曇、8度、60%
毎年この時期に柿の葉寿司と「糊こぼし」という和菓子を送ってくれる友人がいます。柿の葉寿司は柿の葉に包まれた二口ほどの押し寿司です。香港から帰国してモモさん、息子一家とこの家に戻って来て初めて受け取った荷物も彼女からの柿の葉寿司でした。人数が多いとご存知でしたから大きな箱の柿の葉寿司が2箱。翌日には引越しの大荷物が着く予定でした。台所に立つ間もないだろうというお心遣いでした。
葉っぱに包まれた食べ物は日本ばかりか中華にも西洋料理にもあります。葉っぱに包むというのはその殺菌作用もあるでしょうが、姿形が可愛く目に映ります。そしてそこはかとない葉っぱの香り。薄くへぎ削がれた鮭と鯖の柿の葉寿司です。 小箱に7つ、お昼にちょうど良い量でした。にぎり寿司とは違い押し寿司はご飯がしっかりと詰まっています。甘くない寿司飯が柿の葉のかすかな香りで染まっています。
椿の季節のお菓子「糊こぼし」は奈良東大寺のお水取りに所以のお菓子です。 椿の姿をした鮮やかなお菓子です。雄しべのところが黄身餡かと思われる薄黄色、赤い花弁は椿そのもののように真っ赤です。
こうして頂戴する奈良の食べ物でまだ行ったことのない奈良を感じます。関西にありながら、京都とも大阪とも違う鄙びた風情があるのではと古い都へいつか行きたいものです。