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国際結婚はたいへんだった(第2章)

ボリビア人女性との国際結婚に至るまでの道のりを記録するために立ち上げたブログです。最近は妻との日常生活を綴っています。

いきさつ6(最初の会話)

2015-10-30 | 結婚@NYまで
メールのやり取りを始めて1ヶ月ほど経ったある日、夕食後に電話がかかってきました。(私は忘れてしまいましたがLindaは憶えていました。5月2日だそうです。)受話器を取った父は「お前や」と言って私に手渡しました。相手が外国語を話していたからです。

実は以前にも何度かそういうことがありました。日本語教室の生徒さんのうちの一人(ペルー人)が当日の直前になって休むことを伝える場合にはメールでなく電話を使われていたので、それだと思ったようです。だとしても何でこんな日のこんな時間帯に?(連休中で教室はありませんからね。)

(以下笑い話:後に私がLindaとスカイプで話しているところやプレゼント用の装飾品を買っているところを父は目撃していたので、私に誰かいそうだとは思っていたようですが、その相手を件の生徒さんだと思い込んでいたらしいです。弟からそれを聞いて大笑いしました。いくら何でもそれはあり得ないでしょう。だって二児のお母さんですから。)

で、電話に出た私は聞き覚えのない声を耳にしてLindaと直感しました。案の定でした。しばらく挨拶を交わしてから気になったことを言いました。「国際電話なんかかけて大丈夫?」(いくら安くなったといえ長電話だと通話料もバカになりませんから。)それに対して「プリペイドだから平気」という返事でしたが(よくは解りませんでしたが)、「どうせなら無料で話せるスカイプにしよう」と提案しました。時間を気にしなくても済みますからね。ノートパソコンのある2階の自室へ行ってこちらから呼び出しました。思うにスカイプを実際に使ったのはこの時が初めてでした。

(以下余談:メールのやり取りを続ける内に「どんな人だろう」と興味が湧いてきたので、"Linda Velasques" あるいは本名の "Urbelinda Velasquez" をキーワードにGoogleやFacebookで調べてみたところ、米国在住の女性が数件ヒットしたため特定できず。結構年配の女性もいて「この人だったらちょっと・・・・」と思ったことをここに告白しますが、後で判ったことにはそれら検索結果の中に該当者はいませんでした。そしてようやく、スカイプの「連絡先の追加」メニューでメールアドレスによって検索し、それと思しき連絡先にたどり着きました。手紙に書かれていた住所と一致していましたし、言語もスペイン語となっていましたから。ちなみに向こうも数ある同姓同名者の中から同様の方法で私を見つけていたようです。つまりスカイプで話す下地は既にできあがっていたのでした。)

どちらもリクエストや承認はしていなかったのですが、私が呼び出したらLindaはすぐ出ました。ただし、その日は私の使っている回線が最悪。(月500円定額と格安なので元から遅いのですが、データ通信が一定量を超えるとさらに厳しい速度制限がかけられてしまい、メールの送受信以外ほとんど使い物にならなくなります。あいにく前日は使いすぎでした。)そのため私からのビデオ送信は不可能。向こうからの映像もモザイクがかかったような粗さで何が何だか。結局早めに会話を切り上げ、土曜の朝に改めて話すことになりました。

それ以後は毎週土曜の午前8時から2時間ほど話すのが週課となりました。容量に関係なく高速の職場LANでの通話(注)は快適そのものでしたが、最初の頃はなぜか頻繁に接続が切れました。どうやら向こうの不安定なネット環境が原因だったようです。(注:いくら休日とはいえ私的利用と言われたら返す言葉はありません。でもやめません。)

それはともかく、Lindaとの会話ではあらゆることが話題に上り、決して飽きることがありませんでした。(言葉の数では7:3ぐらいだと思いますが・・・・もちろん7は母語話者の方です。)前にも触れたように何ヶ月も「フレンズ」をスペイン語で毎日視聴していた効果は絶大で、聴き取りにもあまり苦労せずに済みました。もちろんLindaが普段よりゆっくり目に話してくれたということもあります。なお当時も今もそうですが、よく理解できない場合は「もう一度」(Otra vez, por favor.)とお願いすると、彼女はスピードを落とすだけでなく分かりやすい単語・表現で言い換えてくれます。よくよく気配りのできる人だと感心させられます。
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2 Comments

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あり得る (Yasuhiro)
2015-10-31 06:02:22
LindaとSkypeで話すようになってから「あなたの書くスペイン語は私の周りにいるラティーノ達よりも上手だ」と何度か言われたことがありますが、とくに意外とは感じませんでした。もちろん会話能力は全然劣るでしょうが、もしかすると書くことに限ってはそうなのかな、と。

私にとって英語の読み書きは仕事上必須ですが、大学院の頃から必要に迫られて(でなきゃ誰がわざわざ)トレーニングを積んできたお陰で自分の専門分野の論文ならば読むのはさほど苦になりません。使われる単語や言い回しは限られているからです。また学術論文というのは一種の「定型文」なので、一度書き方を覚えてしまえばあとは量産できます。(ただし分野が異なれば話は全く違ってきます。まして文学作品、とくに韻文にはまるで歯が立ちません。)

そういう事情のため私はきっちりした文章を書くのに慣れており、その作業をスペイン語でもやっているというだけのことです。(今でこそ自動でチェックをかけてくれますが、)スペルミスを見逃すのは悔しいし、動詞の後に目的語が(現在分詞なら一つ、原型なら二つ)付いた場合に必要となるアクセント記号も確認してから打ちます。もっとも自分が使えるのは直接的な表現に限られるので、きっとスペルも文法も間違っていないというだけで面白味のない文章なのでしょうね。

余談ながらパラグアイの先住民に住んでいた頃、村人に混じって聖書の勉強会に出たことがありましたが、そこでグアラニ語の福音書をつっかえずに読むことができたのは私だけでした。(次の日曜のミサで一節朗読してくれないか、と頼まれましたが、クリスチャンではないため辞退しました。)もともと同言語はケチュアやアイマラなど他の南米系の言語と同じく文字を持っていませんが(学校で教えるようになってからアルファベットを採用)、私はそれを西語の解説書で勉強し、時には音読もしていたからです。同じ理由で現地の子供はしっかり読めていました。

既に別ブログにも書いているはずですが、外国語はまず入門書で基礎をしっかり学ぶべき(会話はその次)というのが持論です。覚えるのは早くとも文法無視のブロークンな表現しかできないようだと、ある程度より先のレベルへ進むのは無理と考えているからです。(私には経験がないためよくはわかりませんが、ゴルフも自己流ではいくら練習を重ねてもシングルプレーヤーになるのは覚束ないという話です。)なので会話偏重(文法と読み書き軽視)の英語教育への移行には断固反対の立場をとります。
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そういえば (Yasuhiro)
2015-11-01 13:20:11
いくら英語を流暢に話していても語尾にやたらと "You know?" を付けていると「あいつホントはバカじゃねーの」と思われてしまうそうです。それは「・・・・でしょ?」「・・・・でしょ?」と繰り返す人間が周囲にどのように映るかを考えてみれば明らかでしょう。(ちなみに米国のある州の知事さんがそうで、ブレインから指摘されて慌てて直したという話を聞いたことがあります。)

あと外国語であっても話す中身が大事というのは一緒です。教養のない人間が下手に会話だけできるとバカであると見破られるのも早い。これはある同業者(文系)の本で読みました。

以下は別ブログに書いたかもしれませんが、近日中に述べることになるミシガンでの夏季研修の第1回の引率教員を引き受けた時の話です。


参加学生と一緒にTOEFLの模擬試験(過去問)を受けることになりました(義務ではなく興味本位で)。以前から学生を指導されていた英語の先生によると、TOEICや英検とは性格が少し異なり、留学のための学力試験なので教養もしっかり見るという説明でした。

この手のテストをそれまで一度も受けたことがない私は、最初のヒアリングの要領を全く知らなかったため、「あれっ、繰り返してくれないの?」などと戸惑っている内に最初の数問が過ぎてしまい、結局正答率は7割ほど。次の文法問題はジックリ考えるというより語呂が悪いと感じる選択肢をはじいていったら9割近くできました。そして最後の長文読解ですが、その日の出題は酵素についての文章からで、専門分野ズバリではないものの基礎知識があったお陰で驚くほど簡単でした。(たとえば「酵素とはどういうものか?」という問いなどは本文を読まなくても正しい選択肢がすぐ見つかりました。)ケアレスミスで1問か2問が誤答だったと記憶していますが、全問正解して然るべきでした。

ということでスコアは568点。(その後TOEFLはシステムが全く変わってしまったようですが、現行方式だと何点ぐらいに相当するのでしょうかね?)大学院入学可能レベル(580点)には届きませんでしたが学部入学の目安(550点)はクリア。スコアの書かれた紙を手渡した英語の先生から「やるねえ」と言われましたが、過大評価であることは自覚しています。たまたま得意な分野が出ただけですからね。
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