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気さくだった岸部四郎さん

2020-10-09 07:00:00 | 編集手帳

9月16日 読売新聞「編集手帳」


 先日、
書店で当欄の「書き写しノート」を持ってレジに向かう女子高校生を見て恐縮した。
昔話をするにしても、
若い人にわかる書き方をしなければと思ってから、
そう時がたっていない。

こう言えば少しは古き時代に近づくだろうか。
おばあちゃん世代の話です。
コンサートで熱狂したあまり、
失神する人が続出していたのを知ってた? 
音楽シーンの場外に昔あって今はない景色だろう。

「ザ・タイガース」のメンバー岸部四郎さんが71歳で亡くなった。
きのう流れた訃報に、
グループサウンズの絶頂期を思い出された方は多かろう。

京都市で育った。
兄の俳優、
岸部一徳さんがいたタイガースに加入したのは人気の爆発したあとだったが、
気さくなトークでファンをひきつけた。
解散後は俳優やテレビの司会者として活躍した。
当たり役は「西遊記」の沙悟浄だろう。
中国の妖怪がなぜか、
とぼけた感じの京都弁で話をしていたのが懐かしい。

コピーライターの吉竹純さんに短歌がある。
<GSはグループサウンズ息子よ角のガソリンスタンドじゃない>。
悲報なのに、
柔らかなコーラスが耳朶(じだ)に響いてくる。

 


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