★★『悪役レスラーは笑う―「卑劣なジャップ」グレート東郷―』森達也★★
GW期間中に読んだ新書は、これ。実はボクは根っからのプロレス・ファンなのである。岩波新書にプロレス?ということで気になって手にしたのでした。
作者はボクより5歳年上のドキュメンタリー映像作家・森達也氏。(たとえばオウム真理教を取扱った「A」などが知られる)映像によって事実の断片を切り取ってきて、それを組み立てていくドキュメンタリーそれを創る一方で、森氏はプロレスという虚と実、リアルとショーが入り混じった格闘技と呼ぶべきか、パフォーマンスとすべきか、あるいは超現実的見世物世界(ボクの造語)ともいえる男達の世界を関心を持って見続けてきたようである。
たとえば、ドキュメント作品の取材で新幹線に乗るとき「週刊プロレス」という専門誌を購入しそれを車中で読む、そんな日常の行為が出てくる。愉快ではないか。大のオトナがプロレス雑誌を広げて読むことは、おそらく漫画を読むより勇気がいるし、それだけプロレスはニッチな娯楽でありいかがわしいジャンル?と一般通念ではとられているからだ。だからこそ、実は一貫して幼い頃からプロレスの魅力に取り付かれファンであるボクは、作者の森氏にエールを送りたい想いを抱くし、この本を興味深く読んだのであった。
そして推測するしかないが森氏が目撃してきたプロレスの歴史は、きっとボクとほぼ同じであるに違いないのだ。日本のプロレス創世記に登場し下駄履き・田吾作スタイルで活躍した日系悪役レスラー・グレート東郷、その出自を追ったのが本書。
ボクより年上のプロレス・ファンであるなら一度は聞いたことがあるレスラーである。ボクなども彼の名前は子供向けのプロレスの本で、アメリカで活躍した日系悪役レスラー、リメンバー・パール・ハーバーの感情を煽りたてリングの花道で観客からナイフで刺され、内臓がとびだしたのを手で押し込んだ・・・なんていうウソのような話を読んでそれを信じていたり、プロレス漫画に「血はリングに咲く花」などという絵つきの語録が載っているのを見てゾーッとしたりした記憶がある。(全く純粋でした)
いずれにせよ、日本の戦後復興の娯楽を支えたスポーツ・ヒーロー力道山が「さん」づけで読んだ、裏の実力者であったのだ。そんな彼の出自を追っていくうちに迷宮に迷う込んでしまうも、そこにもう一つの闇の戦後史が浮かび上がってくる・・・。その辺りは機会があれば本書を読んでいただくとして、
ボクもずっと愛してやまないプロレスは、ギミック、アングルなどと呼ばれる隠語がるようにある種のいかがわしさ(⇒つまりやらせのこと)があることは否めない。しかし、森氏も“相反の共存は、明確な境界で分割されているわけではない。濃淡が入り混じる領域だ。プロレスの凄さは、この虚実の皮膜”にあり“純然たるフェイクなどありえない。しっかりと凝視さえすれば、偽装ではない怒りや悲しみが、きっと見えてくるはずだ。耳をそばだてれば、声にならない叫びや、必死に押し殺した呻きが、聞こえてくるはずだ”と述べているように、そこに氏が見るプロレスの魅力をボクも共感を持って賛同したいのである。
出自を追って迷宮に迷い込んだグレート東郷の存在、彼こそがプロレスそのものであるのかも知れない。
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作者はボクより5歳年上のドキュメンタリー映像作家・森達也氏。(たとえばオウム真理教を取扱った「A」などが知られる)映像によって事実の断片を切り取ってきて、それを組み立てていくドキュメンタリーそれを創る一方で、森氏はプロレスという虚と実、リアルとショーが入り混じった格闘技と呼ぶべきか、パフォーマンスとすべきか、あるいは超現実的見世物世界(ボクの造語)ともいえる男達の世界を関心を持って見続けてきたようである。
たとえば、ドキュメント作品の取材で新幹線に乗るとき「週刊プロレス」という専門誌を購入しそれを車中で読む、そんな日常の行為が出てくる。愉快ではないか。大のオトナがプロレス雑誌を広げて読むことは、おそらく漫画を読むより勇気がいるし、それだけプロレスはニッチな娯楽でありいかがわしいジャンル?と一般通念ではとられているからだ。だからこそ、実は一貫して幼い頃からプロレスの魅力に取り付かれファンであるボクは、作者の森氏にエールを送りたい想いを抱くし、この本を興味深く読んだのであった。
そして推測するしかないが森氏が目撃してきたプロレスの歴史は、きっとボクとほぼ同じであるに違いないのだ。日本のプロレス創世記に登場し下駄履き・田吾作スタイルで活躍した日系悪役レスラー・グレート東郷、その出自を追ったのが本書。
ボクより年上のプロレス・ファンであるなら一度は聞いたことがあるレスラーである。ボクなども彼の名前は子供向けのプロレスの本で、アメリカで活躍した日系悪役レスラー、リメンバー・パール・ハーバーの感情を煽りたてリングの花道で観客からナイフで刺され、内臓がとびだしたのを手で押し込んだ・・・なんていうウソのような話を読んでそれを信じていたり、プロレス漫画に「血はリングに咲く花」などという絵つきの語録が載っているのを見てゾーッとしたりした記憶がある。(全く純粋でした)
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ボクもずっと愛してやまないプロレスは、ギミック、アングルなどと呼ばれる隠語がるようにある種のいかがわしさ(⇒つまりやらせのこと)があることは否めない。しかし、森氏も“相反の共存は、明確な境界で分割されているわけではない。濃淡が入り混じる領域だ。プロレスの凄さは、この虚実の皮膜”にあり“純然たるフェイクなどありえない。しっかりと凝視さえすれば、偽装ではない怒りや悲しみが、きっと見えてくるはずだ。耳をそばだてれば、声にならない叫びや、必死に押し殺した呻きが、聞こえてくるはずだ”と述べているように、そこに氏が見るプロレスの魅力をボクも共感を持って賛同したいのである。
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