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中国 後世に伝えたい 伝統の「客家文化」

2016-08-19 07:15:00 | 報道/ニュース

7月28日 キャッチ!


中国で客家(はっか)と呼ばれる人々。
客家は“他所から来た人”という意味で
その起源は古く約4世紀にさかのぼると言われている。
黄河中流域にいた人々が戦乱を逃れて
長い年月とともに徐々に南に移動。
多くは現在の広東省や福建省に到着し周辺の地域にも移動した。
移民として差別されることもあり
周囲の人たちと争いになることもしばしばあったが
中国古来の言語や独自の風習に誇りを持ち
近代にまでその文化を守ってきた。

中国南部 広東省始與。
人里離れた山あいにある小さな村。
客家の人たちが人口のほとんどを占める客家の村である。
土地を自ら開墾し一族が協力しあって農業で暮らしてきた。
のどかな風景の中 
見るものを威圧するように立っているのが“囲楼(いろう)”と呼ばれる建物である。
たくさんの大きな石が積み上げられた4メートルの壁。
狭い入り口を抜けていくと4階建ての大きな建物がそびえ立っている。
囲楼は外敵の襲来に備えて村人がお金を出し合って作った。
外壁に多くの小さな窓があるのが特徴で
ここから銃で敵を撃退した。
入り口は1つだけ。
外敵から住民の命と食料を守ってきた囲楼は
長い歴史を物語る客家文化の象徴である。
しかしいま豊かさにあこがれて都会に出稼ぎに行く村人も多く
囲楼は荒れ放題のまま放置されている。
こうした現状を憂う村人がいる。
尹福竜さん(53)。
都市部で20年以上銀行に勤めていたが
大切な客家の文化遺産を守りたいと生まれ育った村に戻ってきた。
(尹福竜さん)
「これは4年前の修復以前の写真です。
 すべて壊れています。」
尹さんは地元政府と50年間の賃貸契約を結び
約450万円をかけてこの囲楼を修復した。
祖先の暮らしを伝えるために当時の設計はそのまま残している。
今では使われなくなった物でも
当時の人の息遣いが感じられるという。
最上階には特殊なトイレが設置されている。
正面と下
そして左右に窓があり
外敵を警戒する。
またベッドをしつらえ宿泊できるように改造。
都会の人たちが客家の文化を理解するきっかけにしてほしいと考えている。
この地域には約250もの囲楼が残っているが
どれも傷みが激しい状態である。
そこで尹さんは地元政府と協力して修復作業を進め
将来的には観光地として村おこししたいと考えている。
160年前に建設されたこの囲楼は
屋上に中国茶を楽しめる喫茶店を作る計画である。
客家の友人が経営しているレストランとも連携。
囲楼の写真を飾り
その歴史とともに祖先から受け継いだ客家伝統の味を味わってもらおうという狙いである。
客家の代表料理“客家豆腐”。
豆腐の真ん中をくり抜いて豚肉を入れて焼いた料理である。
山で摘んだヨモギなど野草を練り込んだものや
伝統の保存食を使った料理などでもてなす。
さらに若い世代に向けた取り組みも始めている。
この日は都市部の中学生や高校生を招いて
木登りなどの自然を体験してもらう教室を企画した。
子どもたちにとって裸足で作物を収穫するのは初めての経験である。
最後に尹さんは囲楼や客家の文化について説明した。
(参加した中学生)
「囲楼のことは知りませんでした。」
「客家が一族を守るために建てたんですね。」
興味を持った子どもたちに尹さんは大きな手ごたえを感じている。
(尹福竜さん)
「もっと多くの人に関心を持ってもらえるように努力して
 独特な客家文化を伝承していきたいです。」
尹さんのルーツである客家の文化。
次の世代には確実に伝えられている。




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