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ロシアで大人気 日本の折り紙

2013-04-26 08:22:13 | 海外ネットワーク


  4月14日 NHK海外ネットワーク


  ロシアでは折り紙教室が国のいたるところにあり
  モスクワだけでもその数は50を超える。
  折り紙の何がロシアの人たちの心をとらえたのか。

  モスクワの小学校で折り紙大会が行われた。
  出来上がったのはカエル。
  早く折れた子供たちにはご褒美があるが悔しくて思わず涙する子も。
  この学校は5年前 根気強さは几帳面さを身につけてもらおうと折り紙に注目した。
  放課後にほぼ毎日折り紙教室が開かれている。
  (生徒)
  「おるのは簡単だよ。」
  「いろいろなお花や白鳥を折るのが好きです。」
  
  子どもだけではなく大人たちも折り紙に熱中している。
  週末に市内の図書館で行われている折り紙クラブでは
  大人たちが2時間みっちり折り紙に向き合う。
  人気があるのは宇宙開発が盛んなお国柄を反映したロケットや迫力のある恐竜たち。
  (警備の仕事をしている男性)
  「心が平穏になるというか都会のせわしなさを忘れられる。」
  折り紙を通じて日本社会が持つ技術力の秘密にも迫る。
  (折り紙の先生)
  「なぜ私たちは日本の技術が好きなのか。
   それは質がいいからではないでしょうか。
   私の考えですが日本人は幼いころ折り紙を習うので
   大人になっても何事も丁寧なのです。」
  
  ロシアで折り紙の伝道師ともいえる役割を果たした人がいる。
  モスクワに住むイーゴリ・コロテーエフさん(60)。
  日本文化を研究しているイーゴリさんは1990年代後半
  当時まだ珍しかった折り紙の本を作った。
  これまでに4冊出版しその魅力をロシア中に伝えた。
  (イーゴリ・コロテーエフさん)
  「これは忠臣蔵で有名な斧定九郎が盗みをする場面です。」
  本で取り上げた折り紙には今の日本人が知らないような珍しいものも含まれていた。
  ソビエト崩壊で外国の文化に本格的に目を向け始めたロシアの人たち。
  日本の先端技術への憧れとともに折り紙を受け入れていったとイーゴリさんは考えている。
  (イーゴリ・コロテーエフさん)
  「折り紙には素朴で過度に彩られていない美しさがある。」

  ロシアの折り紙は独自の進化も遂げている。
  モスクワから東に約3,500キロ離れたシベリア中部のチグリスコエ村。
  村の学校で美術の教師をしているセルゲイ・タラソフさん(42)は
  折り紙名人と呼ばれている。
  (セルゲイ・タラソフさん)
  「あそこにあるのが私の宝物。」
  セルゲイさんがつくったモスクワ赤の広場にある世界遺産「聖ワシリー寺院」。
  高さは1m70㎝もある。
  作品は三角形の折り紙を重ねてつくられている。
  使われた折り紙は約6万枚。
  設計図はなく写真を頼りに組み立てた。
  完成まで1年。
  展覧会では最高の評価を得た。
  (セルゲイ・タラソフさん)
  「何回も組み立ててはやり直しをしましたよ。」
  1つの折り紙はA4の紙を16分割したものである。
  これを家族総出で小さな三角形に折る。
  ひとつひとつ地道に積み重ねていく。
  (セルゲイさんの娘)
  「お父さんの作品は全部すばらしいわ。」
  (セルゲイさんの姉)
  「紙を折る作業はあまり好きじゃないんだけどね。」
  月給9万円ほどのセルゲイさんは酒も飲まずタバコの吸わないが
  給料の約20%が紙代に消えていく。
  酒におぼれるよりはましと家族もあきらめ顔。
  セルゲイさんは最近 新たに地元の教会を作った。
  (セルゲイ・タラソフさん)
  「2か月あった休暇すべてを使って組み立てました。
   さすがに妻に家を追い出されそうになりました。」
  熱い思いは止まらない。
  (セルゲイ・タラソフさん)
  「将来はモスクワのクレムリンを作りたい。
   塔や壁クレムリンのすべてを作りたい。」

  ロシアの人たちの日常に深く根をおろした折り紙。
  これからどう進化するのか。
  本家の日本の私たちも楽しみである。
  

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