明け方、トイレに起きた母が。頭が痛い、気持ち悪い、手足がしびれる、脳梗塞だ、くるりちゃん、病院へ連れて行ってーと。
救急車を呼んだ。落ち着いているつもりだったけれど、住所や部屋番号、母の年齢がとっさに出てこなかった。見えるところに書いて貼っておこう。
既往歴は、糖尿病と脳梗塞と、あとなんだっけ。お薬手帳はあるけれど、最近のが全然貼ってないじゃん!
こういうのっていきなりやってくるんだな。常にある程度の準備が必要だぁ。
あなたは誰ですか?どういうご関係?
長女です。今週たまたまこちらに寝泊まりしているだけで、詳細はわかりません…なんて情けない受け答え。親のこともろくに知らない。
救急車はもう向かっていますから、玄関のドアは開けておいてください。
待つ救急車はなかなか来ない。
3人の救急隊員がやってきた。脳梗塞だと言う割に、母はよどみなく話す。でも、今日が何日で何曜日かは答えられない。それは今に始まったことではなく。病院に行く日、詩吟の稽古に出かける日はわかっているけれど、それ以外は何日かとか何曜日かとかは関係ないようだ。
両手もまっすぐにあげられる、足もどうにかあがってる。これで脳梗塞なのかなぁ。
お母さんは救急隊員の人に、息子が入院しているから家の向かいにあるN病院に行きたいという。
N病院、大丈夫ですよ。2、3分でつきますから、頑張って。娘さん、お母さんの履き物持ってきてください。
長丁場になるんだろうかと心配になって今朝食べようと買ったまい泉のカツサンドと飲みかけのペットボトルの麦茶を鞄に突っ込んで出てきた。
救急車に乗るのは2回目。1回目は25の時。職場近くの聖路加病院を頼んだけれど断られ、門前仲町の病院に運ばれてしまったんだ。当時の職場は分室で明治時代の古い建物。都だか区から指定を受けて手を入れられないとか聞いたけれど、とにかくエレベータもなく、階段の傾斜も激しいのでストレッチャーではなくクマみたいな救急隊員のおじさんにおんぶされて、救急車に乗ったんだっけ。同僚で今も付き合いのあるK子ちゃんがついてきてくれた。
さてさて、お母さん。本人の見当では脳梗塞。でも、病院へ来て、看護師さんとスタスタ歩いてトイレに行っている。処置室にも歩いて行った。
…やっぱ、脳梗塞じゃないよなぁ…
CTの結果は、5年前の脳梗塞の跡はあるけれど、それ以外はきれいです。
しびれは糖尿病によるものでしょうとのこと。頭痛薬出しておきます。
今日はこのまま帰っていいですよ。
娘さんも会社に行って大丈夫。
わたしの足でこの救急病院から実家まで徒歩5分。母を連れて15分。
早朝散歩となった。
帰るなりお腹が空いたと、カツサンドをむしゃむしゃ。もっと食べたいというので、わたしの分を渡すと、ぺろり。
…わたしも楽しみにしてたんだけど…σ(^_^;)
まあ、まあ買えばいいや。
じゃあ、お母さん、わたし行ってくるよ。
この先どうなるのかなぁ。
わたしにも家がある。マイケルとミルキー、2人ともわたしがいなくても大丈夫。
でも、わたしも自分の家に帰りたい。
でも、今までみたいにお母さんを放っておけはしない。
でも、でも、でも、だ。困ったな。