先週の木曜日。仕事帰りにスポーツクラブへ寄り、ヘロヘロになって帰るとミルキーがわたしを待ち構えていた。
「お母さん、今日アパマンショップへ行ってきたよ」
「あ、そう」(行ったのかー)
「ここがいいと思うんだけど」
「うん、いいんじゃない?」(どこに行っちゃうんだろー)
「お父さんはちょっと高いって言ってたけど」
「うん、でも、いいんじゃない?」(値段よりどこ)
「お母さん、ちゃんと見てよう」
物件案内から素早く住所を確認したら。。。同じ町内だった(ε-(´∀`*)ホッ)我が家から直線距離で200メートル。離れみたいなものだ。お家賃の無駄遣いな気もするけれど、それでもこれはきっと必要なことなのだ。
ミルキーがアパマンショップに出した条件は築浅、駅チカ、オートロック、2階以上、お風呂・洗面所・トイレが独立、8万円以内。
その物件は、駅から徒歩4分の築浅物件。東向き3階建の3階。お風呂と洗面所、トイレは独立している。ロフト、ウォークする必要がないくらい小さそうなウォークインクローゼット付き7.1畳でお家賃は68,000円+共益費3,000円。
「いいの!?お父さんはお母さんがいいって言ったらいいって言ってた。今度の日曜日、お店に一緒に行ってくれる?」
「いいよ」
いいも悪いもない。わたしは出してやると決めたのだ。そして自立すると言いながら要所、要所で親を引っ張り出すのは一人っ子の習性なのか、ミルキーが甘ったれだからか。
「お母さん、寂しいでしょ、引っ越しの日泣くでしょ」
「ちょっと寂しいかなー」
「嘘だ、すごい寂しいでしょ」
(はい、お母さんはすごく寂しいです。。。)
◆◆◆◆◆◆◆◆
そうして、日曜日。駅前のアパマンショップへ。ミルキーはクリアファイルだけをむき出しで持っている。はんことか保険証とかお通帳とか要らないの?と聞くと、今日は申込みだから職場からの紹介状だけで他は要らないと言う。
ふーん。。。
でもって、その職場総務部発行の紹介状が手数料7万円割引というすごい威力を発揮。指定勤務先様なんだとか。まあ、地域の拠点病院。職員用の社員寮もあるけれど数が少ないので、不動産屋と提携して家なしっ子を(に)提供するんだろう。
今は連帯保証人はつけないんだそうだ。お母様の時代とは違います。。。時代は変わりますねえ。
なんとかクラブというのに加入しなくてはいけなくて、それが2年で16.000円。設備の不具合には24時間対応してるそうだ。近くに知り合いや身寄りのない子たちには安心だ。そして、アパマンショップ社員と同じ福利厚生が受けられるとか。ピザの宅配割引きとか、どこかの保養所が安く使えるとか。変わってる。
退去時のクリーニング代、前家賃、消火器費用諸々で次回内見後の契約時に23万円くらい払ってくださいだって。魔法の紙がなかったら30万円だったってことか。
担当者「では、こちらにご記入いただいている間にご本人様を確認できる資料をコピーさせてください・・・」
(ほら、やっぱり要るんだよ)
ミルキー「すみません、持ってきませんでした」
担当者「あ、じゃあお近くだから後で持ってきていただけますか?」
結局、甘々のお母様が席を立ち自宅へミルキーの保険証とパスポートを取りに帰った。花屋の前で信号待ちをしているときに、生後5ヶ月から預けた保育園へ送り迎えをしていた時のことを思い出した。最初はベビーカー、そのうち自転車の前に乗せ後ろに乗せ。朝はぶっ飛ばして自転車を漕いでいたけれど帰りはのんびり。いつもここで信号待ちをした。
「ほら、今日はお月さまがまんまるだ」
「お月さま、保育園からついてきてるよ、なんで?」
「ミルキーのことが大好きだからじゃない?お母さんもお父さんも、じいじもばあばもみんなミルキーのこと大好き」
「ミルキーもみんな好きー」
真っ昼間の交差点で泣きそうになった。
よそのお宅のミモザが咲き始めた。3月8日はミモザの日。