MARU にひかれて ~ ある Violin 弾きの雑感

“まる” は、思い出をたくさん残してくれた駄犬の名です。

見えない六重奏

2010-07-19 00:00:00 | 私の室内楽仲間たち

07/19 私の音楽仲間 (186) ~ 私の室内楽仲間たち (166)




            (ャ)ィコーフスキィ

      弦楽六重奏曲 "Souvenir de Florence"




   この集いは、すでに何度かお読みいただいているグループです。

         これまでの 『私の室内楽仲間たち』




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               ① 見えない六重奏
               ② 交響的な六重奏曲
               ③ ダイヤの女王も黒?
               ④ "6" の魔力
               ⑤ 血を吐く苦しみ
               ⑥ 作曲者にも慰めを…
               ⑦ 劇場と激情の間
               ⑧ 信頼の結実
               ⑨ 理性と魂
               ⑩ フィレンツェの密会?
               ⑪ ウクライナの邂逅
               ⑫ 鋭敏な魂
               ⑬ 躍動と沈潜
               ⑭ 大船に乗った気分で




 私たちの室内楽グループで取り上げるのは、おそらく弦楽
四重奏曲がもっとも多いでしょう。 このジャンルは、曲の数
の点でも、二重奏の Sonata などを除けば、もっとも一般的な
室内楽だと思われます。

 音楽を一緒に楽しみたい方々が多いというのに、数少ない
弦楽トリオ (三重奏) をわざわざ選ぶ必要はまったくありません。

 また前回のようなピアノ四重奏、五重奏は、曲も少ないし、
制限も色々あります。



 逆に言えば、「五重奏、六重奏以上は、なかなか体験する
機会が無い」ということになるでしょう。




 そんな折、メールが舞い込んで来ました。 お世話係のSa.
さん
からで、選曲に関してです。

 「次回は、さる大物の曲の "体験 (サラッと) 入門" で行きたいと
思いますが如何でしょう?」



 「一体、何の曲のことかな…?」 文面をよく読んでみると…。

 それが、この弦楽六重奏曲 "Souvenir de Florence"
でした。




 この曲、その存在だけは私も知っていました。

 でも恥ずかしながら、曲を聞いたことはありません。
もちろん譜面を見たことも…。



 ところがその後、連絡を色々受けているうちに判ったことです
が、「日頃なかなか出来ない曲をこの際やってみたい」というの
が、皆さんの総意らしいのです。

 ということは、私以外の皆さんは「この曲をかなりよくご存知
だ」ということになります。




 またしてもスタートから遅れを取った私。 さっそくスコアと
パート譜を、教えられたサイトからダウンロードして印刷して
みました。

     [IMSLP / ペトルッチ楽譜ライブラリー




 ご覧になるとお解りと思いますが、このサイト、スコアの方は
かすれて、細かい音符がよく読めません。 私の老眼のせい
もあります。 パート譜は立派に使用に耐えるのですが。

 また私の "スコア ライブラリー" にも、あいにく "在庫" が
ありません。 仕方なく音源を探すことになりました。




 …と申し上げると、「あれ? おかしいぞ!」と思われる方も
多いでしょうね。 「音楽家なのに曲を知らない上、自分でCD
も持ってないのか!?」と…。

 そのとおりなんです。 「勉強不足の上、音源に投資する金
さえ惜しんでいる」のですから…。



 さらにもう一言だけ白状しますと、ましなオーディオ装置さえ、
私は持っていません。 半分壊れかかったラジカセと、携帯用
で録音可能な古いMD機器はありますが。




 おっと、それから最近買った、サンヨ―の "ICR-RS110M"
と、SONY の "ICD-SX-850" という、二つの ICレコーダーも
ありました。

 ただしこれらは、ご存知のとおり「録音が主な用途」です。
前者はラジオ録音も可能だから。 また後者は、電話録音
用の付属品が付いているので、"訴訟の証拠用に通話を
記録する" ために購入したものです。 あらら…。



 いやはや、"演奏家のハシクレ" と自称する者が、こんな
ザマでいいのでしょうか…。




 ただ一言だけ反論する材料があるとすれば、「発売されて
いる音源は、DVDも含め、多かれ少なかれ "手が加えられ
ている"」という事実です。

 なぜならそれらは、音響条件などが理想状態にある "記録"
だからです。



 あ、ちょっと喋り過ぎたかもしれませんね。

 誤解の無いように付け加えると、それは「演奏の一つ
に過ぎない」という事実なのです。



 もちろん、何のヒントも無いときに "参考にする" のなら、
非常に大きな武器にはなりますが。 でも、単に "模範
演奏" の 一つに過ぎず、「作曲者側の精神をどれほど
伝えているか」については、必ずしも信頼できません。

 テンポも含めて。




 また音響的にも、「演奏会場の雰囲気を "忠実に" 伝えて
いるかどうか」という点では、100%信頼することは出来ません。
たとえ音量を、全オーケストラと同じ大きさにしてお聴きになる
としても。

 それに、DVDのように "視覚的な裏付けがあるもの" でさえ、
ステージの臨場感、ひいては、そこで味わえる "感慨" には
遠く及ばないこともあります。




 "視覚的な裏付け"…などと言いながら、私は実は今、ほっと
しています。 なぜかお解りですか?

 少しばかりお酒が入っているのです。 これを書きながら…。
貴方にはその様子が判らないですものね。 見えないから。



 あらー…。 黙っていればよかったのに。 喋ってしまい
ました…。




 どうでもいいけど、ちっとも本題に進みませんね…?




  [音源ページ




  (続く)