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“おもてなし”の心で日中の相互理解へ

2013-09-17 07:00:00 | 報道/ニュース
9月14日 おはよう日本

日本政府による沖縄県の尖閣諸島の国有化に反発して中国各地で反日デモが相次いでからまもなく1年になる。
中国に進出した多くの日本企業が被害を受けたがその後も中国で事業を続ける企業の中には
日本と中国の相互理解を深めようという取り組みを進めるところもある。
そのキーワードはオリンピックの招致活動でも注目された“おもてなし”。

今年4月 中国の内陸部湖南省にオープンした日系百貨店 平和堂中国4号店。
売り場の広さは4万7000㎡。
地域で最大規模を誇り高級ブランドに加え日本の食料品なども販売している。
年間の売り上げ見込みは50億円。
郊外型の複合商業施設の核となる店舗として開店し初日から多くの中国人が訪れた。
そのわずか半年前 中国各地で反日デモが起きた。
地元で日系企業の代名詞と言われてきた平和堂も襲撃され被害総額は15億円にものぼった。
それでも中国の消費者や社員の声に後押しされ事業を継続。
新店舗の開店にまでこぎつけた。
(平和堂 夏原平和社長)
「災いを転じて福となす。
 ピンチをチャンスにしよう。
 湖南省で一番の中国でも有数の素晴らしい百貨店を作りたい。」
滋賀県の本社のある平和堂は事業の中心は関西を拠点に140店舗以上出店するスーパーの経営である。
反日デモから1年。
今 会社が力を入れているのは中国人の幹部候補を日本で育てることである。
研修に参加した中国人社員の3人は中国では中間管理職を務める20代~30代。
中国本社や百貨店に勤務し去年の反日デモも経験した。
会社では日中関係が冷え込む今こそ
日本を理解する中国人のリーダーが現地の社員をまとめ強い経営基盤をつくる必要があると考えている。
研修期間は半年間。
中国人社員に伝えたいのは日本の“おもてなし”の心である。
買い物客へのあいさつや商品がきれいに並ぶ棚。
さらに一つ一つ袋詰めされた野菜。
(中国人社員)
「日本の方がもっとお客さんの立場で考えて行動しています。
 おもてなしの心かな。」
日本流の商品の発注も学ぶ。
天気や気温から客押しを見越して商品の発注量を決める。
買い物客の目線に立ち必要なものを必要なだけ準備する。
これもおもてなしの精神である。
(中国人社員)
「すごいです。
 この機械は中国に持ち帰ります。」
日本のサービスや文化を時間をかけて学んでもらうことで
日中の相互理解が進むことも期待している。
(指導担当者)
「ずっと日本と中国は文化を行き来して中国から教えてもらったことたくさんある。
 そして日本のおもてなしは日本の方がサービスできているのであれば
 じゃあ今度はおもてなしを中国でやろう。」
(中国人社員)
「日本でおもてなしの心を勉強し学んだ社員として
 店で働く仲間たちにおもてなしを伝えていきたいと思う。」
(平和堂 夏原平和社長)
「日本というのを知ってもらって真髄のおもてなしを中国で実行できる。
 政治的にはいろいろな問題あるがやっぱり人対人というか
 民間対民間というのはせっかく隣国にあった長い歴史あるところだから
 日中友好しなきゃいけないということではなく
 自然に広がっていくことが一番良いと思う。」

おもてなしの心に活路を見出そうとする日本企業。
中国人社員と一体となった取り組みが続く。

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