7月7日 キャッチ!
イギリスの住宅金融大手の調査によるとこの1年間でロンドンの住宅価格は25%以上も上昇した。
イギリス人はもともと持ち家好きが多い。
それに加えてイギリスの住宅は日本に比べて日本よりも耐用年数が長く長期的な資産となるため
購入した家の価値が上がると売却してより大きな家を購入する場合も多い。
そうした買い換えを住宅階段 Housing Ladderという。
国際的な大都市としての魅力も相まってロンドンはもともと住宅の需要が高い。
しかし一方でロンドンでは景観保護などの理由で住宅建築が制限されている。
需要に比べて供給が圧倒的に少ないのが現状である。
こうしたなかイギリス政府は景気回復を追い風に住宅の購入を後押しする政策を進めている。
住宅を求める人々の需要がさらに高まっている。
ロンドンのイーストエンドにあるつつましい住宅の公開初日。
新規に住宅を購入したい若い人たちがこの家を見に来ている。
Q.新規購入者として今の市場をどう見ているか?
「非常に過熱していると思う。
もう予算ギリギリです。
どんどん高くなっているので手が出せません。」
「本当に異常なほどの住宅価格で探すのに苦労している。」
Q.不動産市場は少し冷めていると言う人もいるが兆候は見えるか?
「いいえ 競争も激しく家を探している人が多すぎます。
エコノミストがそう言っても私にはそうは見えません。」
イーストロンドンにある1ベッドルームだけの小さな部屋は不動産と呼べるほどのものではないが
今の価格は38万ポンド(約6,650万円)で40万ポンド以上になるとみられる。
価格は全国平均の2倍以上。
イギリスの規制当局の元責任者は経済的にも金融的にも危険だと述べている。
Q.住宅市場にバブルは起きているのか?
「ロンドンや南東部はバブル初期の段階にあることは間違いなく
懸念される事態になっている。
しかしスコットランドの北東部や北アイルランドなどでは地域ごとで大きなバラつきがある。」
イングランド銀行はほかの地域の経済回復の足を引っ張ることなく
ロンドンなどの住宅市場の過熱ぶりに対処しなくてはならない。
急激な住宅価格の上昇が起きている背景には国内の事情だけではなく海外からの資金の流入がある。
(若山大学経済学部 簗田優准教授)
「ロンドンで住宅価格が非常に上がっていることはイギリス全体で原因を見てみる必要がある。
一番大きな理由は住宅需給のアンバランス。
供給面では建築規制 都市計画 書類などの手続きで進まない。
需要面は個人の面 金融の面 海外の面で見ていく必要がある。
イギリスは近年好景気なので住宅購入意欲が増進している。
金融の面では“Fundingu for Keadinng”という政策が行われており銀行が低コストで資金を調達できる。
“Buy to Let”という住宅ローン貸出推進政策も行われている。
加えてアラブの春などでイギリスに入った金が滞留している。
中国やロシアからの新規資金流入で需要が高まりアンバランスが加速。
特になぜロンドンかというと都市としての魅力が一番大きい。
2012年~13年 ロンドン中心部の高級物件は50%が外国人に買われるほど外国人に人気。
その50%のうち30%がイギリス非居住者からの投資。
新築物件は外国人購入者の比率が非常に高く全体の80%を外国人が購入している。
内訳はロシア地域 中東地域 中国地域 それ以外各20%。
イギリスシティはもともと世界から金を集めるマネーセンターの役目をしている。
不動産価格が上昇していくからといって海外資金の流入規制をすることはない。
今後も外資流入は継続するし不動産価格は上昇をすると思う。」