11月2日 読売新聞編集手帳
与謝野鉄幹は『人を恋ふる歌』にうたっている。
〈友のなさけをたづぬれば/義のあるところ火をも踏む…〉
友人とは何かといえば、
信義を重んじ、そのためには火中に身を投じることもいとわない、そういう間柄のことだ、と。
鉄幹流の定義にかなう「友」米国との間で結ばれた同盟関係によって今の日本があることに、
異を唱える人はいないだろう。
なあに、米国だけが友人じゃないさ――とばかりに日米関係を軽んじ、
中国との親密ぶりを誇示したのが「鳩山首相―小沢幹事長」体制下の民主党政権である。
その結果、何が起きたか。
わが国固有の領土である尖閣諸島を見ればいい。
北方領土を見ればいい。
「義のあるところ火をも踏む」友人との間に吹くすきま風を中国やロシアにつけ込まれ、
いいようにされている。
〈友をえらばば書を読んで/六分の侠(きょう)気四分の熱…〉。
書物の本家とはいえ、
軍事力と経済力を頼んで無理を通そうとする
「六分の凶器四分の欲」の国は真の友たり得ない。
政権交代から1年余、
領土・領海を危険にさらして友人の選び方をようやく学習するとは、
払った授業料が高すぎる。
与謝野鉄幹は『人を恋ふる歌』にうたっている。
〈友のなさけをたづぬれば/義のあるところ火をも踏む…〉
友人とは何かといえば、
信義を重んじ、そのためには火中に身を投じることもいとわない、そういう間柄のことだ、と。
鉄幹流の定義にかなう「友」米国との間で結ばれた同盟関係によって今の日本があることに、
異を唱える人はいないだろう。
なあに、米国だけが友人じゃないさ――とばかりに日米関係を軽んじ、
中国との親密ぶりを誇示したのが「鳩山首相―小沢幹事長」体制下の民主党政権である。
その結果、何が起きたか。
わが国固有の領土である尖閣諸島を見ればいい。
北方領土を見ればいい。
「義のあるところ火をも踏む」友人との間に吹くすきま風を中国やロシアにつけ込まれ、
いいようにされている。
〈友をえらばば書を読んで/六分の侠(きょう)気四分の熱…〉。
書物の本家とはいえ、
軍事力と経済力を頼んで無理を通そうとする
「六分の凶器四分の欲」の国は真の友たり得ない。
政権交代から1年余、
領土・領海を危険にさらして友人の選び方をようやく学習するとは、
払った授業料が高すぎる。