ニッパツ三沢球技場(Bグラウンド)

凶悪系育児ブログ。ほんのりJリーグテイスト。

スタッフの待遇改善を夢見つつ…

2009-05-17 | きょうのサッカー
仕事で、福祉施設のトップと話をする機会がありました。みな高齢者向けの施設で、介護保険の報酬が収入源です。

この4月から、福祉関係のスタッフの所得を上げるため介護報酬が改定されました。初のアップ改定です。
そのことについて、ニュースなどでは「施設などサービス提供側は増収となるが、そのぶんがスタッフに還元されるかどうかは運営側の判断」と言われています。
さらに、今後は条件を満たす施設などにはスタッフの給与アップに関する補助金も検討されているとか。

でも。
これを経営者側の意見でいうと、とてもじゃないけどスタッフには還元できない、とか。

それは、なにも増収ぶんを施設が『ピンはね』するという意味ではなく。
実際問題として、増収させるのが難しいそうなんです。

今回の介護報酬改定は、ベースアップではなく『加算』の新設・充実。
つまり、ただやればいいわけではなく、サービスや体制を加算ぶんがもらえるように整備しなければいけない。
そしてその整備にはカネがかかる。

国からの補助金も、3か年の時限的なものだそうで…
つまり、国からの補助金を元手にスタッフの給与をアップさせてしまうと、3年後には赤字の山が生まれる、というワケ。

しかも、(これもニュースになっていますが)4月から導入された新しい要介護認定は、結果が従来より軽目に出ると言われています。(真偽のほどは定かではない)
で、施設に入ってくる介護報酬は入所者の介護度によって決まるワケですから、軽く認定されればそのぶん収入は減るのです。
概算ですが、100人規模の施設で、入所者の要介護度の平均が0.1ポイント下がるだけで150万円以上の減収になるんだとか。

だからみなさん、給与ではなく福利厚生をなんとか改善させようと努力しているようです。
だって、還元する元手が実は存在しないのだから。

でも、政府もマスコミも、「これでスタッフの所得があがる」「施設などがきちんとスタッフに還元すれば問題ない」と…


しみじみ感じます。
経営者はたいへんだ。
そして、庶民が政権与党に不利な真実を知ることはもっとたいへんだ。


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