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新大久保駅の事故から20年 引き継がれる日韓友好の志

2021-02-17 07:06:07 | 報道/ニュース

2021年1月26日 NHK「国際報道2021」


東京の新大久保駅で線路に転落した男性を助けようとして
韓国人留学生と日本人のカメラマンが電車にはねられて死亡した事故から20年。
26歳で亡くなった韓国人のイ・スヒョンさんは
“日韓の友好の懸け橋になりたい”と日本に留学していた。
いま日韓関係は慰安婦問題をめぐる判決などで冷え込んでいるが
スヒョンさんの遺志は多くの留学生に引き継がれている。

事故が起きた駅では
26日
黙とうがささげられた。
2001年1月26日午後7時過ぎ
通勤客が多く行きかうなか男性がホームから転落。
スヒョンさんと日本人カメラマンは男性を助けようと線路に降り
電車にはねられて亡くなった。
事故から20年の節目を迎え行われた追悼式。
スヒョンさんの母親のシン・ユンチャンさん。
命日には毎日来日していたが
今年はかなわず
ビデオメッセージを寄せた。
(スヒョンさんの母 シン・ユンチャンさん)
「息子を失ってもう20年です。
 温かい愛情をくださった皆様のおかげで悲しみを乗り越えられました。」
“日韓の友好のための仕事がしたい”という夢を持って来日したスヒョンさん。
当時通っていた都内の日本語学校でも
夢をかなえるため勉強に励む姿が印象的だったという。
(スヒョンさんを教えていた田中さん)
「好青年で精悍で
 とにかく友だちが多かった。
 事故翌年の日韓ワールドカップで日本語・韓国語・英語の通訳ボランティアをしたいと。
 だからスヒョン君が生きていたらどう活躍していたかなって。」
命を懸けて見知らぬ人を助けようとしたスヒョンさんの行動に
日本や韓国からこれまでに2,000通の手紙や見舞金などが寄せられた。
事故の翌年
両親は息子と同じように“日本語を学ぶアジアの留学生を支援したい”と
見舞金で奨学金制度を作った。
現在は日本の支援者が引き継ぎボランティアで運営している。
これまでに奨学金を受け取った留学生は1,000人近くにのぼる。
その1人
一昨年来日したオ・スンフンさん(24)。
スヒョンさんと同じ日本語学校に通い始めて
スヒョンさんのことを詳しく知るようになり
感銘を受けたという。
(奨学金を受けた オ・スンフンさん)
「勇気ある行動で日韓両国に感動を与えたことは
 後輩としてとても尊敬しています。」
日本のゲーム会社で働くことを目指しているオ・スンフンさん。
得意のイラストをSNSに投稿すると
日本人からも多くのコメントが寄せられ
励まされるという。
スヒョンさんの志を受け継ぎ
将来 日本と韓国をつなぐ仕事がしたいと考えている。
(奨学金を受けた オ・スンフンさん)
「日韓関係がどこまで悪くなるのか不安です。
 関係が良くなってほしいので
 私が懸け橋になれるならそれ以上うれしいことはありません。」

スヒョンさんの母親は毎年この日に事故現場を訪れてきたが
今年は新型コロナの影響で来日できず
プサン(釜山)にある墓の前で開かれた追悼式に出席した。
多くの韓国メディアがこれを取材して
なかにはこんな見出しを取った新聞もあった。
数多くの韓日両国の外交官ができなかったことを
スヒョンさんは1人で成し遂げた
韓国ではこのところスヒョンさんをしのぶ本が出版されたり
追悼碑が設置されるといった動きも出ているという。



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