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ロンドンから徒然に

ヴィクトリア&アルバート美術館の中庭で

2008-09-28 | アート


 週末にアールズ・コートからピカデリー・ラインに乗ると、混んでいた電車もサウス・ケンジントンで子供連れの家族がまとめて降りて一気に空くことがあります。ここには博物館が3館あるのですが、おそらく子供たちのお目当ては、恐竜の実物大の模型が展示されている自然史博物館Natural History Museumか、科学技術の進歩を体験できる科学産業博物館National Museum of Science and Industryだと思われます。

 で、残りのひとつというのがヴィクトリア&アルバート博物館Victoria & Albert Museumです。実はこちらはなかなか定義が難しくて困ります。“美術館”と書かれている日本語のガイドブックもあるくらいですが、かといって絵画と彫刻がメインなわけでもなく、その他にも陶磁器、貴金属、家具、衣装、おもちゃ、ぬいぐるみ、武器、電化製品などありとあらゆるものが、なんと数百万点にも及び、全て見て回るとすると10km以上歩かなければならない計算になるそうです。
 もともとはロンドン万博の後に工業やデザインの振興を図る目的もあって創設されたので、その意味でも色んな商業プロダクツも展示されているわけです。僕は確かここでビートルズのLPジャケットも見た覚えがあります。



 そんな贅沢な博物館も、他の公的施設と同じく無料です。それで時々ここの中庭のカフェを利用させてもらっています。今日も近辺のショップをリサーチする途中で立ち寄りました。
 今日は久々に暖かくて良い天気で、ジャケットが要らないくらいでした。中庭の池の噴水も稼働して、子供たちは池の中に裸足で入って、夏の名残を楽しんでいました。



 こんなたくさんの所蔵品のある博物館に第二次世界大戦時に爆弾が落ちたことがあります。幸い建物の外壁の一部に傷を受けた程度で済みましたが、これが命中していたらと思うとゾッとします。
 思いなおしてみると、今も戦火の最中にあるイラクやアフガニスタンで失われた美術品の数はどのくらいに上るのでしょう。もちろんそんなことより失われた人の命の方がもっと大きいのですが。
 子供たちの笑い声を聞ける平和な昼下がりに、そんなことを思いながらお茶を飲みました。

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