モルツーの日々@競馬と本と日本史他

本が好きな書店員(出版社営業部から書店員に出戻りました)。史跡巡りの写真を素敵に撮りたい。馬も好き。

二条城の廊下側欄間を観る~京都旅行記その2~

2010年12月01日 | 幕末他歴史ネタ

マニアックな見物をしてきてしまいました。
二条城の廊下側の障子上部の欄間に着目です。部屋とか襖絵とかではなく。

京都旅行記その2は、二条城。

国宝です。
二条城。
大政奉還の合議がなされた場としてなんとなく「幕末スポット」に分類されてる感がありますが、徳川家の京都出先機関で、造られたのは江戸初期。
そのため、桃山文化が色濃く感じられるものでありました。
門上部にある彫刻の雰囲気は、日光東照宮の眠り猫や三ザルと似たカンジ。

 ←(唐門。二の丸御殿への門です。)
 
(その唐門の、向かって左上と右上の動物彫刻はなかなかにラブリー。特に左上のコは、たぶん耳の後ろを掻いてますナ。)


二の丸御殿の入り口部分(車寄せ↓)の彫刻も凄いです。
  

  



将軍拝謁シーンを再現したあの部屋の様子が見物順路のクライマックスのように思えてしまいますが、それ以外の、襖絵や欄間彫刻も、けっこうな見所です。
特に、厚さ35センチの一枚板の両面に別々の絵柄を彫り抜いた孔雀の欄間は圧巻!
裏から 表から、行きつ戻りつしながらかなり熱心に観てしまいました。

ところが。
出口にいた案内係のお姉さんと軽く話しをしたところ、「廊下側の欄間彫刻や釘隠し彫刻も凄くて、なんと一つ一つ絵柄が違うのだ。」という情報を、ゲット。

それは確かめねばなるまいっ!

と、庭園をとりあえず見物した後、もう一度、二の丸御殿の中へ。(チケット的には可能なシステムになってるのです)

確かに、違いました。
釘隠し(廊下側から部屋側を見たときに目に入る、柱と梁を繋いでいる部分に付けられる装飾。ここでは、金色の板に孔雀をモチーフにした彫刻がされている)の絵柄が、それぞれ違うものでした。間違い探しのようなカンジで「わー!違う違う!」と騒いでしまいました…。

そしてさらに私の心を鷲掴みにしたのが、廊下側欄間。
こちらは明らかに、一つ一つ違う図案の彫刻でした。
椿だったり小鳥だったり、イタチ?のような小動物だったり。
(車寄にある左右の雲形の彫刻と、似たようなものでした。上記写真のような。)
他の見学者が順路右側を観ているのを尻目に、私はひたすら、左側の上を見上げ、欄間彫刻の見事さを味わっておりました。


今回、このブログを書くにあたって、ネットで二条城の欄間のことや、欄間の種類のことを検索してみたのですが、廊下側欄間の絵柄が一つ一つ違うことに触れたものには出会えませんでした。
「厚さ35センチの孔雀などの欄間彫刻が見事である」という説明で、せいぜい、門や入り口(車寄せ)の彫刻まで。

あの廊下側欄間だけを集めた図録があっても良さそうなもんだとすら思っているのですが…。
名称についても、暫定的に「廊下側欄間」と言っていますが、他にちゃんとした名称があるのかもしれません。
建築系、彫刻系方面からでも、何か情報がありましたら、お寄せくださいませ。


あの出口にいたお姉さんからの情報が無ければ、今も知らないままでいたことでしょう。
私にピッタリの、マニアックすぎる情報をくれたお姉さんに、大感謝です。


ところで、二条城内の庭園で、こんな木を見かけました。


枝が、ヘンです。
いくつも植えられていました。
どうしてこの枝、こんなカタチ???

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宮元 健次
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