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飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

近松門左衛門NO.22・・・映画「女殺油地獄」(監督:坂上忍)

2009-06-08 | 近松門左衛門
■配給:2009年・ジョリー・ロジャー
■原作:近松門左衛門
■脚本・監督:坂上忍
■出演:藤川のぞみ、山田キヌヲ、安田慎吾、他

webを見ていて知った映画「女殺油地獄」の存在。日本で一番小さい映画館という渋谷にある「アップリンクX」でそれがレイトショーで公開上映されており観に行ってきました。「女殺油地獄」といえば近松門左衛門の代表作で、今月は確か歌舞伎座でもそれを上演しているはずであります。ボクも歌舞伎に文楽、そして樋口可奈子が主演した映画に漫画を連続鑑賞しこのブログにアップした好きな作品です。

今回観た映画は予算が無いのか、それとも意図的にか森や海岸などを街や遊郭に見立てる演出手法をとっていました。それがいいのか悪いのか?どうもボクにはピンとくるものがなかった、馴染めないものでありました。映像からその舞台設定にした必然性を感じることができませんでした。出演している俳優もお世辞にも演技が上手いとは言えません。やたら叫んでいる者もいるし…。

命を賭けて愛す、奪う、ということが作品のキーワードのひとつあったのですがそれにも深みを感じることができませんでした。命を賭けてとは己の欲望に忠実に境界を超えることなのか?そして一旦越えてしまっても翌日は日常に戻る、あるいは他の女に気が変わるということなのか?それは一時の浮かれた熱病のようなものなのではないのか。どうもそうした展開には納得がいかなかったのであります。ラストにおいても少女に怪物的な不気味な笑いをさせるのですが、それが何を意味しているのか。ボクは寺山修司の作品が好きなので前衛的な表現にはアレルギーを感じるものではありませんが、思わせぶりの展開に終始するのみの作品には、共振するものを感じないと思いながら、そのミニシアターを後にしたのでありました。

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