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“チャンスはアジアに”日本人農家の挑戦

2014-03-07 09:00:00 | 海外ネットワーク
3月2日 NHK海外ネットワーク


食に関する市場の規模は中国、インド、アセアン諸国を合わせると2020年には今の3倍になるとも言われている。
長野県で農業を営む篠原和仁さん(34)と花岡貴也さん(35)は長野から約4000キロ離れたベトナムにいる。
(花岡貴也さん)
「長野県と似ているというのが率直な印象。
 気候・標高・景色
 いいところだなと。」
ベトナム南部標高約1500mの高原にあるダラットはフランスの植民地時代に開拓された避暑地。
標高が高く1年中涼しい気候を利用して野菜の栽培が盛んである。
ふたりが本来レタス栽培の拠点としているのは日本有数の産地として知られる長野県川上村。
しかし人口が減少している日本では野菜の消費量も減りつつあり
この先日本だけで農業を続けていては事業拡大は難しいと考えていた。
そこで目を向けたのがアジア。
中でも人口規模が比較的大きく経済成長が続くベトナムである。
多くの料理を生野菜と一緒に食べるベトナムの人たち。
「ベトナム料理のほとんどは野菜と食べるんだよ。
 生野菜は身近なものさ。」
さらに二人が注目したのは経済成長に伴って高まりつつある食の安全・安心への関心である。
ベトナムでは手間を省くために大量の農薬を使う生産者も多く基準を上回る残留農薬や禁止農薬がしばしば検出される。
これまで野菜は屋外の市場で買い求めるのが一般的だったが
経済的に豊かな人たちの間では衛生的なスーパーを利用することも増えてきた。
(買い物客)
「どこで生産されたかがわかるので野菜はスーパーで買う。
 安全のため。」
「生で食べる野菜は全部スーパーで買う。
 少なくともスーパー側はチェックしているから。」
野菜専用の洗剤も人気がある。
直接口にするものだけに洗剤で洗ってからという人もいるのである。
「生で食べるのだからきちんと洗わないといけない。
 家族の健康が心配だから。」
ベトナムには日本式の安全・安心のノウハウを生かせるビジネスチャンスがあると考えた篠原さんと花岡さんは
ベトナムで会社を設立することを決意。
早速移住した花岡さんが中心になって今年1月からレタスの試験栽培を始めた。
関心が高い農薬については日本の基準の半分以下に抑えてきたこれまでのやり方をそのまま取り入れた。
それを一緒に働くベトナム人スタッフに一つ一つ指導していく。
現在栽培中のレタスは14種類。
どの品種がベトナムに適しているのか手探りなだけにデータの蓄積も欠かせない。
(篠原和仁さん)
「取り組むべきはいい野菜をつくるためのデータ作り。
 ダメなところはダメでシビアに管理していかなければ。」
その細かさに当初現地のスタッフには戸惑いもあった。
しかししだいにその大切さを理解するようになったという。
「肥料や水をどれぐらい与えるか
 ベトナムではあまり計算しない。」
 彼らのやり方は順序だっていて科学的です。」
ふたりは鮮度にもこだわっている。
ベトナムでは野菜は常温のまま運ばれるのが一般的。
しかしそれでは店頭に並ぶ頃には鮮度が落ちてしまう。
そこで篠原さんたちはある会社を訪れた。
お目当てはダラットではこの会社にしかないという最新の設備である。
これを使うとレタスを急速に冷やすことができ長時間レタスを新鮮な状態で運ぶことができる。
この会社と契約を結び設備を利用できることになった。
ふたりには地元の自治体も日本の農業の手法を吸収できる絶好の機会だと期待を寄せている。
(ラムドン省 投資計画局副局長)
「ダラットの人にとってチャンスだと思う。
 栽培方法を学んで実践することができると思う。」
(花岡貴也さん)
「見た目・間紙・味も
 もちろん一番大事な安心・安全にこだわって
 食べた人がこのレタスは世界一と思ってくれるものになったらいい。」
「私たちが作ったレタスならスーパーに並んでいるのをそのまま食べられる。
 そういうのが常識になっていくようなことができるとわれわれの存在意義がある。
 日本人の手で作られたベトナムの野菜
 十分にありだと思いますよ。」
ふたりが試験栽培しているレタスは来月4旬には収穫できる見通しである。
ふたりは自分たちが育てた安全・按針な野菜をベトナムはもちろんアセアン諸国にも届けたいと話している。



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