おれは、土門拳になる。第2章 写真家増浦行仁公式ブログ

写真家<増浦行仁>のオフィシャルブログ。
志を追い続けた増浦が「夢を追う」こととは何かを本音で語る。

はじめに

2008年11月17日 | メッセージ
まず、何故このブログを始めようと思ったのか。
僕がまだアシスタントをしていた頃、写真(コマーシャルフォトグラファー)の世界にもスーパースターがいた。
豪華な外車でスタジオに乗り付け、アシスタントを何人も使い、海外ロケに行き、常に第一線の仕事をこなす。写真家を目指す若者達にとって憧れの存在だった。いつかはあんな風になってやる!と思ったもんだ。
その為、安月給でこき使われるアシスタントの仕事にも耐えた。皆、良い意味でどん欲だった。夢を叶える為に必死で頑張った。

ところが20年前にバブルがはじけ、コマーシャル業界は元気がなくなり、スーパースターも居なくなった。若者達は目標とする存在を亡くし、確固たる夢を持てなくなってしまった。だから、努力というのは単にしんどいこととなり、
楽な方楽な方へと逃げるようになったのではないかと思う。

僕はこのブログを通して、若者達にもっと夢を持って貰いたいと思う。夢をもち、その実現の為に必死になるのは、どんなに素晴らしいことかということを解って貰いたいと思う。辛いことや悲しいこともいっぱいある。挫折しそうになることもあるだろう。でも、必ずその先には最高の感動がある。失敗したって構わない、それが次のステップになる。

“感動は自らが創るもの”ということを解って欲しい・・・これが、僕がブログを始めた理由だ。また、写真家を目指す人達の道標になればとも思う。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

写真家になろう!と思ったのは、僕が12歳の時。当時、コダックのポケットカメラが流行っていたのだが、僕が手にしたのはミノルタの一眼レフだった。
夢中になった。それまでの僕は、ただのやんちゃな“悪ガキ”だったが、カメラを手にしてからの僕は、至極まじめなカメラ小僧となった。
学校をサボっては京都や奈良まで撮影に行った。中学に入ってからは、トイレを暗室代わりにし、夜な夜な自分で現像した。
(おかげで授業中は爆睡だ)
 
デジタルカメラなんかは陰も形も無い時代だ。
フィルムをカメラに入れ、シャッターを押すと写真が撮れる。その撮影したフィルムを現像し、プリントする。
初めはそのシステム自体が不思議で面白く、魔法のように僕を魅了した。
専門的な作業を教えてくれる人など周りに居なかったので知識はすべて本からだった。
しかし写真の本は高い。お金も無かったので、いつも本屋で立ち読みだった。
(1時間も2時間も、延々と立ち読みしていたので、よく叱られ、店から追い出された。)
 
そんな中、出会ったのが土門拳の写真集「筑豊のこどもたち」だった。
凄い!なんだこの写真は!
ザラ紙に印刷されたそれは決してキレイに加工されたプリントではなかったし、技術的に優れているとかそんなもんじゃなかった。
なのに、僕はただただ圧倒された。
 
そう、写真は技術では無いのだ・・・・。
(後にパリでギィ・ブルダンに弟子入りした時も同様の衝撃を受けた)
 
ギイ・ブルダン
アリソン・M. ジンジャラス
ファイドン

このアイテムの詳細を見る

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
そんなこんなで、写真家になろう!が進化して“おれは土門拳になる”になったのだ。(詳しくは、アートン新社から出版されている「おれは土門拳」を読んで貰いたい。)

おれは土門拳になる―“奇跡の光”にたどり着いた写真家・増浦行仁の生き方
村尾 国士
アートン

このアイテムの詳細を見る

 
悪ガキだった少年時代のことも踏まえつつ、写真家としての現在の僕と将来の目標などなどを語りたいと思う。
 
強く願えば夢は叶う。 夢は夢でなくなり現実となる。なりたい!と思うひとになれる。

僕の家は、母子家庭で決して裕福ではなかった。
悪戯しては、しょっちゅう廊下に立たされていた。
学歴は、中卒(高校中退)だ。
そんな僕でも、こうして願い通り写真家になれたんだから、人生捨てたもんじゃない。
 
それでは、今後ともよろしく。


最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。