4月27日 おはよう日本
高齢者が高齢化する中小企業のうち約半数が後継者が決まっていない。
こうした企業が廃業に追い込まれてしまうと
今後10年間で650万人の雇用が失われるという試算がある。
そこで今注目されているのが
“あと取り息子”“あと取り娘”をベンチャー経営者に変えようという取り組みである。
2月6日大阪梅田で開かれたイベント。
親が事業を営む34歳以下の若者約80人が集まり意見を交わした。
これまで後継ぎの問題は
高齢になった親にアプローチして
どう事業をほかの企業などに譲り渡すのかという視点が中心だった。
このイベントを企画した団体が提案しているのは
後を継ぐ息子・娘へのアプローチ。
若者を“ベンチャー経営者”に変えようとしているのである。
(一般社団法人 ベンチャー型事業承継)
「これまで事業承継支援は継がせる側の親世代向け。
後継ぎにもっと期待していく
ベンチャーの卵として期待していく、」
若手後継ぎが親の事業を根本から変えたお手本とされているのが三寺歩さんである。
三寺さんの実家は京都の西陣織メーカー。
経営が傾きっ廃業寸前だった家業を5年前に引き継ぎ
全く新しい事業に挑戦した。
考えついたのは着る“心電計”。
身に着けるだけで心電図で計測するデータをリアルタイムで取得できるシャツを開発した。
専用のアプリと連動することで
たとえば建設作業員が体調を崩していないか把握するのに使われている。
アメリカのIT企業IBMとも提携し
売り上げは以前の20倍に増えたという。
技術の核となるのは
親の時代に使っていた銀メッキの糸。
電気を通しやすいことに着目・応用したのである。
(ミツフジ 三寺歩社長)
「親の世代が作ってくれた資産・技術を使って
その使い方を変えて
新しい会社・事業を作るチャンスがある。」
こうした後継ぎたちの挑戦。
たとえば老舗の寝具メーカーを継いだ若者が
羽毛の加工技術を応用してダウンジャケットを販売したり
酒造会社の後継ぎがオリジナルの調味料の開発に乗り出すなど
広がりつつある。
兵庫県で実家の農業を継ぐことを決めた小野さん。
親が考えつかなかった
オフィス向けに野菜の苗を届ける定額制のサービスを始めようと考えている。
(文化農場 小野さん)
「新しい何かを生み出し
人に貢献できることをしていきたい。
勢いで頑張っていきたい。」