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たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

松木沢からオロ山~中倉山周回

2014年06月22日 | 足尾の山
◎2014年6月20日(金)

銅親水公園(5:50)……林道終点(6:25)……6号堰堤(7:35)……ニゴリ沢出合い(8:47)……1650m標高点付近(10:42)……稜線に合流(11:27)……オロ山(12:07)……沢入山(13:12)……中倉山(13:56)……林道(14:50)……銅親水公園(15:36)  ※表記時刻は到着時刻

 土日の天気は安定しないようだ。早々に歩いてみたい尾根があった。松木沢のニゴリ沢手前の対岸から真南に延びる尾根だ。これが庚申山からオロ山に至る稜線に通じている。その前に松木川(沢)の長い渡渉がある。稜線に出てから先、庚申山、塔の峰、オロ山に向かうにしても、周回するには結構な距離がある。時間もかかるだろう。となると、近日中としては、ある程度の天気の安定が期待できる金曜日にやるしかない。休暇をとって出かけることにした。
 この尾根、雪田爺さんの記事で知った尾根である。氏が一か月前に丸石沢を遡行し、途中で入り込んだ尾根である。「標識を見かけた」というのが気になっていた。このことがなかったら、気にもかけない尾根のままでいた。その後、同様に気に留めた足尾のRRさんが一週間後に歩かれていた。こちらは宮之浦岳なんかあったものだから、なかなか予定に組み込めず、さらに先週は袈裟丸山で待機。ようやくというよりも、強引に歩く形である。しかし、ネックは松木沢の遡行。正直のところ、御勘弁願いたいといったところだ。一年前、大ナラキ沢の左岸尾根を歩いた際、もう松木沢は歩きたくないと思っていたのだが…。足尾の山好きには避けて通れぬ沢歩きか。仕方ない。

 さて、松木川の奥の沢、いろいろと名称が入り組んでいる。地形図に表記されている水流のある沢のうち、ニゴリ沢は明白で共通。その手前で南に向かう沢は、なぜか持っている『日本登山大系・東京近郊の山』では「五家ナキ沢」(「後家泣き」になると沢ではなくなる)、『皇海山と足尾山塊』では「丸石沢」、『足尾山塊の沢』には「ゴケナギ沢」とある。また、ニゴリ沢の先で本流が二分し、南西に向かう沢は、参考本順に「丸石沢」「シナノキ沢」「丸石沢」としてある。もう一方の分流(「本流」とする表記もある)の先には、シナノキ沢、東沢、トクサ沢、三四郎沢、皇海沢があって、後ろトクサ以下の三つの沢だけは名称が共通しているようである。
 沢の素人には、名称など関係のないところではあるが、一応、便宜上、ここでは沢の名称を『大系』にしたがって記すことにしよう。もっとも『大系』の沢名表記もおかしなものがあり、「五家ナキ沢」もさることながら、庚申川の先にある「三才沢」を「ミオ沢」としてあったりする。これは校正ミスなのか、また聞きでそうしたのかは知らない。

 遅くとも5時半には歩き出したかった。宵の口には犬のトリマーを予約している。しかし、そう簡単にはいかないもので、岩宿遺跡を左折したり、大型がとろとろ走っていたりと、かなり出遅れてしまった。敢えて記すまでもないが、岩宿遺跡の個室には相変わらずタバコの吸い殻3つのおまじないがあり、外にはALSOKの車が待機していた。ここは年間を通じての同じ風景のようだ。

(どうも雨上がりの夜明けだったみたい)


 ニゴリ沢の出合いまで2時間で歩く方もいるようで、これは例外なのか通常なのかは知らないが、2時間半から3時間を予定している。さすれば、オロ、沢入、中倉を経由して3時過ぎには何とか戻れるのではないかと踏んでいる。車は1台もない。中倉山には雲がかかっている。これが良い方に向かうのであればいいが…。いつか、ここの末端からの岩峰巡りを計画している。じっくりと観察。問題は、看板下の岩場突破と、その先のシカ除けフェンスだろうか。
 歩き出してすぐ看板を見かけた。特設釣り場以外は6月1日から9月14日まで禁漁だそうな。これはラッキー。早いとこ、例の沢を稜線まで出てしまおう。といっても、御法度無視の輩がいるからなぁ。そんなことを気にかけていてはしょうがないけど。
 林道を何も考えずに歩く。今日も暑くなりそうな気配。シカを何頭も見かける。「みちくさ」を通過して林道の終点に着く。そういえば、「みちくさ」のHPに、瀑泉さんのご尊顔がばっちりと出ていたなぁ。何とも、頑強そうな感じでいらした。沢中心でお歩きになれば、顔つきも尾根専門の柔和なイメージとは違ってくるのだろうな。
 崩壊地に入る。あれれ、落書きが消えている。赤ペンキの「丸岩」も「丹平治沢」もなくなった。RRさん、ご苦労さま。大変でしたでしょう。心無いハイカーの深慮なしの行動にはあきれ返るばかりだ。RRさんのお仕事が徒労に終わらなければいいのだが。そのRRさんの、本日予定の尾根に残された記録もまた、見るのが楽しみなところだ。必ずあるだろう。

(ウメコバ沢出合い)

(ここで沢靴にチェンジ。奥に6号堰堤が見えている)


 昨夜は雨が降ったようだ。土がぬかるみ、ヤブを通過すると、ズボンの裾はすぐにぐっしょりとなった。ウメコバ沢出合いを通過。すぐに6号堰堤が見え出した。目の前を沢が流れている。この辺で躊躇していてもしかたがない。いずれ、堰堤の前では水をかぶらないといけない。沢靴に履き替える。いつものように手間取った。すでに水を吸った山靴は重くなっていて、入れ込んだザックが重くなる。不思議なもので、沢靴に履き替えると、なぜか行動も大胆になる。何せ、滑りを気にかけずともいい。それでいて、前回のヒライデ沢は小心者だったけど。

(6号堰堤)

(小足沢入口の滝)


 放置重機を右に見て6号堰堤。左右いずれからでも越えられるようだが、ここは、慣れた右から上がる。沢床に下りると、沢は狭まり、峡谷の様相が出てくる。三沢を過ぎて小足沢。せっかくだから、滝見をする。奥の大滝なんざ自分には縁のない滝だから、入口の滝で十分。清涼かつ激しい流れ。手前の淀みは深い。あの滝に取り付くには、泳がないとダメだろうな。水深がかなりある。左右ともにほぼ垂直の岩になっている。巻けやしないだろう。右岸尾根の末端はどうなっているのだろうか。はい、無理。さっさと行きましょう。
 上流に向かうに連れて渓谷は荒れてくる。迂回も意味が大してなく、一か所巻いたところはあったが、水に入ったり、出たりの繰り返し。水深はほぼ膝程度。水温も冷たくはない。ただ、岸を歩いていて、その先がなくなり、否応なく深いところを渡らなければならなくなり、そこは水深も腰を越え、ヘソに至った。ズボンの裾をたくし上げてはいたが、これで下半身は水没した。

(ようやく皇海山が見えてきた)

(以前、ここから大ナラキ沢左岸尾根に向かった)

(スダレ状の滝)

(ここは右側を軽くシャワー)

(ネットでよく見かける。ここは右を高巻き)


 沢がカーブして、正面にご本尊が見えてきた。皇海山。これが今日の見納めにならなきゃいいが。空の色は白味の多い薄いブルー。やがて右手に石垣が見える。大ナラキ沢左岸尾根を歩いた時はここから入った。左岸から小沢が入り込み、その先でスダレ状の滝が流れている。この辺はまだ記憶に新しい。どでかい丸岩が回廊を立ち塞ぐ。ここは脇を通って水しぶきをかぶる。深い淀みに出くわし、ここは左岸を高く回り込む。そろそろだ。この辺にあったペンキも消されている。ナメの沢床も出てきて、素人なりに楽しませていただく。

(ゴケナギ沢出合い)

(ニゴリ小屋はこの辺から入るのだろうが…)

(ニゴリ沢出合いまで来てしまった。戻る)


 左手に赤いブリキマークを見つけた。まさか、ここからニゴリ小屋に入るのではあるまい。早過ぎる。左からゴケナギ沢が入り、つい身構えてしまった。目を皿にして、ニゴリ小屋への踏み跡を探しまくったが、どうもそんな感じのところが出て来ない(雪田爺さんには「右岸の沢型を辿る」とアドバイスをいただいていたが)。右岸の平たいところにケルンがいくつか積まれたところはあったが、その奥にもそれらしき踏み跡も沢型もなし。とうとう、ニゴリ沢出合いまで来てしまった。こうなったら、7年前に故あって置き去りにした地下足袋を回収しようかと思いもしたが、どうせないだろうということにして、これは即忘却。そう、ここに来るのは7年ぶりなのである。それ以前のかなり昔の話ではあるが、この辺でニゴリ小屋を見た記憶がある。それがペットボトル製の小屋に新装なったという話はネットで見聞きしている。ぜひ見たかった。またケルンのあったところまで戻る。

(ここから適当に上がってみる)

(小屋はもしかしてここか?と思ったが、なかった。テン場にはいいかも)


 もう仕方がない。未踏尾根に神経を集中しよう。登山靴と靴下を履き替えて出発。踏み跡のようなものを見つけて上に上がる。水気を含んで、なかなかすんなりと進まない。右手に白砂の平地があった。あるいは、小屋はここかと行ってみたが、皇海山が正面に見えるだけのところ。左側もしっかりと確認した。もうあきらめよう。雪田爺さんは小屋のご常連らしいが、すんなりと行けるところが不思議でもある。

(薄暗い感じの尾根だったが、次第に明るくなっていい気分)

(たまにこんなシャクナゲヤブも)

(こんなところも数か所ありだ)


 尾根は、上に行くに連れ、雑木が少なくなって明るくなった。やがてシャクナゲ。前半はシャクナゲ街道といった様相だ。花は散った後か、見ることはなかった。さほど、歩行のじゃまにはならない。正面にあっても、軽く越えられる。右に皇海山が再び顔を出す。なかなかいい尾根だ。そして鋸山。振り向けば、釜五峰も間近。しかし、如何せん急だ。息が上がる。汗がボタボタ。砂地はズルズル。
 ザレやらガレたところが出てくる。そんなに危険なところではないが、キレた左側に気を遣う。ふとここで足跡を目にする。数日前のものと思われる。自分とほぼ歩幅がいっしょ。RRさんのお歩きから一か月経っている。RRさんではないだろう。こんなところを歩く奇特な方もいるものだ。砂地になると散発的に見かける。この尾根、雪田爺さん記事以来、やけに人口密度が高くなったんじゃないのか。

(オロ山北尾根。こちらから。手前はゴケナギ沢に挟まれた尾根)

(釜五峰やら三俣山もしっかりと見えるんだよね)


 ガレの先にピークが見える。まさかあそこが1650m標高点ではあるまい。地形図を確認する。右手から尾根が入り込んでいるから、1350m付近かもしれない。左にゴケナギ沢の左右股から派生する尾根が稜線に向かい、その向こうに、オロ山北の尾根。ここから眺める限りは、ただのなだらかな尾根。右に目を転ずると、丸石沢の左岸尾根。ここはかなりガレている。休憩がてら、ケルンを積んでみる。かなり不細工な仕上がり。

(ついにRRさんの先日の痕跡。結構、デカ)

(こちらは丸石沢の左岸尾根。手前の沢を雪田爺さんが歩かれた)

(こう見えてもズルズルで急なんですがね)

(そして、2号ケルンがこれ)

(ここは本日コースのハイライトかも)

(瀑泉さん、早く来て、いい写真撮ってくださいな)

(なぜかこんなものが)


 ちょい先にありました。RRさんの1号ケルン。上の尖った石のくちばしは皇海山に向けている。作者のこだわりなんだろうな。裸地のガレが続く。もうオロ山と庚申山をつなぐ稜線は見えている。ズルズルと滑りながら出た先は低いササの草地。これまたいい感じ。そして2号ケルン。白い石だけで固めているが、周囲に石はない。脇のガレ場まで下って持って来たのでしょうな。御苦労なこってす。ここのロケーションはいい。釜五峰、三俣山もさっきよりも明瞭に見えてきた。でも、やはり皇海山だねぇ。遮るものなしの正面だ。この尾根の圧巻はここかも。さて、ここでおかしなモノを目にする。鍋のフタ。見たのはこれだけ。その昔、この草地で、ハイカーなり作業の方々が皇海山を眺めながら食事を楽しんだのだろうか。ここは、地形図いえば、1650mの手前の平地のようだ。

(1650m標高点も近いか)

(1650m標高点付近。このあたりから一気に風景も悪くなる)

(鞍部に下る)

(ガスが出てきて、ちょっとやばそうだ)


 シャクナゲヤブを突破すると、針の山のようなピークが現れた。あれがもしかすると1650mか。いや、その前衛峰らしい。岩峰じゃないか。ここで撤退かよと思ったが、木がしっかりと生えていて、つかまって登れる。ただ、木は密で、くぐり抜けるにしても、ザックがひっかかってやっかいだ。1650m付近を通過。明瞭なポイントではない。この辺で、RRさんは電線を見かけたということだったが、自分には気づかなかった。
 この先は正直のところ面白くない。コメツガの中の歩きになり、展望は消える。せいぜい1650m先の鞍部周辺の草地は雰囲気はいい。ちらっと皇海山が見えた。あれっ、これまずいよ。皇海山の頭に雲がかかっている。そして、これまで無風だったのに風が出てきた。春ゼミの鳴きがピタッと止んだのも気になる。せめて、オロ山までは無傷でいたいものだと思っているのだが。急ぎ足になってもタカが知れている。すぐにゼーゼーとなる。身体に合わせて歩くしかない。雨が降り出したら、オロ山ではなく無難に庚申山に向かうしかあるまいな。

(まずはこれ)

(続いてこれ)


 1700m付近でプレートを確認。忽然と出てきた。黄色の地に赤の矢印<⇔>。矢印の方向は稜線と松木沢を向いている。誤ってこの尾根に入り込んだハイカー向けのものだとしたら、矢印は稜線に向かう一方向だけだろう。松木沢に下るのは厳しい。その50mほど上にもプレートがあり、これも矢印は両方向。作業用だろうか。もしくは、ニゴリ小屋からのルートがあったのだろうか。周辺を見回したが、踏み跡を含めて痕跡は見あたらない。何とも不思議なプレートだ。

(トラバースをしかける)

(オロ山が見えましたねぇ)

(登って来た尾根)


 さて、このままコメツガの中を登っても仕方あるまい。50mほどの標高差が耐えられなくなってきた。そろそろトラバースをかけるか。目標は1745mポイントの稜線鞍部。もう散々上がって来た後だ。トラバースといっても大した距離でもなく、すぐに正面にガレ場が見えた。ゴケナギ沢の右股が突き上げたところだろう。これまたズルズルさせて稜線に出た。明瞭な踏み跡が目についた。ほっとした。
 登って来た尾根が見えた。コブが2つ。手前が1650mで、その先は草地の展望地のようだった。その先は急斜面になっていて、ここからでは尾根の具合が確認できない。腰を掛けてしばらく休んだ。皇海山の頭にはまだ雲がある。しばらくは大丈夫だろうか。だが、風がどうも気になる。予定どおり、中倉尾根を下ろう。

(オロ山に向かう)


 オロ山に向けて出発。広い尾根。どこを歩いてもいいのだが、踏み跡を辿ると、突然消えたりする。この辺の雰囲気は好きだが、ゆっくりはしていられない。皇海山の頭がまた出てきた。良かったと思っていたら、突然降りだした。ガスがかかったらやばいな。ここはともかく、オロ山から沢入山に行くあたりで迷うかもしれない。現に、晴れていても塔の峰に向かって下った御仁がいらっしゃる。コンパスをセットする。
 しばらく停滞して様子見としたが、雨はやみそうにない。合羽の上を着て、ザックからすべて中身を出して、防水袋に入れた。ザックカバーはあまり使いたくない。出発。視界は悪くならずにオロ山に到着。と、雨は上がった。合羽を着ていても蒸して暑いだけだからと脱ぐ。ぼちぼち疲れが出てきたようだ。足が思うように上がらず、痙攣の兆しも出始めた。あの尾根登りが響いたのかも。

(言わずと知れたオロ山山頂)


 オロ山の山頂には、明大ウォーキング以外に真新しい山名板があった。随分と目立つ山名板だ。歴史と存在感のある明大ウォーキング板だけで十分だろうにとも思う。同じ方の手による山名板が沢入山にもあった。中倉山の「登山口」標識(まだ見てはいないが)、「前山」の山名板(これは消えた)、飛ばされたらしい新たな中倉山の山名板、ここのところ、足尾の山も目印テープを含めて賑やかになった。そのうち、塔の峰にも山名板が複数現れるのも時間の問題だろう。これ以上のことは言うまい。

(オロ山方面を振り返った時のだったかなぁ?)

(塔の峰。そのうち、針金交換にまいります)

(沢入山方面。ガスに巻かれなきゃいいが)


 下る。目印テープが随分と増えた。踏み跡は明瞭なんだけど。10年前にここに来た時はこれほどに無かった。テープを探しながら登った記憶もある。それほど、このオロ山もポピュラーな山になったということだろうが、山をこうやって汚すのもどんなものだろうか。せっかくの素晴らしい展望が待っているというのにねぇ。グチが出た。
 続いて沢入山。鞍部周辺は雪田爺さんではないが迷いやすいかも知れない。まだ中倉尾根の先のピークが見えているからいいものの、見えなかったら方向感覚もおかしくなる。

(また振り返る)

(こちらからのオロ北。気になってしょうがない)


 まだかまだかと、ニセ沢入山が続く。オロ山を振り返ると、北尾根はなかなかの存在感。今回、ついでに立ち寄る気分がなくもなかったが、いざ歩いて疲れ出すと、そんな気持ちは消えてしまう。今回もまた見るだけ尾根になってしまった。庚申山経由で来れば、余裕で往復が可能かも。松木川から登れる自信はまったくない。

(まだかまだかでようやく沢入山)


 どんどん蒸し暑くなり、松木川に落ち込むザレ場も真下になる。丹平治沢の谷間もよく見える。大滝はどの辺だろうか。よく見えない。瀑泉さんのルートをシュミレーションしておきたかった。ズームでアップしてみる。なるほど、なるほど。それにしても、あの右岸尾根、よくも歩いたものだと我ながら感心する。右手に塔の峰がはっきりと見えてくる。
 沢入山で大休止。ここまで、ちょくちょくと菓子パンやらどら焼きを食べてきたが、ここではおにぎり。ここまで来れば、この先また降りだしても大丈夫だろう。気まぐれのポツリポツリは止まないままだ。陽があたると一気に暑くなる。

(例の)

(中倉山)

(中倉山山頂)


 シンボルツリーを見て、やっとこさの中倉山。濡れた石の上で大の字になった。何とかここまで大雨にあたらずに来られた。感謝、感謝。何に? 特になし。日頃の行いは芳しくもないしねぇ。強いて言えば、出がけに銅親水公園の片隅にある地蔵さんに手を合わせたことくらいかなぁ。ここからは土砂降りになっても林道に下れるだろう。遠くに臨む県境尾根のシルエット。天気も回復したのか、皇海山、オロ山も見えている。よっこらしょっと、山頂でセルフ撮影。再生するとくたびれジジイの顔になっている。

(一般道を下る)


 予定では井戸沢右岸尾根下りの予定であったが、気づくと、そのまま、普通コースを下っていた。意識が別のところにあった。足の痙攣は何とか小康状態を保てたが、ちょっとした登りにかかると、ふくらはぎが攣った。悪いことに、尾根を外れると、水気を含んだ土で滑りまくり。3回は尻もちをついた。そーっと下るため、やたらと時間がかかった。
 林道に出てほっとしたはいいが、林道を歩きながら、井戸沢右岸尾根を下れば良かったとすぐに後悔。えらく長く感じた。ちなみに、入口の登山口標識は見あたらなかった。だれかが撤去したのか、風で飛ばされたのだろうか。

(顔を洗って。上流にはクマがいるらしいので落ち着かない)


 井戸沢で顔を洗う。ついでに沢水も飲んでしまった。ゴクゴクはさすがにためらってしまう。ほんの一口。あぁ甘露、甘露でもないか。林道に降りた途端に雨のあたりが多くなっていた。もう今さらいいやといった感じ。導水管橋も渡らずに遠回り。岩峰巡りに際して、導水管橋の付け根から迂回して尾根に上がったというレポを見ていて、様子見だけはしておこうと思ったが、やはり末端から歩いてみよう。ダメなら回ればいいやと、見るのは敢えてやめにした。

(中倉山は消えてしまった)


 駐車場に到着。出がけと同じで、車は自分のだけ。今日は、だれも歩かなかったみたい。途中、そろそろ本降りかなと思ったが、結局、この状態でお終いであった。お地蔵さん、今日はありがとうございました。

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18 コメント

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松木沢-オロ-中倉周回 (みー猫)
2014-06-22 17:48:15
こんにちわ。
そろそろかなあと思っておりましたが、金曜日でしたか。日の長い今の時期はチャンスですからね。どうも尾根取り付きがうまく想像できませんので、何度か練習してから、いつかプレートを見に行ってみたいと思います。険しそうなところもありそうですし・・・。今は達成感にご満足のことと思いますが、今回も次の予告が入っているあたりが自分とは違います。たそがれさんのフォロワーが足尾に殺到しないと良いですけど(笑)・・・話は違いますが、コメントの入力画面で上に人気記事の「大腸内視・・・」がいつも気になるのは自分だけでしょうか(笑)
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みー猫さん (たそがれオヤジ)
2014-06-22 19:02:05
みー猫さん、早速、ありがとうございます。
みー猫さんにとっては大した労苦はないと思いますよ。練習する必要もないでしょう。
ただ問題は、松木沢の渡渉でしょうか。あれ、夏場にやったらウンザリものですよ。その辺の楽しい沢歩きとは違いますからね。
あっ、それから、険しいところはありません。片側が切れているだけのことですから。反対側はヤセ気味といった程度ですよ。
次の予告ですか。あれはあくまでも「いずれ」ですから念のため。現に、今日あたりは赤城山で退散しておりましたから。

大腸内視鏡の記事の件、私も気になっているのですよ。やはり、気になる方が多いからなのでしょうね。第二弾を出さないといけないですかね。その予定は今のところないのですけど。
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ニゴリ小屋 (雪田爺)
2014-06-22 20:47:45
こんばんは、皆さん行動が早いです.お疲れ様でした.
小屋はみつけられませんでしたか、、位置が判ってしまえば簡単なんすけどね.思うに、あの砂地からもう少し西よりになるのではないかと思われます.
左(右岸)から水が流れ落ちてる所がポイントなのですが、最近リボンがつけられているらしいと仲間からの情報もありました(私はまだ未確認).
左が切れ落ちている所を登ったということは、地図上で尾根が合流する地形のゴケナギ沢沿いを登られたのでしょうか?
松木から尾根形を忠実に登って行くと小屋は多分スルーしてしまうかも知れません.沢(水は結構流れている)といっても、地図には表れてませんから、段丘っぽい所を探すのはそれだけの目的で行くのであれば別ですが、尾根を登って周回する時間を考えるとゆっくり探す事も出来ませんね.
皇海山は、やはり遠くから見る山ですね.塔ノ峰からもしかり、松木沢から見るのもしかり・・・です.
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雪田爺さん (たそがれオヤジ)
2014-06-22 21:34:30
雪田爺さん、こんばんは。
今回のルート、いろいろヒントやらアドバイスありがとうございました。おかげさまで、お気に入りの皇海山を眺めながらの歩きを楽しめました。
確かに、私にとっても、皇海山は遠くから眺める山でして、4回ほど山頂に立ちましたが、もう行くことはないような気がします。
雪田爺さんのご指摘のように、私は、対岸の1236m標高点の真南から登りました。なるほど、小屋は西寄りですか。西側には、あの砂地から先には行きませんでした。むしろ、東側が気になって、ゴケナギ沢沿いに探したくらいです。
リボンの件も、ネットで確認していたし、水がチョロチョロというのもまた頭にはありましたけどね。むしろ、ニゴリ沢寄りだったということなのですね。
またしてもありがとうございます。
この辺の奥地の尾根、他にも気になっているところがあります。松木沢が避けて通れぬ以上、ニゴリ小屋にやっかいになることもあるでしょう。改めて探索してみることにいたします。
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Unknown (でん)
2014-06-23 00:23:26
このところ渡良瀬川の水量も多いので、当然ながら上流部も・・と思ってました。
この季節でも行くんですね~(@_@)
私は濡れていくのはゴメンです(笑)
オロ山~沢入山、濡れた地面で道もハッキリ見えるところをみると歩く人も増えたことがわかりますね。
井戸沢上流部には熊がいるんですか。
足尾の山にも熊が生息できるようになったということですね。
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でんさん (たそがれオヤジ)
2014-06-23 05:37:15
でんさん、こんにちは。
松木川の水量は多いとは感じませんでしたね。いつも並みといったところでしょうか。
ただ、草木ダムでは放水してましたね。
水の中に入るのは、私の場合、子供の水浴びの感覚といったものに近いかと思います。
井戸沢上流のクマについては、足尾のRRさんの目撃情報がありまして、複数の生息が確認されているようですよ。この辺の沢を歩く際には気をつけないと。沢では鈴の音も消えてしまいますしね。
ついでながら、私、巣神山の下の沢でクマを見ております。あの辺は尾根にも現れますから要注意です。
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相変わらず・・・ (瀑泉)
2014-06-23 12:56:27
のレポのアップの早さに舌を巻いておりますですヨ。
「みちくさ」の画像,頑強そうでしたかネ。いかんせん,ヘルメット&手ぬぐいで,せめてブラシでも持ってれば良かったんですが,髪があらぬ方向にぶっ飛んでいて,ただの間抜け顔になってしまいましたが。。。。

それにしても,いつもながらにお早い歩きですネ。ニゴリ沢出会いまで,寄り道込みで3時間弱,トータルでも10時間弱ですか(汗)。とても真似できませんヨ。
ところで,情報ありがとうございました。ニゴリ小屋も気になるし,矢印も気になるので,いただいた情報と今回の記事をじっくり付け合せて,いずれ後追いさせていただくといたしますネ。
とはいえ,まだ,松木川の奥地に足を踏み入れたことも有りませんしネ。小心者の自分としては,まずは,少し時間をかけて,偵察を重ねてからということになりそうですが。。。
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Unknown (ふ~てん)
2014-06-23 13:12:46
たそがれオヤジさんこんにちは。
オロ周辺を歩いていていつも気になっていた尾根です。
1650Pの北側の急斜面が気になっていましたが、あまり悪くもなさそうですね。
その手前2号ケルンの台地、想像どおりの楽園のようですね。
渡渉はあまり好きではないので、水量の少なくなる晩秋にでも後追いさせていただきます。
大変参考になります。

オロと沢入山の新しい山名板はいただけませんね。


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瀑泉さん (たそがれオヤジ)
2014-06-23 17:42:05
瀑泉さん、こんにちは。
みちくさ画像、いやいや、なかなかの凛々しきお姿と拝見いたしましたよ。
この記事を見られた方も、早速、みちくさブログに寄り道しているのではないでしょうか。
瀑泉さんは足尾の奥の部、まだでしたか。せめて、定番のもみじ尾根から皇海山くらいは経験しておきませんとね。歩く価値があるかどうかは別問題としてですが。
やはり、矢印はどなたも気になりますよね。あんな人気もなさそうな尾根ですしね。きっと何かがあった痕跡ではあるかと思っていますけど。
早めのお歩き、お待ちしております。
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ふ~てんさん (たそがれオヤジ)
2014-06-23 17:50:57
ふ~てんさん、こんにちは。
やはり、ふ~てんさんも、あの尾根に目を付けられていましたか。さすがですね。私なんざ、他人様のレポを読んでの行動ですからね。
松木の沢水、今のところ濡れずに行くのは無理です。長靴であっても濡れます。確かに秋から冬にかけてなら水害にも遭わないでしょう。
1650mP下は確かに急ですが、四つん這いになるほどの急なものでもなく、たまたま雨上がりで滑っただけのことです。乾いていれば、特別な難はありません。
また、ガレやザレの通過にも手間取ることはありません。その点では、ふ~てんさんには物足りないかも知れませんよ。
この尾根、ハイライトはやはり2号ケルン台地です。典型的な低い草地です。少なくとも私にはいい感じで、まったりとしたいところでした。お薦めスポットかと。
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