可哀想なAくん

弟Ａくんの話。

「くるりちゃんに煽り運転された話したっけ？」

「誰が煽られたの？」

「オレ」

「聞いてなーい」

先日の現場からの帰り。Aくんの運転する車に、車間距離を開けずにびっちびちにくっついて来る車がいたそうだ。

鬱陶しかったので急ブレーキをかけてみたところ、その車はクラクションを鳴らしながらAくんを追い抜いて面前で急停車。

（急ブレーキなんてやめてー）

男がわーわー言いながら降りて向かってきたとか。

「えー？こわー、大丈夫だったの？」

「うん。何言ってるかわかんないからオレも降りて、なーにー？って聞いてやったんだよ」

「うんうん」

「そしたらさ、そいつ、この辺にタバコの自販機ありませんか？って聞いてきたんだよ」

「えっ？」

「だから、知るかよ、その辺のセブンで売ってんだろ、今オレの顔見て態度変えただろ、失礼だろ、って言ってやったの」

「Aくんが言ったの？」

「言った。そしたら、すんませんだって。」

30歳前後の男性だったそうだ。Aくんが無事でよかったし、笑い話だけど。その人、車から降りてきてどうしたかったんだろう？短気は損気よ。

Aくんは優しい良い子だ。が、見た目がイカツイ。

ちなみにマイケルは、わたしの弟だから話できるけど、じゃなかったら怖くて話せないという。なんて酷いことを言うんだ！

桜が咲いたと上ばかり気にしていたら、いつの間にかツツジが満開だ。春はどっと押し寄せてくる。

教授の両眼微笑を聞く

ラックからCDをゴソゴソと出した。テレビでは連日、「戦場のメリークリスマス」か「ライディーン」が流れているが、わたしは「両眼微笑」を聞きたい。

40年くらい前。もう高校に入っていたと思うけれど、毎週火曜日の夜は教授こと坂本龍一さんがDJをしていた「サウンドストリート」を聞いていた。

ある時イントロのテーマ曲を決める日があって「両眼微笑」と決まった。なんて、可愛いタイトルだと思った。

ユキヒロも死んじゃって、教授も死んじゃって、細野さんの気持ちを思うとどうにもこうにも。

昨日は昨日で気分を上げながら歩こうとipod（壊れないので未だこれ）を聞いたらいきなりこれが流れた。

tighten up（Japanese gentlemen, stand up please）

若かりし小林克也さんや伊武雅刀さんも参加している。ここのフレーズが好きだった。

Tighten up, Takahashi!

酒飲め, Sakamoto!

Hurry up with the bass, Papa-san!

なんかさー、なんかさー。とっても寂しい。

そういえば。その頃、ダイエーでバレンタインデー用のチョコレート売り場の天井に1メートル四方くらいの教授のパネルが下がってて。ダイエーの人に欲しいと行ったらイベントが終わったらくれると言われてもらって帰ったな。むき出しのまま、電車で運んだわ。

あのパネル、どうしたかな。好きだったな、教授。