春には桜スポットとなる水辺の散歩道を、秋の深夜に訪れてみた。
飛び交う黒い影が葉の上にとまった隙にヒトコマ。桜並木は野外に住むゴキブリの巣窟であったとさ。樹皮のシワの間がどうやら好みらしい。不思議と屋内に出るヤツと違って汚い感があまり無いのではあるが、なるほどこんなのがいっぱいいるようでは、夏の昆虫採集はクヌギ林とかで、もっと黒々したヤツを探す方が楽しいわな。
西表の知り合いの家では、夜中に外から飛んで入ってきたカグラコウモリが家の中のゴキブリを捕って食べていくというのを見たことがあるが、ここは本州、桜の枝にとまってゴキブリが飛ぶのを待っていて、すかさず飛び立って空中キャッチするのは、キクガシラコウモリなのである。