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ドイツ “増税で消費減を” 変わる肉への意識

2019-10-05 07:00:00 | 報道/ニュース

9月12日 NHKBS1「キャッチ!世界のトップニュース」


ドイツでは1人あたりの肉の消費量が年間約60キロにのぼり
世界平均を20キロ上回っている。
いま増税をすることでその消費量を減らそうという声が広がっている。

議論になっているのは肉にかかる付加価値税。
現在の軽減税率の7%から標準税率の19%にまで引き上げるべきだという提案が
8月 議員から相次いだ。
肉の消費量を減らし
動物の福祉と温暖化対策につなげようという狙いである。
(社会民主党 ライナー・シュピーリンク議員)
「肉を食べることについてドイツ国内で議論が始まることが重要です。」
背景には動物や環境を保護しようという人々の意識の高まりがある。
ドイツでは
肉はもちろんチーズや牛乳など
動物に由来するものを一切口にしない“ビーガン”と呼ばれる人たちが急増。
2008年には8万人ほどだったのが現在は130万人にも上ると言われている。
ベルリンで8月に開かれたヨーロッパ最大のビーガン祭り。
菜食主義を推進する団体などが主催し今年で12回目を迎えた。
来場者は年々増加を続け
今年は3日間で6万5,000人が訪れる賑わいとなった。
肉を避ける理由の1つに動物愛護の精神がある。
食べるために動物を殺すことへの拒否感や
動物を狭い檻に閉じ込めることは残酷という考えが広がっている。
肉のように切って焼いて調理されているのは小麦蛋白で作られた代替肉。
牛乳を一切使っていないアイスクリームも登場。
カシューナッツから作られた特製のクリームでなめらかな食感である。
(来場者)
「おいしいです。
 普通のアイスクリームよりもいいよ。」
「動物も人間と価値は同じです。
 動物を殺して食べる権利なんてないと思います。」
「たとえ税率が上がり肉が高くなっても
 その税金が動物のために使われるならいいと思います。」
さらに
肉を食べることが地球温暖化につながるという懸念も広がっている。
家畜のゲップや排せつ物に含まれるメタンガスなど
肉の生産過程では大量の温室効果ガスが排出されるためである。
(講演会 講師 アイデュルムシュさん)
「チーズバーガーを食べて自転車に乗れば
 自動車の半分の温室効果ガスを輩出したのと同じです。」
こうした意識の高まりは世界的な企業をも動かしている。
アメリカのハンバーガーチェーン最大手のマクドナルドは
4月 まずはドイツ限定で肉を一切使用しないバーガーの販売を開始。
パテには大豆と小麦で作られた代替肉を使用。
見た目も味も本当の肉のようで
売れ行きは好調だという。
(広報担当 バッハホルツさん)
「ドイツでは肉を使わないものが求められているのです。
 ビーガン向けの新製品にはドイツ以外の市場も関心があり
 他国の店舗も新製品の動向に注目しています。」
一方 肉の消費量を減らすために税率を引き上げることに反対する意見もある。
ベルリン市内で20年以上精肉店を営むビュンガーさん。
肉を販売するうえで家畜が育つ環境にも気を配ってきた。
店に並ぶのはストレスが比較的少ない放牧などによって育てられた家畜の肉。
手間がかかるぶん値段は普通の肉の倍以上になるが
動物の尊厳を大切にしたいというこだわりを持っている。
ビュンガーさんは肉の税率アップによる売り上げへの影響を心配している。
ドイツの平均的な2人世帯が肉にかける出費は日本円で月々約5,900円。
税率が引き上げられれば毎月約660円出費がかさむことになる。
その結果
効率的に生産される安い肉ばかりが売れるようになって
ビュンガーさんのように家畜に配慮している精肉店にとって大きな打撃になるという。
(精肉店オーナー ビュンガーさん)
「肉の税率引き上げには反対です。
 動物のために努力してきた精肉店には“罰”のようです。
 肉がさらに高くなればお客さんは安く買えるスーパーに行くでしょう。
 結果的に動物に悪影響を及ぼします。」







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