原子力発電に代わるベースロード電源は風力や太陽光、地熱、潮力などの自然エネルギーなのか
それとも核融合なのか
理科の実験で物質を変化させる「化学反応」は
原子や分子がくっついたり離れたりするものだが
その原子(核)そのものはなんの変化もしない
原発の「核分裂」は原子の核そのものが複数の小さな核に分かれる時に出る強烈なエネルギーを使う
燃料となるウラン235の1㌘は石油1.8トンに相当すると言われる
一方「核融合」は原子の核同士が衝突して合体する時に出るエネルギーで
燃料にする重水素とトリチウムの1㌘は石油8トンに換算される
両方とも「核」のエネルギーを使うのだが、その違いは決定的だ
核分裂は比較的容易に起こすことができ
いったん始まるとその連鎖反応を止めるのが難しいし
猛毒の放射性廃棄物で人間の生活環境が激しく汚染されてしまう
これはチェルノブイリや福島の例を見れば明らかだ
それに対し核融合は、炉の内部を1億度以上に保たなければ
反応がすぐに止まってしまう
ただし、その1億度という途方もない温度にするのが難しい
そしてその温度をずっと保つ為の方法がまた難しい
一昔前までは理論的に考えた装置を、実際に作る技術がなかったのだが
今はもう完成させる見通しがたっている
つづく