名馬電機社長の事業報告という名の日記

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2014 Qatar Prix de l´Arc de Triomphe(凱旋門賞)

2014年10月04日 | 海外競馬
ロンシャン芝12f 日本時間2014年10月5日23:30発走予定


◆参考レース
2014 英国セントレジャー(G1) Kingston Hill
2014 ニエユ賞(G2) Ectot
2014 ヴェルメイユ賞(G1) Baltic Baroness
2014 フォワ賞(G2) Ruler Of The World
2014 バーデン大賞(G1) Ivanhowe
2014 ノネット賞(G2) Avenir Certain
2014 ヨークシャーオークス(G1) Tapestry
2014 キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1) Taghrooda
2014 サンクルー大賞(G1) Spiritjim(1位入線後に失格)
2013 凱旋門賞(G1) Treve
2013 愛国オークス(G1) Chicquita

◆出走馬紹介
1 (16) Avenir Certain(アヴニールセルタン) 牝3 C.Lemaire (仏)J.Rouget
昨年2歳時2戦2勝、今年に入ってからもフランス1000ギニー、仏オークスを含む4戦4勝。斤量面で恩恵のある3歳牝馬でもありもっと人気しても良さそうだが、それほど人気になっていないのはこれまで10.5fの仏オークスが経験した最長距離で血統的にも12fどんと来いという感じではないから。ただ昨年の仏ダービー馬Intelloも同じように距離不安を言われながら本番でもそこそこ走ったように、ある程度世代の中で実績残してきたフランスの3歳馬は怖いので要注意。

2 (6) Gold Ship(ゴールドシップ) 牡5 横山典弘 (日)須貝尚介
日本代表の1頭。今年は阪神大賞典快勝後、天皇賞春が7着。しかし宝塚記念では昨年に続いて圧勝し貫禄を見せつけた。前走札幌記念ハープスター2着からの参戦。これまでの大敗は東京、京都の時計の速い馬場でのもので比較的時計のかかる阪神や中山では安定して走れている。宝塚記念からコンビを組む横山典弘騎手との相性も良さそうで期待がかかる。天皇賞後のウィリアムズ騎手の「嫁を探していた」発言から「牝馬好き→両隣が牝馬は不安」という声をよく見るが牝馬が一頭もいなかった天皇賞で暴れて、隣に牝馬が入った宝塚記念できっちり勝ってるんだから両隣はむしろ好材料ではなかろうか。

3 (8) Treve(トレヴ) 牝4 T.Jarnet (仏)C.Head-Maarek
昨年の勝ち馬Treve。今季は昨年の凱旋門賞で実現しなかったFrankieとのコンビで始動。しかし初戦のガネー賞で2着、プリンス・オブ・ウェールズS3着とイマイチな結果に。前走ヴェルメイユ賞では調教師の強い意向によりFrankieを下ろしこれまで無敗のJarnet騎手とのコンビを復活させたものの4着敗退。今季勝ちきれていない原因は斤量や状態などさまざまな要因があるだろうが、昨年のパフォーマンスを発揮できるようなら当然怖い1頭。

4 (1) Flintshire(フリントシャー) 牡4 M.Guyon (仏)A.Fabre
昨年のパリ大賞典勝ち馬。今シーズン初戦はイギリスに遠征したコロネーションCで、ここは2着。サンクルー大賞が5位入線の4着繰り上がり。前走フォワ賞Ruler Of The World2着からの参戦。ただ昨年もニエユ賞4着、凱旋門賞8着とイマイチな結果だったので多くは望めないか。

5 (17) Dolniya(ドルニヤ) 牝3 C.Soumillon (仏)A.Royer-Dupre
デビューは今年4月と遅かったものの、デビュー戦2着とした後3連勝でG2まで制覇。前走ヴェルメイユ賞はスローペースの中後方からレースを進めTreveに一旦交わされたもののファイトバックして3着を確保。近2年オルフェーヴルの鞍上として日本陣営の力強いパートナーだったSoumillon騎手が今年は日本の悲願に立ちはだかる存在となるのだろうか。ちなみに母DaltamaはDaylamiの妹という血統。

6 (2) Ruler Of The World(ルーラーオブザワールド) 牡4 F.Dettori (愛)A.O'Brien
昨年の英国ダービー馬。秋はニエユ賞2着から凱旋門賞が7着、チャンピオンSが3着とイマイチだった。今年に入りAl Shaqab Racingが権利の半分を購入してドバイWCに参戦するも13着と大敗。その後休養に入り前走フォワ賞が久々の出走、Treveを降ろされたFrankieが鞍上を勤め、逃げ馬がいない中積極的にハナを切る競馬で後続を完封しダービー以来の勝利となった。

7 (3) Al Kazeem(アルカジーム) 牡6 J.Doyle (英)R.Charlton
昨年前半欧州10f戦線を席巻し最後は凱旋門賞で12fに挑戦し6着になった後に引退種牡馬入りを果たした。しかし繁殖能力に問題があり現役復帰。久々のリステッドを4着した後G3勝ち。ただ前走アイリッシュチャンピオンSが5着と一線級相手だと不安が残る結果。

8 (20) Tapestry(タペストリー) 牝3 R.Moore (愛)A.O'Brien
2歳時3戦2勝、今年に入って初戦の英国1000ギニーが17着、コロネーションS6着と惨敗。ただその後出走した初めての12fアイリッシュオークスでは2着に好走。さらに驚かされたのが次走ヨークシャーオークスで、同世代の無敗の女王Taghroodaを差しきってG1初勝利。前走は再びマイルのメイトロンSを使い9着。当初凱旋門賞には登録がなかったものの直前になって12万ユーロの追加登録料を払って出走、さらに鞍上にはヨークシャーオークスで騎乗したMoore騎手を配し非常に不気味な存在。

9 (13) Prince Gibraltar(プランスジブラルタル) 牡3 J.Eyquem (仏)J.Rouget
昨年2歳時はクリテリウム・ド・サンクルーでG1制覇。今季初戦グレフュール賞は勝ったものの仏ダービー、パリ大賞典とG1を3着2着、前走ギョーム・ドルナノ賞G2の3着からの参戦となる。怖いフランスの3歳馬だが3歳になってからは同世代内でイマイチで強調材料に欠ける感。

10 (11) Ectot(エクト)  牡3 G.Benoist (仏)E.Lellouche
2歳時5戦4勝、今季初戦フォンテーヌブロー賞も勝った後休養。Al Shaqab Racingが購入しニエユ賞に出走、これまで8fまでしか経験がなく、レースも後方をかかりながら追走することとなったが直線に入ると一気に先頭に立ち最後は2着馬に差を詰められるも凌ぎ切って6連勝達成。父Hurricane Run、母父Linamixという血統からむしろ12fの方が向きそうに感じられニエユ賞でラスト詰め寄られたのは休み明け初距離が原因でひと叩き&距離経験を積んだ今回はさらにいい競馬が出来るのではないだろうか。Benoist騎手がAvenir Certainと二択でこちらを選んだというのもこの馬を推す材料。勝てばMontjeu、Hurricane Runに続く父子三代凱旋門賞制覇となる。

11 (12) Montviron(モンヴィロン)  牡3 C.Stefan (仏)E.Lellouche
実績的には1勝しただけの格下馬でEctot陣営が用意したラビットと思われる。なので本来ならこの馬がハナを切る展開になるだろうが能力的にハナを切れるかどうか。

12 (19) Harp Star(ハープスター) 牝3 川田将雅 (日)松田博資
今年の桜花賞勝ち馬。オークスではわずかにヌーヴォレコルトに及ばず2着となったが秋になってヌーヴォレコルトがしっかりとローズSを強い勝ち方をしておりオークスの負けはこの馬の評価を下げるものではない。そしてこの馬自身前走札幌記念で初めての古馬男馬相手の競馬となったが早めに動く競馬(といっても小回りの札幌競馬場だけにトップスピードで走った距離はこれまで、そして今回必要とされるくらいの距離だろうが)でゴールドシップ以下を完封する強い競馬。しかも状態が万全ではなかったというから恐れ入りました、というもの。斤量面の利を活かして父の果たせなかった勝利を果たす可能性は十分にある。

13 (5) Spiritjim(スピリットジム) 牡4 S.Pasquier (仏)P.Bary
3歳時は目立った活躍のなかった馬だが4歳になった今年、初戦のリステッドを勝つとG3,G2と3連勝。迎えたG1のサンクルー大賞では逃げこみを図るFrankel弟Noble Missionの脚が上がったところを頭差差しきって1位入線。一度は優勝となったが秋になってこの時の検査で禁止薬物の陽性反応が出たことがわかり優勝は取消となった。サンクルー大賞以来となった前走フォワ賞はRuler Of The Worldの3着だった。

14 (7) Just A Way(ジャスタウェイ) 牡5 福永祐一 (日)須貝尚介
重賞であと一歩の勝ち切れないキャラが定着していた同馬だが昨年の秋の天皇賞でハイペースを一気に差しきり初のG1を制覇すると別馬になったかのような変身を遂げ、今年初戦の中山記念を圧勝後ドバイに遠征。ドバイデューティーフリーでは、現在までレーティングトップを守り続けている今シーズン世界最高レートを獲得する圧勝劇。帰国後安田記念でも極悪馬場で苦しい展開の中ハナ差グランプリボスをしのいで天皇賞から続く連勝を4に伸ばした。問題は距離で12fは3歳時にダービーを走って11着という成績があるのみ。母父Wild Againというのは若干不安があるものの父ハーツクライであれば本格化した今こなせない距離ではなかろう。若干外目の枠になりすぎた気はするが日本馬の他の2頭がすこし後ろから競馬をするだけに「日本馬のどれかが勝つ」ことを目指す場合この馬には少しでも前目での競馬を試みてほしいというのが個人的な希望である。

15 (18) Taghrooda(タグルーダ) 牝3 P.Hanagan (英)J.Gosden
2歳時1戦1勝、3歳になった今年初戦を勝ち2戦2勝のキャリアで臨んだ英国オークスを3・3/4馬身差の快勝。さらに馬主の使い分け的な意味合いもあったが当初予定していたアイリッシュオークスをやめて古馬、男馬相手のキングジョージへの出走を選択。そして斤量差があったとはいえTelescope以下を退け3馬身差の快勝で4連勝を達成。この世代が初年度となる父Sea The Stars、デビュー当初はいまいちであったが3歳になってから急激に強くなる産駒が多く見られその代表格がこの馬であった。ただ前走ヨークシャーオークスでは伏兵のTapestryに半馬身先着を許して初の黒星を喫した。ただその敗戦も「無敗」という要らぬプレッシャーとの戦いから開放されたと考えれば今回に向けて悪くないものであったとも言えそう。

16 (10) Siljan's Saga(シルジャンズサガ) 牝4 P.Boudot (仏)J.Gauvin
フランスの4歳牝馬で今年に入ってコリーダ賞で重賞初制覇した後サンクルー大賞が3位入線2着繰り上がり。ただ前走ヴェルメイユ賞が7着と完敗でここに入ると実力実績共に格下の感は否めない。ちなみに父SagamixはPeslierの凱旋門賞3年連続制覇の最後の年に騎乗していた馬でありこの馬が勝てば父娘凱旋門賞制覇となる。

17 (15) Free Port Lux(フリーポートラックス) 牡3 M.Barzalona (仏)F.Head
フランスの3歳牡馬で今年すでに7戦を消化している。仏ダービー14着、パリ大賞典4着とG1では結果が出ていないがギョーム・ドルナノ賞2着、プリンスドランジュ賞1着とG2,G3では安定した結果を残している。実績的に見て格下であるが、ここ2走好走している際のコンビであり大舞台での一発があるBarzalona騎手とのコンビというのは不気味。

18 (9) Chicquita(チキータ) 牝4 J.O'Brien (愛)A.O'Brien
昨年のアイリッシュオークスを外によれながら勝った後休養に入り、その間にCoolmoreが権利を購入。今季初戦ブランドフォードSは1年以上の休養明けとなったがなんとか2着で格好はつけた。昨年仏オークスではTreveの2着に敗れているがアイリッシュオークスを勝った12fの舞台でその時の借りを返せるのか注目。

19 (4) Ivanhowe(アイヴァンホウ) 牡4 W.Buick (独)J.Carvalho
ドイツからの遠征馬。G2勝ちの実績はあったもののG1勝ちはなく前走バーデン大賞も3歳ドイツダービー馬Sea The Moonの影に隠れる存在であったが、レースではいつもどおり早めに先頭に立ったSea The Moonが最後の直線で埒を頼りに走ろうと外埒に寄って行く所をSea The Moonと埒の間に一瞬早く入り込み突き抜けて、見る者をあっと言わせる初G1制覇。今回はBuickとのコンビでレースに臨む。

20 (14) Kingston Hill(キングストンヒル) 牡3 A.Atzeni (英)R.Varian
今年の英愛3歳牡馬クラシック路線はKingman、Australiaを中心に廻っており、主役といえる立場ではなかった同馬だが英国ダービーでAustraliaの2着に入った後、古馬相手のエクリプスS4着を挟んで前走英国セントレジャーを馬場の大外を回りながら差しきって、2歳時のレーシングポストトロフィー以来の勝利&G1制覇。



凱旋門賞と一口に言ってもその年によって海外馬のレベルも違うし、毎年毎年レースとしてのレベルが一定であるはずもなく、またどんなに実力のある馬が揃っていても状態が伴っていないかもしれないし、そこまで目立った実績がない馬も何かがフィットして急に激走することだってある。
さらに同じことは日本の馬にも言えるわけで、どんなに詳細に分析を行っても事前に正確な結果を導き出すことなどできない。ただ現時点で「日本馬が勝つかどうか」という観点で話をする場合、過去の挑戦よりもチャンスが大きいといえる点がひとつある。それは日本馬が3頭出走することだ。様々な路線の一線級が集まり初顔合わせも多い中で正確な実力比較は難しいが、単純に数が多いということはそれだけ勝つ確率は高くなる。思えばドバイWCを勝った時も日本馬3頭出しだった。
そろそろ凱旋門賞シンドローム卒業して日本競馬が新たな世界地図を描く作業に入れることを願いつつ見守りたい。
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