「自生のツクバネ」 を探しに行って見つけてきました。
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おみやげに戴いた ツクバネの実
初めてみる野生のツクバネはまさに感動ものでした。
ツクバネの自生状況を見たくて、ついに旅に出てしまった。
今回思い切って重たい腰を上げたわけだ。
注文していた種が届いたが、そのシナシナにはガッカリした又。今回種を山に蒔くことにした、
単なる思い付きだ。
何時の世も何をするにしても、思いつきが大切だ、この積み重ねが新発見につながる。
だが思い付きも、豊富で確かなバックボーンがあってこそ成り立つ。単なる思い付きも
単なる気まぐれに終わらせるとモッタイナイ。
単なる気まぐれにさせない為にはどうしても自生地を観察しておく必要があった。
その午後には早、出発した。目的地は??方面だ。
結果。
分かったことは多い。
・自然に落下した種は、湿度が高いのか未だにシナシナにはなっていない。(自生地だが
柵で囲われた個人の裏山)
・山に播く場合は、この大きな羽根が重要な役割をしているように思える、
腐らせない・雨で種が流されない・凍結させないために。
フウランが好きで、以前より その自生地に行ってみたいと計画したことがあった。
遠くなので最低でも3日又は予備日を入れると4・5日は必要となり、少し腰が引けて
実行できなかったわけだ。
ツクバネ自生地の情報を集約すると、ここよりはまだ北がよさそうだが重なる場所があった。
今回思い切って計画を思い起こし出発したわけだ。
目的は両方の観賞だ。フウランのことを考えれば開花時期が最適だが、贅沢を言っていたら
何時まで経っても実行出来ない。
今までに、探しに行った温泉旅行の中でツクバネ「らしき」物は何度か発見したが、
特徴である低木性でなくその倍以上の高さがあったから。実物を知らない悲しさである、
確定出来ずに帰ってきた経験がある。その辺り100キロぐらいの誤差はあるが再度行ってきた。
情報収集では、葉の特徴の詳細を ちんとんしゃんさん「
ブログ吊花によせて」より教えて頂き、
背丈は合わないものの葉の特徴が記憶と一致したので、ほぼ確信が持てた。
まるでソックリさんの木がある、ウツギ(空木)の仲間だ。大きさ、枝の出方、葉の大きさ
形状や葉の付き方、葉脈までそっくりだ。この木が多いのでまどわされる。
葉の色・葉の形状は場所によって環境にあわせて変化するようだ、すると見分けがつかない。
詳細な違いは葉縁の鋸歯がツクバネのほうが細かい、そしてなんといっても大きな違いは
葉の裏だ、葉の裏を比べると明らかに違う。これが最大の決め手だ。
いまでこそ言えることだが、不思議にツクバネのある所にはこのウツギの仲間が少ない、
見られない。ソックリさんが存在しないのでツクバネの見分けは容易となる。
着いた所はどう間違ったのか、常々もう一度確認にその現地を訪れてみたいと考えていた
場所には程遠い感じの所だった。
それでも、やはりツクバネはあった、ツクバネに間違いなさそうだ、しかし雄木らしくプロペラは無い。
近くを探しまわったがこれ1本きりだ、ガッカリした。思えば遠くにきたものだ。
気を取り直しそこからやや広い山道を登ったら峠を越えてしまい別の場所に出てしまった。
そこからバスに乗り、場所換えをした。30分程走り窓越しに良さそうな処を見つけ
下りて又探した。
途中山の調査員のような感じの2人ずれに出会いツクバネを訪ねたところ、ここではなく
もう一度30分程バスに乗り○○で下りて右側の谷に向かってドンドン登っていくと、昔沢山あった
と教えられた。
この時の反応が良かった、ツクバネを知っていたからだ。
我が大阪近郊の奈良・三重。京都の山手の田舎に出ても「ツクバネ」と訪ねると
???ものだ、
全く馴染みのない言葉なのだ。(但し、京都の日本海側では少々反応があった)
従って私は旅に出ても、決まって山野草のお店か盆栽を所有している家の方にしか訪ね
ないことにしている。
それがこの時は即、返答が帰ってきたのでこの辺りでは認知度の高い植物なのだと思い、
頑張って教えられた所に行ってきた。実際は、どう聞き違えたのか谷が無い、仕方なく
適当に山に登り谷川を探した。
有る処には、あるもんだ。
周囲みなツクバネだ。(チョット言い過ぎ)
但し、雄木なのかやはりプロペラが見えない。
葉の特徴は一致したが。雄木は種を付けない分大きくなるのだろうか。
こんなに有ると云うことは近くに必ず雌木があるはずなのに見あたらない。
自然発芽した苗も見当たらない。
上を見上げると50メートルくらいの処に何かありそうなので行ってみた。
やはりあった、歩けば歩くほど木は見つかる、だが実は無い。
更に奥に進みたいと思ったが、道も更に狭くなる。
クマさんが出たら大変だ。危険だ。
クマ避けの「鈴」は持っているものの、趣味の限界だと自分に言い聞かせ元の場所に戻る。
元の場所を再度探したらプロペラが見つかった。たった2個であるが。
感動ものだ。はるばるやって来た甲斐があった。
手の届かない程高いところだ。かなり実付きの悪い木だ、誰かが取った見落としか。
帰りは近道をした。この方がバス停は近いと思ったが次第に道が無くなり、違う処に出て
しまったようだ、民家の裏に出てしまった。
裏庭にツクバネが植えられているように見えたので立ち寄り訪ねてみた。
バス停への道も訪ねてみた。
やはり庭にツクバネはあった、山で掘ってきて植えたものらしい。
今、山でツクバネを見てきた話をしたら、そこはこのお家の山らしい。
昔この辺りには沢山あったらしいが、雌木は皆堀取られてしまったらしい。
自分の山なので採られて無くならないうちに掘ってきて庭に植えたとのこと。
その下には発芽した仔苗が多く出ていた。これが大きくなったら又人の近づかない
遠くの山に戻すらしい、これを続けているそうな。
山堀大株の植え方は独特のコツがありこれを知らないと皆枯らすらしい。それを知らない
人達が勝手に掘って持って行くと怒っていた。
この大株の移植のコツと云うのを教えて頂いた、他言無用との条件付きだ。
実は食べたら美味しいよと言われ試食させていただいた、ほんとうに美味しい。
この辺りでは昔からこれを食べる習慣があるらしい。
苗も4・5本持って帰るか、その内1本くらいは雌木がでるはずと言われたが、我が家には
小さいながら既に1鉢有るし更に予備も注文もしているので辞退し、
青い種だけお土産に戴いた。
私が集めた情報では、我が住む周辺は夏場暑くてツクバネ栽培は無理だと聞いていた。
もう10年以上何回も挑戦している方の話もあり、大切にしている苗をもらっても育てる
自信の無いものは、枯れさすともったいないと思ったから辞退した。
今のが枯れたらその時取りに来たらよいとも言ってくれた。
帰りには、これから出かける用件でそばを通るからと、バス停まで軽トラックで送って
もくれた。
帰阪は夜行バスで帰ってくるか又は泊まりの覚悟をしていたが遥かに早く帰れた。
ただ今考えると再び現地へたどり着けるか自信が無い。