山海塾の照明を担当されていた山我さんのことをネットで検索しても、「卵熱」の初演で照明を担当していたとしか出てこない。
私がプロの照明家さんの現場を見たのは、山海塾の山我さんが初めてだったのと、その当時はやり始めていたエリヤスポットを多用する照明と全く反対のフラットな照明をうまく使う考え方が、自分のやり方に近くて印象的だった。
その後、小笠原さんや阿部さんの照明に触れることがあったが、やはり一番好きな照明だった気がする。
つい最近、自殺されたことを知った。何があったのかは知らないが、ご冥福をお祈りしたい。
作者の山本巧次さんは鉄道会社に勤務しているそうで、その関係もあってか鉄道にかかわる作品が多い。
この作品はその鉄道ものの第1作なのだが、やや力が入りすぎていて、展開がのろい気がする。
さらに、探偵役の草壁とワトソン役の小野寺の魅力があまり感じられない。
次作の「第102列車の謎」は出だしから謎っぽいので期待できるか?冒頭だけ読み始めたところだ。
内容についてはグーグルブックスから。
明治十二年晩夏。鉄道局技手見習の小野寺乙松は、局長・井上勝の命を受け、元八丁堀同心の草壁賢吾を訪れる。「京都‐大津間で鉄道を建設中だが、その逢坂山トンネルの工事現場で不審な事件が続発している。それを調査する探偵として雇いたい」という井上の依頼を伝え、面談の約束を取りつけるためだった。井上の熱意にほだされ、草壁は引き受けることに。逢坂山へ向かった小野寺たちだったが、現場に到着早々、仮開業間もない最寄り駅から京都に向かった乗客が、転落死を遂げたという報告を受ける。死者は工事関係者だった!現場では、鉄道工事関係者と、鉄道開発により失業した運送業者ら鉄道反対派との対立が深まるばかり。そんな中、更に事件が...。
元在大韓民国特命全権大使である武藤正敏が最初に出した著作だ。
2015年の著作なので、民主党政権が終わりを遂げたころに書かれたもので、今読むとかなり遠慮して書いているのかなと思わされる記述が多い。
この頃はまだ、韓国との融和が望めると思っていたのだろうが、その後の文政権の樹立で「こりゃあかん」と思ったのだろう。最近の論調とは異なっている。
ただ、伊新政権には若干の期待があるのだろうか。ダイヤモンドオンラインの「韓国ウォッチ」ではそうした論調に変化があるようだ。
こうして古い著作を読むと、当時の世相と今の世相を比較できて面白い。
科学分析ラボの宇田川がとうとう江戸へ登場という作品だ。
泥棒の設定に若干無理を感じるのと、かなり早く犯人が分かってしまうのが残念かもしれないが、犯行の描写や動機などはほかの作品よりも面白いかもしれない。
気楽に読めるという点では、同じ作者の鉄道ものよりはいい意味でよくかけていると思う。
このシリーズはお勧めだ。