チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

香港「蓮香」店じまい

2019年02月18日 04時04分19秒 | 香港

曇、2度、85%

 香港上環にある古い飲茶屋「蓮香」が店じまいをしたと主人が知らせてくれました。広州で「蓮」の餡を使ったお菓子で財を成し香港に飲茶屋を構えて90年近くと聞きます。しかも以前の我が家からダラダラと坂を下って10分ほどのところのお店でした。

 香港の飲茶屋もピンからキリまであります。この「蓮香」は庶民的なお店でした。早朝でない限りいつ行っても満員、自分の席は自分で見つけなければなりません。円卓に背もたれの無い椅子(最後の頃は背もたれ付きになっていました)いつだって地元の方と相席です。そして、私がいた30年変わることなく「ワゴンタイプ」の飲茶屋さんでした。湯気が立つワゴンの上にはたくさんの蒸籠が乗っており、それをおばさんが押して店を回ります。お客は待ちかねていますから、店の奥からワゴンが出てくるとワゴンに駆け寄る始末です。お客の一人一人がこの店の好きなものがあり、何が有名という店ではありませんでした。新しい飲茶ではなく昔ながらのメニューでした。

 いつ頃からか日本人の観光客もやってくるようになりました。席が取りにくいこともあり、我が家はもっぱら家族だけで行く店でした。飲茶は残ると包んでもらって持ち帰ります。この店では店員さんが包む暇もありません。壁には紙袋がぶら下がっており自分でその袋に入れて持ち帰ります。

 店じまいの本当の理由はわかっていないそうです。家族間の相続争いもその一つ、また自社の建物でもないことがもう一つの理由だとも聞きます。「蓮香」の一帯は急にサービスアパートメントやホテルが建ち始めた一角です。懐かしい店が一軒また一件と姿を消していきます。菓子屋から始まった店らしく入り口には菓子売り場がありました。中秋節の頃ともなれば贈り物の月餅の缶が山積みにされます。見出し写真は私が香港に行った初めの年の中秋節の月餅のチラシです。初めの数年は香港中のあらゆる月餅を買って来ては食べたものです。そしてチラシも大事に持ち帰っています。

 坂道に沿って建っていた「蓮香」。この菓子売り場からはちょっと急な階段でレストランまで上ります。我が家は坂の上の方、坂を下って店に行くのでいつも坂の途中の横のドアから店に入っていました。考えてみれば名物のあの階段から店に入ったことがありません。なんだか勿体無いことをしたような気がします。

コメント
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