいを見出している。
それが子どもたちへの指導である。
地元の中学校の陸上部の指導を任されている。
メコネンさんは実はエチオピアでナショナルチームのコーチを15年勤め
5人のオリンピック金メダリストを育てた超一流の指導者。
でも子どもたちを指導するのは初めての経験である。
(生徒)
「メコネンさんは優しい。」
「誰にでも話しかけたり明るい性格。
 英語がわからなかったりするが
 話していて楽しく
 やる気が出る。」
メコネンさんが新しく取り入れた練習がリズム体操である。
この体操はエチオピアの代表選手がトレーニング前に行なっているのと同じもの。
楽しく体を動かすことで筋肉をほぐしケガをしにくい体をつくる。
また練習メニューも日替わりで考案。
この日は短距離を走り込みを行なった。
(メコネンさん)
「きついよね。
 スピードをつけるためだからとても重要な練習です。
 昨日はタイムを設定して練習したから
 きょうは速いタイムで。
 上げて 落として。」
「彼らと一緒に練習するのはうれしいです。
 自分自身も生まれ変わるようです。」
日本で子どもたちを指導する楽しさを知ったメコネンさん。
いま新たな目標も見つけている。
(メコネンさん)
「エチオピアで未来ある子どもたちを育てていきたいです。
 オリンピックなどの代表選手に成長させられたらいいですね。」




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