昨年7月中頃にフォ-サーズ→
マイクロフォーサーズアダプターを購入し
シフト機能付きのアダプターの製作を決めて
はや1年と3ヶ月。
ようやく完成した。
最初に図面を引き始めてから
2度の設計変更、3度の修正、
更に新機能追加と結構かかってしまった。
苦労して完成したのだから完璧かというと、
少々問題あり。
だが、まぁ出来の悪い子ほどというぐらいだから
良しとしとこう。
8月に図面を起こしたときには
シフト・ティルトアダプターにするつもりだったが
すぐに、無理そうなのであきらめた。
シフトのみにしても、最初は一方向にスライドさせて、
それを90度回転させるつもりで設計した。
回転させる為のギミックを実現可能かどうかを
検証する為、試作をしてみたが
考えが甘かったようで無理だとわかった。
で、一回目の設計変更。
上下方向と左右方向にスライドさせることにした。
ところが、今までの方法を応用しようとすると
複雑なことになるので、加工が面倒。
ここで、二回目の設計変更。
アリ溝方式にする。
11月の後半に具体的な寸法を出す為
オリンパスのフォーサーズ用14-42mmを
3千円少々で購入。
ホコリ混入と書いてあったが、
自分では確認できない。(掘り出し物だったかも)
で、それを手持ちで上側にシフトして
ケラレの具合を確認したところ、
3.5mmぐらいでケラレがでるようだ。
なので、シフト量は4mmとして図面を修正。
レンズ側のマウント寸法も採寸し
図面に反映させる。
2月の初めにアリ溝用の刃を自作の刃物研磨器を使って自作した。
2本削るつもりが1本削るだけで疲れてしまった。
出来上がった刃を実際にみて、しかも予備がない
となると、シフト用のギミックの素材について
再考しなくてはならなくなった。
真鍮では折れが心配だし、
アルミでは自作刃の切れ味に問題がありそう。
樹脂素材で手軽に手に入り、安価で遮光性、
寸法安定性などを考えると、エンプラがいいのだが、
それなりのサイズのものは手に入りそうにない。
アクリルは遮光性や欠けの懸念があるし、
塩ビやポリカの板は透明がほとんどだし、
そうこうしていると、コーナンでこんな物をみつけた。
これなら3.5mmぐらいの板が取れそうだ。
ふちをカットし平らな板に加工したが
3.5mmは無理で3.2mmの板しか取れなかった。
だが、懸念していた加工後の反りや歪みはなく
これならいけそうな気がする。(径も測ったようにちょうど良い)
だが、ここで図面の修正が必要になった。
最初、アリ溝の深さを1.5mmにするはずだったが
出来た板の厚み、自作刃の具合から
1.1mmに変更することにした。
しばらく、ほかの事をしていたので
触らずにいたこれを盆休みに二日間じっくり
加工を始めた。
(ガタつきや隙間が出来ては話にならないので
じっくり取り組めるまでおいておいた)
最初にアリ溝を図面寸法どおりに加工する。
これをゲージ代わりにして
アリ溝に嵌る凸部を加工。
凸部を削りだした板の片側から加工、100分の2ずつ
削ってはゲージで具合を確かめ、再び加工を繰り返し
ちょうど良い嵌り具合にする。(すこし渋いぐらい)
もう片方の内側を100分の2ずつ削り、
アリの凸部間の間隔を出す。
次は外側というように慎重に進める。
そうして出来上がったのがこれ。
じっくり時間をかけたおかげで
自分の予想をはるかに超える
いいものが出来た。
隙間やガタつきはまったくない。
こういう風にスライドします。
中心部の形状と外周径を合わせる。
シフトのキモの部分が終わったので
金属パーツを削りだします。
その前にシフト用のパーツの仕上がり寸法を
計測したところ、0.1mmほど
薄くなっていたので、図面の寸法を
修正した。
ここで、シフト用パーツから
レンズマウント基準面までの間隔が
そこそこあるのをみて、むくむくと
アイデアが沸いてきた。
「ここを二重構造にして、
OM80mmマクロの時みたいに・・・」
で、機能追加の設計変更。
設計変更後、金属パーツの削り出し。
メッキ加工の代金が複数個で
同じことから中間リングのパーツも
同時に加工しました。
メッキ屋さんから帰ってきたパーツ。
(奥の3つがシフトアダプターの物)
追加機能のパーツ。
軽量化と深溝加工があるので
アルミとジュラルミン(以前金物屋さんで
試しに購入したもの)のパーツ
組み合わせてみた。
フォーサーズ側の接点端子。
今回、一番苦労した部分。
銅の2mmの丸棒から削りだすのに
2個に1個の割合で失敗した。
その為、失敗した腹立たしさから
電源を切る際、勢いあまってリバースに
入れてしまい、続けざまにヒューズを
2個も飛ばしてしまった。
端子に繋がるリード線は後に別のものに
換えた。(細ければいいというものではなかった)
それぞれのパーツを仮組みしてみた。
2本のピンは回り止め。
仮組み完成
寸法チェック
19.3mmが正解なんだが、
0.02~0.03ほど厚い。
(オーバーインフぐらいの方がいいかも)
これは後から修正する。
ここに、端子とそれを繋ぐリード線が収まる・・・はず。
端子を組み立て
で、完成品が最初の写真。
寸法チェック
視差で19.3mmを超えているように
見えるかもしれませんが、きっちり出ています。
重さ
ウラ
オモテ
シフト
中間リング機能
延長は1.8mmと3.6mm
レンズを付けてみた。
シフトのテストは休日に行う予定だが、
中間リング機能のテストをしてみた。
ただし、画質テストでなく、
ピントの合う範囲と最短距離での被写体の
写る大きさを調べてみた。
14-40mmを装着した時のピントの合う範囲は
(レンズ先端から)
延長1.8mmで
14mmの時 約45mm~約110mm
最短時(Φ58mmレンズキャップ)
42mmの時 約100mm~約970mm
最短時(Φ58mmレンズキャップ)
延長3.6mmで
14mmの時 約20mm~約50mm
最短時(Φ58mmレンズキャップ)
42mmの時 約50mm~約420mm
最短時(Φ58mmレンズキャップ)
まぁ、そこそこ使えそうだ。
さて、問題箇所だが、
端子間のリード線が硬いようで
シフトでは問題ないが、
中間リング機能3.6mmを使用したとき、
端子がカメラ側に引っ張られて、
接触不良を起こすことがある。
その時は、一度外してリード線を
いじる必要がある。
1.8mmの時は問題ないのだが・・・。
どうしようもなくて改造をするとしたら、
リード線をモーターなどの中に入っている
エナメル線に交換する必要がある。
それも、めんどうだなぁ・・・。
まぁ、追加機能はおまけみたいなもんだし、
1.8mmが使えるからよしとしよう。
マイクロフォーサーズアダプターを購入し
シフト機能付きのアダプターの製作を決めて
はや1年と3ヶ月。
ようやく完成した。
最初に図面を引き始めてから
2度の設計変更、3度の修正、
更に新機能追加と結構かかってしまった。
苦労して完成したのだから完璧かというと、
少々問題あり。
だが、まぁ出来の悪い子ほどというぐらいだから
良しとしとこう。
8月に図面を起こしたときには
シフト・ティルトアダプターにするつもりだったが
すぐに、無理そうなのであきらめた。
シフトのみにしても、最初は一方向にスライドさせて、
それを90度回転させるつもりで設計した。
回転させる為のギミックを実現可能かどうかを
検証する為、試作をしてみたが
考えが甘かったようで無理だとわかった。
で、一回目の設計変更。
上下方向と左右方向にスライドさせることにした。
ところが、今までの方法を応用しようとすると
複雑なことになるので、加工が面倒。
ここで、二回目の設計変更。
アリ溝方式にする。
11月の後半に具体的な寸法を出す為
オリンパスのフォーサーズ用14-42mmを
3千円少々で購入。
ホコリ混入と書いてあったが、
自分では確認できない。(掘り出し物だったかも)
で、それを手持ちで上側にシフトして
ケラレの具合を確認したところ、
3.5mmぐらいでケラレがでるようだ。
なので、シフト量は4mmとして図面を修正。
レンズ側のマウント寸法も採寸し
図面に反映させる。
2月の初めにアリ溝用の刃を自作の刃物研磨器を使って自作した。
2本削るつもりが1本削るだけで疲れてしまった。
出来上がった刃を実際にみて、しかも予備がない
となると、シフト用のギミックの素材について
再考しなくてはならなくなった。
真鍮では折れが心配だし、
アルミでは自作刃の切れ味に問題がありそう。
樹脂素材で手軽に手に入り、安価で遮光性、
寸法安定性などを考えると、エンプラがいいのだが、
それなりのサイズのものは手に入りそうにない。
アクリルは遮光性や欠けの懸念があるし、
塩ビやポリカの板は透明がほとんどだし、
そうこうしていると、コーナンでこんな物をみつけた。
これなら3.5mmぐらいの板が取れそうだ。
ふちをカットし平らな板に加工したが
3.5mmは無理で3.2mmの板しか取れなかった。
だが、懸念していた加工後の反りや歪みはなく
これならいけそうな気がする。(径も測ったようにちょうど良い)
だが、ここで図面の修正が必要になった。
最初、アリ溝の深さを1.5mmにするはずだったが
出来た板の厚み、自作刃の具合から
1.1mmに変更することにした。
しばらく、ほかの事をしていたので
触らずにいたこれを盆休みに二日間じっくり
加工を始めた。
(ガタつきや隙間が出来ては話にならないので
じっくり取り組めるまでおいておいた)
最初にアリ溝を図面寸法どおりに加工する。
これをゲージ代わりにして
アリ溝に嵌る凸部を加工。
凸部を削りだした板の片側から加工、100分の2ずつ
削ってはゲージで具合を確かめ、再び加工を繰り返し
ちょうど良い嵌り具合にする。(すこし渋いぐらい)
もう片方の内側を100分の2ずつ削り、
アリの凸部間の間隔を出す。
次は外側というように慎重に進める。
そうして出来上がったのがこれ。
じっくり時間をかけたおかげで
自分の予想をはるかに超える
いいものが出来た。
隙間やガタつきはまったくない。
こういう風にスライドします。
中心部の形状と外周径を合わせる。
シフトのキモの部分が終わったので
金属パーツを削りだします。
その前にシフト用のパーツの仕上がり寸法を
計測したところ、0.1mmほど
薄くなっていたので、図面の寸法を
修正した。
ここで、シフト用パーツから
レンズマウント基準面までの間隔が
そこそこあるのをみて、むくむくと
アイデアが沸いてきた。
「ここを二重構造にして、
OM80mmマクロの時みたいに・・・」
で、機能追加の設計変更。
設計変更後、金属パーツの削り出し。
メッキ加工の代金が複数個で
同じことから中間リングのパーツも
同時に加工しました。
メッキ屋さんから帰ってきたパーツ。
(奥の3つがシフトアダプターの物)
追加機能のパーツ。
軽量化と深溝加工があるので
アルミとジュラルミン(以前金物屋さんで
試しに購入したもの)のパーツ
組み合わせてみた。
フォーサーズ側の接点端子。
今回、一番苦労した部分。
銅の2mmの丸棒から削りだすのに
2個に1個の割合で失敗した。
その為、失敗した腹立たしさから
電源を切る際、勢いあまってリバースに
入れてしまい、続けざまにヒューズを
2個も飛ばしてしまった。
端子に繋がるリード線は後に別のものに
換えた。(細ければいいというものではなかった)
それぞれのパーツを仮組みしてみた。
2本のピンは回り止め。
仮組み完成
寸法チェック
19.3mmが正解なんだが、
0.02~0.03ほど厚い。
(オーバーインフぐらいの方がいいかも)
これは後から修正する。
ここに、端子とそれを繋ぐリード線が収まる・・・はず。
端子を組み立て
で、完成品が最初の写真。
寸法チェック
視差で19.3mmを超えているように
見えるかもしれませんが、きっちり出ています。
重さ
ウラ
オモテ
シフト
中間リング機能
延長は1.8mmと3.6mm
レンズを付けてみた。
シフトのテストは休日に行う予定だが、
中間リング機能のテストをしてみた。
ただし、画質テストでなく、
ピントの合う範囲と最短距離での被写体の
写る大きさを調べてみた。
14-40mmを装着した時のピントの合う範囲は
(レンズ先端から)
延長1.8mmで
14mmの時 約45mm~約110mm
最短時(Φ58mmレンズキャップ)
42mmの時 約100mm~約970mm
最短時(Φ58mmレンズキャップ)
延長3.6mmで
14mmの時 約20mm~約50mm
最短時(Φ58mmレンズキャップ)
42mmの時 約50mm~約420mm
最短時(Φ58mmレンズキャップ)
まぁ、そこそこ使えそうだ。
さて、問題箇所だが、
端子間のリード線が硬いようで
シフトでは問題ないが、
中間リング機能3.6mmを使用したとき、
端子がカメラ側に引っ張られて、
接触不良を起こすことがある。
その時は、一度外してリード線を
いじる必要がある。
1.8mmの時は問題ないのだが・・・。
どうしようもなくて改造をするとしたら、
リード線をモーターなどの中に入っている
エナメル線に交換する必要がある。
それも、めんどうだなぁ・・・。
まぁ、追加機能はおまけみたいなもんだし、
1.8mmが使えるからよしとしよう。