成功は偶然だが失敗は必然である

新しいサービスを始める場合、当然それは上手くいくことを祈ってスタートするわけであるが、もちろん全てのサービスが上手くいくわけではない。理由は様々で、ビジネスモデルとしてそもそも収益構造がなりたたないといった場合もあれば、計画の詰めが甘く予想以上にコスト高になってしまったとか、面白いだろうと思って出したがユーザーからの支持が得られなかったとか、内容は評価されたがそれを利用できる環境が不十分であったとか、ちょっと早すぎたとか…

実際、僕もかれこれ4年前ほど前にブロードバンド向けの様々なサービスを提供するといったポータルサービスに参加したことがあったのだが、これはまさに上記のような要件がテンコモリといった状態で見事失敗。失敗から何を学ぶかが大切なのさ！と開き直ってみてもいいんだけれど、個人はともかく、会社にとってはあまりいい影響は残さなかった。とにかく「何故、失敗したか」を学ぶ以前にそれについて触れることはタブーとされ、新しい大々的な取組みに対してはかなり慎重になってしまった。

「成功は偶発的な要素によって支えられるが、失敗は必然である」

これがその時の経験を経て僕が学んだこと。4年前のそのプロジェクトに参加した段階から、考えれば考えるほど「うまくいかない理由」が明らかであったし、だからこそ事前にどれだけ検討しても検討し尽くすことはないのだと思う。だからこそ考える。様々な角度から、想像力と反駁を繰り返しながら。

今回、検討しているサービスについても決して単純な思い付きではない。もちろん1つのアイデアとして結実するまでには直感的な部分にも支えられているが、同時にその直感は様々な角度からの「検討」や他のサービスの「洞察」などが無意識レベルで結びついた結果なのだ。実際、シュミレーションについては決して楽観的には捉えていないし、ある面での「成功」が今回のサービスの「失敗」に繋がるかもしれないとも考えている。

(ヒト・モノ・カネがなかったとはいえ)複雑な機能を削ぎ落とし、最低限な機能に絞ることでシンプルにそのコンセプトを伝えることに専念し、ユーザーとの距離を縮めることに専念した。まぁ、ネーミングについては僕の考えが伝わらなかったようで、正直、「NG」なのだけれど、かわりに極力目立たないようにもさせた。

とにかく新しいコンセプトでありながら/だからこそ、「あぁ、こういうことね」と一目で伝わることに専念させた。

とりあえず、今は関係者の方に徐々に紹介していっているのだけれど、必要以上に「警戒」している人を別にすれば反応はいい。紹介すると、思わず何か意見を言いたくなってしまうという類のものになっている。

まぁ、もうちょっとしたらもう少しくわしいことも書けると思うので、その時には是非これを見ている人にも感想を聞かせて欲しいと思う。


　「ネーミング」に求められる「センス」とは