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ロンドンから徒然に

エレベーターのない駅

2009-03-09 | 日常
 旅には色んなアクシデントが付きものです。実は先月NYに行った際、スーツケースを転がしている道に穴が空いていたのに気づかずに、そこに車輪を落とし込み、手首をひどく捻ってしまいました。

 二三日しても痛みは治らずひどくなるばかりです。応急措置として薬局から買ってきた痛み止め入りの湿布を貼ってごまかしていました。その後ロンドンに戻る日のフライト前に訪ねた某レコード会社で、打合せの相手の手首の包帯の白さがやけに目立ちます。訊いてみたら1週間痛みが退かずに、病院に行ってみたら実は骨折だったというではありませんか。
 それを聞いたらますます痛みがひどくなったような気がして焦りました。

 早速ロンドンに戻って病院で検査したら、幸い骨には異常がなかったのですが、ひどい捻挫なので、痛みがなくなるまで1ヶ月近くかかるだろうとの診断でした。確かにそれからずっと痛みは続き、今でもこうしてキーボードを叩きながら違和感を感じてしまいます。
 その間にも出張は続いたもので、困ったのがスーツケースの持ち運びです。簡易型のギブスで固定したので、極端な痛みがあるほどの手首の曲げ方はそもそもできなかったのですが、階段の上り下りが非常に苦労しました。

 それでもまだ助かったのはEarl’s Courtの駅にはエレベーター(英国式に言えばリフト)が付いていて、遠回りさえすればこれが利用できるということです。



 と書くと、不思議に思うかもしれませんが、日本と違ってこの街では必ずしもこういった公共の設備にエレベーターが付いていません。
 写真はロンドンのセントラルの地下鉄の路線ですが、青地に白抜きの車椅子マークの付いているのが、こうした施設がある駅です。いわゆるZone1と呼ばれる中心部の駅が、いかに設備が遅れているか分かると思います。
 何しろ地下鉄の創業が1863(日本はまだ江戸時代です)と古く、根本的に直すには大変だったんだと思います。



 現在線路の再敷設を含めた改善の為の工事が進められていて、毎週末になるとあちこちの路線がストップしてしまいます。今日もサークル・ラインの全部とディストリクト・ラインの一部が動いていません。(ちょっと違いますが、路線の形も似ていることから)東京で言うなら、山手線全部と京浜東北線の一部が終日動かないみたいなもので、ちょっと考えられないでしょ?
 まぁ、利用しやすくなるならいいことなのでしょうが、全ての駅がみな似た感じになってしまって、昔のような個性がなくなるのも、本当言うとちょっと寂しいんですけどね。(ノッティング・ヒルの木製のエスカレーターなんて大好きでした)