再発見
2021-09-02 | 日記
先月末に上のCD2枚を購入。中古がそれぞれヤフオクと楽天で送料込350円ほどでした。ちなみに、これらを初めて聴いたのは南米から戻って間もなくの頃(1992年)です。渡航前はブラジル音楽に全くといっていいほど関心がなかった私ですが、あちらでは時々ラジオで耳にしていたこともあり、帰国後にレンタル屋で見つけたこれらを何気なく借りてみました。(なお、どちらもディスクのレーベル面に「小野リサが選んだエレンコ・レーベル名曲集」というサブタイトルが印字されているものの、実際に歌手の関与が窺えるのはブックレット掲載の対談で選定理由が語られている左のパート1だけです。)収録曲はこちらとこちらにありますが、とくに印象の良かったミュージシャンの名は記憶に残り、後に単独のCDを求めることにもなりました。
以降10年以上にわたってブラジルのCDを買い集めることになったのですが、棚から取り出して数えてみたら26枚ありました(ジャケットが真っ黒で目立たない1枚と聴き直してもしょーもなかった1枚は、この長方形に収まらなかったため割愛)。件のコンピレーション盤の選者さんのアルバムもラジオ出演時に流れた曲が何とも心地好かったので購入しています(右から2列目の最上段)。その右隣は反射でなく元からそういう図柄。入手が最も遅かったのは、たぶん2009年発売の右から2列目&下から2段目で以降枚数は増えていませんでした。
実は先月久しぶりにこれらを一通り聴いてみましたが、当初から感銘を受けたものは今聴いても素晴らしく、逆にハズレを引いてしまったとガッカリしたものは相変わらず印象サッパリ。(とくに国内盤の解説で「これから日本でも絶対人気が出る」などと (それも決まって軽薄な文体で) 大風呂敷を広げていた数枚はいずれも勢いだけで中身なし。そんな駄作を推すような執筆者はよっぽど見る目がない、というか耳が悪いとしか考えようがない。陰謀論的に言えば「いくらもらってたんだ?」ということになりますか。)その一方で、かつてはイマイチと感じたベテランあるいは物故歌手のアルバムには耳を傾けている内にジワジワと心に迫ってきたものが意外と多く、自分でもよく分からぬまま「こういう深みのある音楽だったのか!」と心中で膝を打ったことも度々。これは大きな収穫でした。どの分野にも当てはまることなのでしょうが、ある程度の年齢を重ねてようやく理解できる芸術というのは確かに存在すると思ったのでした。
なお、イベリア諸国(スペインとポルトガル)、それ以上に中南米(ただしスペイン語圏)のCDコレクションはブラジルどころではなく、同様の記事を作成しようとすれば相当なボリューム(当然ながら所要時間も)とならざるを得ないでしょう。よって最初から手を付けないのが賢明というものです。
おまけ
ポルトガル語圏ということでは他にCabo Verde(カボ・ヴェルデ)出身の歌手2名のCDも持っています。あとアフリカ音楽のコンピレーションアルバムにもアンゴラとモザンビークの音楽がいくつか入っていますが、それらの国々のみというのは皆無。将来出張で訪れることにでもならない限り買うことはないかな?
おまけ2
写真だけにしますがパラグアイ関係のCDも。個人でこれだけ持っている日本人はそんなにいないかも。ブラジル音楽と少し異なるのは左の6枚を(2度目に渡航した2000年に)現地調達している点。実はこの倍以上を首都のショップで買ったのですが、モノラル録音など音質の悪いもの、凡庸で観賞する価値もないと思ったのものはお土産として職場同僚に押し付けました。(←ひどい。)
おまけ3
先述の現地調達したディスクのうち4枚はこのようにタイトルとトラックが名称未設定でした。パラグアイ国内では比較的よく知られたミュージシャンのはずなのに・・・・要はデータベースに登録されていないという訳で、「もしかしたら海賊盤?」と思いましたが、国内ネット通販から購入した品にもいくつかあったので驚きました。
あと、このジャケット写真(ケース裏になる左側)ってどうなん?(まさか表のトリオと何か関係あんの?)
おまけ4
このCDをブックオフオンラインから買ってしまいました。(そんなに安くはなかったのですが。)ブラジル人歌手の単独アルバムとしては本当に久しぶりですが、付いた火がこれ以上燃え拡がらないことを願います。既に書いたように棚はいっぱいなので。
それにしても思わず引いてしまうようなレーベル面とブックレットのデザインですね。実はオリジナル(LP盤)のデザインを忠実に再現したそうです。ちなみに歌手はこれを「お粗末」と切り捨て(解説執筆者も「いかにも安っぽい」と酷評)、さらに自分が日本公演でブラジルを離れている間に勝手に(無許可で)発売されたことなどにも腹を立て、長年契約してきたレコード会社と袂を分かって移籍することになったそうです。
上はそのエピソードを解説で披露していたライターの著作です。私がラテン音楽のCDを買い集めていた時にはこの上ないガイド本となりました。
おまけ5
ヤフオクでこんな出品を見つけました。現地でよく耳にした実力派カルテットのアルバムです。もし私の考える彼らの最高傑作が収録されていたら入札してもいいと思いましたが。(リンク先はアルゼンチンの大歌手によるものです。)それにしてもあのタイトルは・・・・・・・
いかにも英語読みの「キャンペシーノス」に既にドン引きですが、そもそもグループ名は「田舎の人」「農民」などを意味する "Los Campesinos" ではなく "Los Cumbreños" です。(単数形が「頂上」「てっぺん」あたりなので、ここは「トップを極めた者達」という日本語でどうかな?)綴りもミスっとる。お粗末にも程があるぞ! なお彼らの音楽がこちらにプレイリストとして上がっていました。
ついでに当時お気に入りだった別の音楽集団のリストも貼っときます。皆さんがイメージされるものとは相当にかけ離れていると想像しますが、これも立派な南米の音楽です。
おまけ6(どこまで続く?)
一応調べてみたら 「ロス・キャンペシーノス!」(Los Campesinos!) という音楽集団も実在していました。けれどウェールズやないかーい!(←山田ルイ53世の口調で。)「なにゆえのスペイン語?」と首を傾げたのも当然ですが、メンバー全員がその姓ということで納得。ただし感嘆符で終わっているところは虚仮威しみたいで感心できません。なお、そんな人はまずいないでしょうけど、先に触れたLos CumbreñosのCDを勘違いで落札してしまったら激怒するでしょうね。これは返品の対象になる?