僕らはみんな生きている♪

生きているから顔がある。花や葉っぱ、酒の肴と独り呑み、ぼっち飯料理、なんちゃって小説みたいなもの…

プールサイドストーリー…徘徊

2017年10月31日 | ケータイ小説「パトスと…」

イラスト:Samantha French

 

 

 

 

鬼コーチは苦々しい顔で話し出した

 

「あの後な、そっとつけてったんだよ。心配だし」

「雨も降ってましたよね」

 

「小雨だったから濡れてもいいやと思ってさ、いい加減濡れれば止めるかなとも思ったんだけどね」

「そうだったんですかぁ、小雨って言ってもまだ結構降ってましたよ」

 

「そんでさ、風邪でもひかれたら後が困るからさ、一応傘持って追いかけたよ、しょうがねぇから」

「はぁ」

 

「もう帰ろうって言うとな、そこの角曲がるとアタシの生まれた家があるからそこに行くんだって言ってな」

「あるんですか?」

 

「そんなものあるわけない、車で2時間くらいのところにあることはあるけどな」

「そんでどんどん行っちゃうんですか?」

 

「あきれたもんだよ、ほっとけば防災無線のお世話になるってことだな」

「大丈夫でまずは良かったですよ」

 

 

「平はやってるの?」

「はい、蛙じゃないブレストストローク目指してます」

 

「いいね、んじゃまたストリームラインとかだなぁ」

「はい、あと手でかいた後、足を蹴るってやってます」

 

「ほうほう、ストイックだねぇ」

「え、ストイック?」

 

「まじめだねぇって事だよ」

「いやいやそれが全然、前に進まないんですよ、どうしたらいいですか?」

 

「練習練習」笑いながらそう言って鬼コーチは行ってしまった。

 

 

 

つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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