来ましたっ!平泉の号!!
もちろん、即買いです!!
(2012/4/26発売)
6-7ページの現在の俯瞰図と、12-13ページの当時を再現した俯瞰図を見比べられたり(自分でページを行き来しなきゃいけませんが)、現地のオススメ観光ルートを設定して紹介していたり、26-27ページには雪化粧の毛越寺庭園の写真が見開きでばーん!と載っていたり、追加登録をめざす関連遺産が紹介されていたりで、奥州藤原氏ファンを長年やってる私にとっても非常に見応えのある本でした。
追加遺産の中でも特に、骨寺村荘園遺跡についてページを割いて紹介してるのがイイですね。
鎌倉時代の荘園絵図そのままのカタチでその地域が残されている、非常に貴重な場所なのです。
(世界遺産とか平泉とか関係なく、これだけで充分、重要な遺跡だと思うのですけども!)
何より好感度が高い理由は、「当時の伽藍は残っておらず物足りない、世界遺産といわれても・・・という戸惑いも聞かれる」(9p)と、評判を客観的に紹介したうえで「では、平泉の何が評価されたのだろうか?」と解説をしている点。
ビジュアル系遺産が「金色堂」のみである平泉は、確かに、歴史背景や浄土思想を知っていないと楽しめない「超地味系」世界遺産。
無量光院跡のあの「ただの空き地」も、自然(山頂に沈む夕日)と建物と池とを組み合わせて作り上げた、浄土を出現させる舞台装置であることを知らないと、感動も何もない場所なことは確かなわけで。
それと、世界遺産として評価された項目の一つ「日本の自然信仰と浄土思想との融合」の例で挙げられている「池の形の話」はとても興味深かった!
浄土の池って、他の国では四角形なのだそうです。
階段が付いていて、沐浴をする場所なのだそうな。
絵に描かれて伝わっているのだから、日本人だってそのことは知っていたはず。
「しかし、日本人は人工的な四角形の池にはしなかった」とのこと。(10p)
「自然美を愛好する日本人には受け入れられなかった」と。
深く納得。
そしてそれこそが、平泉が世界遺産に成れた理由であると理解できました。
この解説を読んでるうちに、外国人が平泉に「日本人らしさ」を見出したのだなと、心から思うことができたのです。
ここのページを書いたのは、大矢邦宣氏とのこと。
平泉文化遺産センター館長さんで、こちらの本を書かれたかた。
とても分かりやすく「平泉のココロ」を解説してくれる方。
・・・世田谷美術館で講演会をされたとき(2009年)、サインもらっとけば良かった!
などと、非常に楽しめた分冊百科でした。
歴史モノ分冊百科にはたいてい加わることのできる「平泉」「奥州藤原氏」なので新シリーズが刊行されるたびにチェックして買ってるのですが、ここまで楽しめたのは久しぶり。
このシリーズ、面白いかもしれません!
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