豆猫日記 すべてはうまく行っている♪♪

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『あかね空』

2007-04-13 16:03:08 | 映画
『あかね空』いい話でした~

時代劇物はめったに観ない
と言いつつ先日『さくらん』を観たばかり
の私がなぜ観たのか。
他ならぬキャスティングのせい。
今NHK大河ドラマで主演をはっている内野聖陽と中谷美紀が主演だから。
何でも『嫌われ松子』で女優を辞めようかと思ったほど
しんどかったらしいあの作品の後
「この作品に出会えて本当に救われた」と
言い切るぐらいなので期待が高まる。

その彼女はどうだったかと言えば
正直力が入り過ぎのような気がした。
前半はハイテンションの若かりしおふみ。
後半はぐっと時代が進み、中年のおふみ。
晴れて大好きな永吉(内野聖陽)と結婚し3人の子供に恵まれ
さぞや幸せな暮らしかと思えば
こめかみに青筋の入ったヒステリーおばさんに激変!?
ある意味こっちの方がなじんでいたけれど・・・
中谷美紀は好きで応援したいのにちょっと残念。

肝心の映画はと言うと、話は本当にいい話。
京から一人江戸に出てきた豆腐職人、永吉(内野聖陽)が
豆腐屋を始める。
江戸の豆腐はとても固く、
永吉が作る京の豆腐はとてもやわらかい。
そのせいで江戸っ子達の口に合わず、全く売れない。
必死の思いで江戸に出てきたのにどうしようとかと悩む永吉を
同じ長屋に住むおふみ(中谷美紀)が応援し
何とか商売がつながっていく。
その裏には、幼い子供を失った豆腐屋の相州屋の想いに助けられての事だった。

しかし本当の話は後半の二人が結婚し18年たった頃から。
ぐっと様子が変わってくる。

「家族愛」がベースになっているこの作品。
本当にいい話なのだが、
後半、突如性格が変わってしまっている
おふみに対しての違和感が大き過ぎた。
もちろんその理由も明かされるのだけれど
今一つ説得力に欠けたような気がした。
それから映画そのものの作りとして
江戸の町の背景などがいかにもCGと言うのが妙に安っぽかった。
いっそのこと全てセットだけで撮った方が
良かったと思うのは素人の考えか?

何度も言うけれど、いい話なのに
映画としての出来栄えに今一つ満足出来なかった私は
帰り道思わず原作を買い、一気に読んでしまった。


原作と映画では随分話が違い、
映画で今一つ釈然としなかったおふみの事がしっかり見えてきた。
不器用な親子愛が見事に描かれていた。
表面だけの言葉や態度の裏に本当に伝えたい気持ちがある。
それを知り感謝をしたい時にはもう親はいない。
自分の親子関係を振りかえり、
思わず考えさせられてしまった。
原作が直木賞受賞作だったと知って納得の力作。
ぜひこの原作を読んでみて欲しいです。



P.S.
肝心の内野聖陽、京言葉のまじめな豆腐職人永吉と
賭場を仕切る大親分、傳蔵の二役には驚いたけれど
彼には傳蔵のようなめちゃめちゃ強面の
迫力のある役が似合ってた