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世界で加速 スタートアップ争奪戦

2018-02-11 07:00:00 | 経済フロントライン

1月20日 経済フロントライン


いま日本の大企業の間では
自前主義から脱却して
「スタートアップ」と呼ばれる企業と提携する動きが広がっている。

未来のアップルやグーグルを夢見て多くの起業家が集まるシリコンバレー。
ここに拠点を置く日本企業の1つ 富士通。
1年前から駐在している牧田浩幸さん。
いま強化しているAIの技術で提携できるスタートアップを探している。
この日会ったのは通信の暗号化で高い技術を持つ企業である。
交渉を重ね初めてトップとのミーティングが実現した。
「自分たちだけですべては出来ないので
 提携が必要だと考えています。
 スタートアップへの投資など思い切った取り組みを検討しています。」
牧田さんはこれまで1,000社以上をリサーチし
約150社から直接話を聞いた。
しかし相手の経営状態も詳しく調べなければならず
契約には時間がかかると言う。
(富士通 サービステクノロジー本部 技術戦略室 牧田浩幸さん)
「やはりすんなりとはいかない。
 『いいものはいいわ』とか
 『彼らのとがっている部分はとがっているからそれは使おう』という判断をしていく。
 いつまでも自分一人で出来ると思ってやっていると
 “ゆでガエル”ではないが
 気付いたときには孤立してしまっている。」
こうした日本企業を支援する会社もある。
多くのベンチャー企業に投資してきた ドレイパー・ネクサス社である。
この会社では日本企業にオフィスを提供し
有望なスタートアップの紹介を行っている。
日本の大手企業5社(IHI 京セラ 清水建設 クラレ みずほフィナンシャルグループ)が常駐している。
受け入れを行っているドレイパー社のトップは
日本企業がスタートアップに選ばれる存在になることが何より大事だと言う。
(ドレイパー・ネクサス 共同創業者 北村充崇さん)
「日本企業はスタートアップのことについてあまりにも知らなすぎる。
 地球人が初めて火星人に会って初めて会話をして
 全然違う人種がいるんだ。
 どうやって一緒に付き合うためにやっていくか考えて話をする。
 世界の競争の中でスタートアップ企業にどうやって選ばれる存在になるか。
 それが今ものすごく重要なポイント。」
ここではスタートアップにもオフィスを貸し出している。
パソコンモニターを片手に現れた男性。
スタートアップを志す若者が続々と集まってくる。
「素晴らしいスペースですね。」
「私たちの製品を世界中で使ってもらいたいです。」
こうした野心的な企業家が次々とイノベーションを生み出していくのである。
有望なスタートアップに提携先として選んでもらえるかどうか。
カギを握るのがスピードである。
大手機械メーカーIHIは
シリコンバレーで3年前に起業したスタートアップとともに倉庫などで使うロボットを実用化した。
形や大きさがバラバラで無造作に積み上げられた箱。
ロボットに搭載されたAIがひとつひとつの箱を正確に認識し自動で仕分けを行なう。
AIの技術はスタートアップが担当し
IHIはロボットを制御するシステムを開発した。
(IHI 多屋公平さん)
「人力で段ボールを降ろす作業をしている。
 ニーズに合った商品が出来ると思った。」
完成までの期間はわずか1年。
スピードアップの決め手となったのがもともと用意していた契約書のひな型だった。
交渉の入り口で手間取る秘密保持契約。
自分たちが最大限譲歩した内容で
事前に本社の決済を取ったものである。
何度も行なっていた本社とのやりとりが不要になり
最短1週間で契約が可能になった。
(キネマ・システムズ CEO サチン・チッタさん)
「IHIは非常に戦略的に私たちの技術を評価してくれました。
 彼らの対応はとても早かったです。」
(IHI 多屋公平さん)
「『この企業はスタートアップに対していろいろな工夫をしてくれる』と
 この人たちとならスピーディーにと思ってくれる。」
今や大手企業になくてはならないスタートアップの提携。
その世界の潮流について行けるのか
日本企業の覚悟が試されている。





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