年下研究

『けいおん!!』トンデモコジツケ連鎖中!涼宮ハルヒの憂鬱の謎解きコジツケの履歴保管庫。

キョン脳内佐々木さん(中学生)ネタ続き…『事件は密室で起きる(!?)』

2008-05-26 01:30:53 | 涼宮ハルヒ
まあ、相変わらず悪ふざけが過ぎてますが、下品さでは、私の拝見した中で一番エロい谷川さんの文章…『絶望系閉じられた世界』には及びませんし、谷川さんはさらりとそれをギャグとして流しているようなので、コレもギャグで通るかと思います。
『アンインストール』は、青木さんに見せていただいたニコ動のハルヒ組曲の、長門パートの替え歌で知ったのですが、歌詞を引用できて良かったです。
事件は密室で…云々は、青木さんに観せて頂いたアニメ撲殺天使ドクロちゃん2の山寛が参加した回のタイトルから引用。前述の文章で『及ばない』という表現を使ったのは、ドクロちゃんの中で『及ばない』というセリフがあったのに引っ掛けてます。山寛がらきすたの監督を辞める時の理由(?)と関係してるのでしょうか…
あと、『密室』は、谷川さんの『閉じられた世界』にも引っ掛けてます。
面白いハルヒ同人紹介
大友喫茶「Seaweed」:コピー本。フルカラー表紙、前の本から手間のかけ方を色々習得なさっている様子です。
本文の形式は4コマの単独ネタと連続ネタの混成。冒頭に普通の4コマ、主体は効果音以外は基本的にサイレントという実験的手法。
効果音も省いて完全なサイレントにしても良かったと思いますが、普通と実験を並べることで本文への読者の入り込み易さと実験を際立たせることを両立しようとした構成は上手い工夫だと思います。
Typemoonの武内さんがエンターテインメントしてなければ設定凝りも意味が無い、という風なことを仰っていたと記憶しておりますが、大友さんは実験的に設定した世界の深刻さの中で、尚もキャラ相互が良い雰囲気を作り出すという、作品作りをなさっているので、読者への配慮=入り込みやすさを工夫することは正解だと思います。
ネタの中心は喜緑さん多目のTFEI三人娘と時折九曜さんの絡み。佐々木さんも藤原も登場してます。ただ、『コロンビア』は謎です。
敢えて長い前振りをします。
石川忠司さんが近現代文学の技法について、情景描写、キャラの内面描写や作者の思想開陳という脱線で活字の無味乾燥さを補おうとした『エンタテインメント化』の結果、物語が冗長になったり破綻したりしてしまったと分析し、これを乗り越えるためにどうするかという工夫の実例に挙げたのが、
共同体が崩壊してバラバラの孤独な個人の集合に過ぎなくなってしまった近代社会の状況に対して、孤独な個人の集まりを前提にした上で共同性を回復するような物語を書くこと、です。
要するに、孤独な個人が複数で、なんらかの行動を共有することで成立する共感を重視する、という立場で、『村の寄り合い』のように雑多な意見がまとまらずに共に生きるような空間を描くこと(=ノイズを排除してゆく論理的思考では困難だが日常を描写する物語の形式なら可能な仕事)。
まあ、リクツで解決しようとするから孤独から逃れられないのであって、他者との関わりあいで、リクツ抜きに共感は発生してしまうし、共同性も芽生えてしまうのではないか、というやや乱暴な主張なわけですが。
これの石川さんが挙げてる例に、若者が共同生活する『ルームシェアリング小説』があって、これって奈須きのこさんの『魔法使いの夜』なわけでして、武内さんに言わせると『雑居』。
昔、竹田青嗣さんに『これからは親のいない独身者の行為規範について考えねばならない』というようなことを言われたことが有るのですが、この問題への物語の形式での回答が『共同性回復を描写する作品』なのだろうと思います。
で、大友さんの作品はこの『孤独な個』が『雑居』して行動を共有することで『共同性が回復する』という『場面』を描写する作品の実例だと思います。奈須さんと問題を共有していると思います。
まず、表紙がそうですし、本文でも、特にサイレント作品の方にそれが顕著です。
朝倉のおでんをTFEI三人娘と九曜さんとで囲む、とか、長門の誕生日を九曜も朝倉もお祝いして、記念写真に喜緑さんも写るというネタなんかはまさに典型的。
リクツでない共同性回復を描いているから、深刻な世界設定でもホッとする情景になるのでしょうし、文学全体の運動に連動した問題意識を踏まえているから、黒い笑いや可愛らしい描写を読み終えるだけではないハラにたまる印象を受けるのだろうと思います。
喜緑さんと長門と二人きりで夏祭り、水の透明感の技法や大胆なベタによるシルエット化が効果的で、なんだかほろりと来ます。
どれみの『魔女を辞めた魔女』の回の細田守の描く、『夕方の影』『ガラス細工越しの光』でもグッと来るものが有ったのですが、『光』ってそういうところが有ると思います。こういう部分を積み重ねて行っていただきたいです。頑張ってください。
まだまだ続きます。