いよいよ競馬の祭典・日本ダービーである。
今年のダービー出走馬を見て感じるのは
意外と早い段階で隊列が決まりそうだという点。
メンバー中にどうしても逃げたいと言う馬はおらず
アドマイヤメインがスピードに任せて早めに先頭に立てば
折り合いに苦労しそうな馬もさほど見当たらず
その後の隊列は比較的すんなりと決まりそうである。
そうなってくると先週の若干内有利の馬場状態を考えて
好位より前で競馬する馬も例年の外差しダービーに比べれば
好走する確率も高くなるのではないか。
また週末は雨予報なので、「道悪になったらどうか」という観点も
多少取り入れて全頭チェック。
印は ◎:軸 ○:連ヒモ △:3連ヒモ ×:消し
※印4頭から1頭が抽選で出走。
アドマイヤムーン(△)
弥生賞勝ち→皐月負け→ダービー巻き返し
はダービーで来る馬の一つのパターンではある。
しかしアドマイヤムーンの場合、どうしても父エンドスウィープと言う点から
距離の不安を抱いてしまう。確かに皐月賞で外外を回らされたが
距離が延びる今回、その決め脚がさらに活かせるかと言う点に疑問がある。
またこの馬の重賞での好走は全てスローのレースでのもの。
ハイペースにはならないだろうがミドルのよどみない流れが予想される今回
持久戦に向くタイプと思わないので連候補までは推しにくい。
アドマイヤメイン(△)
ヴィクトリアマイル、オークスと2週連続G1で逃げであわやのシーンを演出し
京王杯は逃げ切っている。いまや「逃げのヨシトミ?」と化した大先生が
またも逃げ馬でダービーに。
この3連勝は全て強い内容だったし消す自信はないが
母父ヘクターがG1での底力比べになったときにマイナスに出ないか
近2走はともにトライアルで権利取りを目指した他馬が
無理に捕まえに来なかったが、今回はみな勝ちに来るため
ここ2走のような楽な展開にはならないと予測される
と言う2点から中心候補からは外す。
アペリティフ(×)
なんだかんだでアドマイヤメインに2度逃げ切られ、トーホウアランもさせなかったここ3走を見ても、ゴールした時少なくともこの2頭は前にいるだろうし
他にも数頭前にいると見て、消し。
ヴィクトリーラン(×)
プリンシパルS勝ちも、レース自体が低レベルだったためここでは厳しい。
現に弥生賞、毎日杯は勝負になっておらず、ここで来るだけのレベルにはない。
エイシンテンリュー (×)
綺麗なテレコ馬で今回は×。過去5戦中3戦で出遅れ。
そんな馬に鞍上マーシーとなれば今回もスタートからリズムに乗れないと見た。
※エムエスワールド (×)
特に見るべき実績もなく力不足だし、距離も向かない。
サクラメガワンダー(△)
イマイチこの馬を掴みきれていない、と言うのがホンネ。
確かに強いんだろうが、自分で動いていく馬でないし
競馬が下手というか不器用なイメージのせいか、あまり強いと思った事がない。
ただ今回はロベルトの叩き3走目で、ガラリ一変があってもおかしくない。弥生賞以外は全て上がり1位を記録しており
鞍上の騎乗がうまくマッチすれば皐月以上の結果は十分ありうる。
ジャリスコライト(○)
いちょうSのイメージと兄がアグネスデジタルという字面から
どうしてもマイラーのイメージを持ってしまいがちである。
しかしよくよく考えてみれば母父チーフズクラウンはダンジグの系統の中では
距離に融通が利くほうだし、現に英国ダービー馬エルハーブ、BCターフ勝ち馬チーフベアハートと
クラシックディスタンスのチャンピオンを輩出。
そして父も2000-2400でG1を6勝したファンタスティックライトなのだから
むしろダービーへの距離延長はプラスにならないか。
だいたいクラフティプロスペクター産駒のアグネスデジタルに
天秋や香港Cを勝たせてしまうお母さんである。
ファンタスティックライトに父が変わってマイラーと言うことは無いだろう。
確かに戦ってきた相手が大したことないという理由であまり高い評価をしてこなかったが
それは実際の実力以上に世間的な人気が高かったことも要因であり
今回はマイラー説などもあわせて世間的評価が実力より低くなりそうなので
馬券的妙味を考えても浮上してくる1頭であろう。
皐月賞をダービーのプレップレースに使いここが2走目というのも買い材料だし
2-4年前のダービーでそれぞれ2回ずつ2着のノリ様、藤沢コンビで今回最も2着に近い存在か。
スーパーホーネット(×)
ベストは千四からマイルでここは距離が長い。
伸び盛りの若手・川田が将来に向けてダービーを経験させておく、という点が
今回この馬がダービーに出走する最大の意義か。
トップオブツヨシ(×)
ヴィクトリーラン同様前走は相手に恵まれてのもの。
そこですら勝てなかったのだから今回はノーチャンスと見る。
メイショウサムソン、フサイチジャンク、アドマイヤメイン、マイネルアラバンサ
といった面々と対戦していずれにも先着できていないのだからいきなりここで逆転はつらいだろう。
ドリームパスポート(○)
常々「ダービーはこの馬で」といってきたのは
先週のシークレットコードと
同様の理由があるのも一つだが
中距離以上で常に安定して走れていてかつ決め脚は世代トップクラスのものがある。
さらに母父トニービンと言うところを見れば中山から東京に変わるのはプラス。
確かに一瞬しかいい脚が使えない印象はあるが、ある程度好位につけて
その一瞬の使いどころを間違わなければ十分チャンスは出てくるはずである。
父フジキセキだが母系はスタミナよりで距離延長自体は気にならない。
トーホウアラン(○)
それまでG1未勝利のベテラン騎手が乗って皐月賞を押し切った人気薄サニーブライアンがダービーを勝った時に
2着だったのが京都4歳特別(現京都新聞杯)を勝って
ダービー出走を決めた鞍上藤田のシルクジャスティスだった。
なにか今年の状況に符合する点が多いのではなかろうか?
もともと東京京都と言った広いコース向きで
2走前の中山での大敗はノーカウントでノープロブレム。
確かに勝ったのはいずれも楽な相手、楽な展開の時ばかりだし
先週ニシノフジムスメの見解で述べたようにG1でワナを量産する藤田-藤原ラインで
ケチをつける点は多々あるが比較的立ち回りが上手な点と
最初に述べたような奇妙な符号から。
※ナイアガラ(×)
前走がなければダービー3着のアタラクシアっぽかったのだが。
まあいろんな所でPOG指名馬であるが、本格化は(本格化があるとしたら)秋以降
というような晩成血統なのでここは複勝100円をメモリアルで(間違って3着にでも来たら換金するが)。
※パッシングマーク(×)
戦ってきた馬のレベルや出走してきたレースに、前走の印象から
全く買える要素が浮かび上がってこない。
父エルコンドルパサーは良いとしても母父がデインヒル、母母父がフォーティナイナーと
距離延びていい血統とも思えない。
フサイチジャンク(△)
おそらく1.2番人気になるであろうフサイチジャンク。
いろいろな所で「距離が延びるダービーが良い」
と皐月賞前から目にしたが、果たしてそうか?
兄タイガーカフェが走であったように
二千がベストの中距離タイプと言う気がしてならないのは私だけか。
確かに二千しか走ったことがないのだから2400の今回、距離が持つかどうかは
やってみないとわからないのだが過去10年のダービーで
母父ミスプロ系で連対したのはダービー前に青葉賞で2400をきっちりと勝ちきった
ゼンノロブロイのみで通算(0.1.2.9)である。
フサイチリシャール(△)
本当なら消してもいい馬だろう。
父クロフネもダービーでは負けたし、母フサイチエアデールも連対は2200までで勝ちは2000までだった。
また前走のマイルカップもこれまでより楽な相手だったにもかかわらず良い所なく6着。
ただ前走はかなり通ったコースの差があったことも事実。
また今回鞍上が替わるという、新しい面が引き出される可能性を持つファクターがある。
距離不安は大きいが実力を過小評価された実力馬、実績馬はG1で混戦になるほど怖いものである。
マイネルアラバンサ(×)
アドマイヤメインに2戦連続で逃げ切りを許しており、権利取りと言う
使命があったものの距離が延びた前走で毎日杯以上に差をつけられた点はマイナス点。
昨年2着馬と同じ騎手、同じ調教師で穴人気しそうだが基本能力と完成度の差は上位馬とそこそこあると見る。
マルカシェンク(△)
母父ザフォニックと言う点、2歳時にかなりの完成度があった点を見て
この馬が早熟であるという点はおそらく間違いないところであろう。
私は2歳時に一番強かったのはこの馬だと思っていたので
後は他馬の伸びしろがどれだけ2歳時の差を縮めているかである。
前走を見る限り、その差はかなり縮まったと見ているし、馬によっては
逆転している馬もいるだろう。
成長度合いからいってG1ラストチャンスはこのダービーであろうが
スローで流れが向かなかったことを考慮しても前走が情けない負け方だった。
フサイチジャンクの所でも書いたが母父ミスプロ系のダービーでの相性の悪さ
からも連までは厳しいと見る。
メイショウサムソン(◎)
正直に言うと皐月賞ほどの自信はない。
血統的、レース振り、特性、弱点のどの点から見ても
この馬にとって3冠中最も力が発揮できるのが皐月賞だということは
皐月賞前の見解で散々述べた。
裏を返せばダービー、菊花賞は皐月賞に比べると信頼度は低くなるということである。
コースが広く直線で横に広がる傾向のあるダービーではこの馬の最大の長所
勝負根性が発揮できない(他馬と併せられない)状況が起こる確率が増すし
長い直線で決め脚勝負になったとき、切れ負けする危険性もある。
ただしこれまでのレースで見せている安定感、
左回りで2度レコードレースを連対しているスピードへの対応力、
使いつつ力をつけてきているタフさ、
スプリング→皐月連勝した馬は過去ダービーで多くの優勝馬を出している
雨が降っても問題ない血統と脚質、
先行できる馬に有利になりそうな展開
といった買える材料も多く、何よりも石橋さんがダービージョッキーになる
最大のチャンスなのである。
私が応援しないでどうするのだ。
※ヤマタケゴールデン(×)
オークスを勝ったカワカミプリンセスと同じキングへイロー産駒だが
こちらはカワカミプリンセスが持っていた
「スイートピーS勝ちだけど買いたくなる」ような魅力を
持っていないというのがホンネ。さらにこれも母父ミスプロ系。
ロジック(△)
多分人気にはならないだろう。確かに実績を見るとマイラーである。
しかしアグネスタキオン×サクラユタカオーなら少なくとも中距離まではこなせるはず。
それに母母父はシンザンで先週3着に粘ったアサヒライジング(母父父シンザン)に通じるところもある。
距離に不安があるからこそ、最後の直線だけに掛け
結果として人気を背負っている分早目の仕掛けとなるであろう
他の有力差し馬よりワンテンポ遅らして仕掛けることになり
それによって3着に突っ込んでくる可能性はない事もないのでは、と思う。
結論
◎メイショウサムソン
○ドリームパスポート
▲トーホウアラン
△ジャリスコライト
×サクラメガワンダー
注アドマイヤメイン