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◎2010年3月22日(日)
一か月前のことになるが、ぶなじろうさんが古峰ヶ原にある「三枚石」に行かれたブログ(http://blogs.yahoo.co.jp/waikazu/31205145.html)を拝見し、三枚石は見たことがなかったので、すぐに翌週行ってみた。ところが、天気は雨からみぞれに変わり、とても、歩けるような状態ではなかった。古峰神社の駐車場まで行って、残念ながらUターンしてきた。以来、三枚石のことは気になっていた。とても人気のスポットらしく、雪が融ければ、峠に車を乗り入れたハイカーもわんさと入り込むようだ。今日は天気も良く、ハイキングがてらに行ってみた。どうせ行くのなら、三枚石新道からの方がおもしろいんじゃないかと、「オッサンの山旅」ルート(http://www.sky.sannet.ne.jp/njn95685/yokoneyama2.htm)を参照にさせていただいた。「参照にする」とは聞こえはいいが、ほとんど丸写しのルートを歩くつもりでいた。せっかくだからと、横根山まで欲張るのはいいが、果たして行けるかどうかは現地での気分、体力次第。ここには、逃げ道がたくさんある。以前から、都沢林道周辺の尾根を歩いてみたかったのだが、今日は、その後下ってから辿るルートの下見も兼ねている。
(三枚石新道の上り)
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(振り返ると地蔵岳と男体山)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/41/6007027f617db0e3b8495567448352e2.jpg)
雪解けの時期に合わせ、今回もゴム長。使うかどうかも分からないアイゼンを持って荷物を重くしたくはない。まして厳冬期でもない。スパイク付きで十分。ゴム長も年間を通じて便利なものではなく、この時期限定だから、今季はこれが最後だろう。念のため、ワカンと杖2本をザックに結わえる。古峰神社の駐車場から7時40分に出発。駐車場に車はない。上に向かって、すぐ左手に「三枚石新道入口」の案内板。「健脚者に限る」と記されている。歩いてみた結果としては、確かに傾斜が強くて長いが、健脚でないと歩けないわけではない。この程度の上り坂なら、どこにでもあるだろう。薄暗い印象を抱いていたが、この時期だからか、意外に明るい雑木林風情の登りで、高度を上げるに連れて、後ろ・北方面に、地蔵岳しか見えなかったのが、男体山、大真名、女峰山が徐々に見えてくるといった、それなりのお返しにありつけるルートだ。大きな石がゴロゴロしはじめる。
(大岩で休憩)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/92/80c2b9506001460ff627d5c9eb96c097.jpg)
(山頂下で北寄りに歩いてしまった)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/29/7aa68c40f14b49a4a0309c73fc549c3c.jpg)
歩き始めから1時間、正面に大きな岩が立ちはだかる。最初、これが「五枚石」かなと思ってしまったが、五枚にはなっていないので、ただの大岩といったところか。しばらく休憩。木々が邪魔をして、すっきりした展望はずっと望めない。ここの標高は1,140mくらい。ちょうど、古峰ヶ原峠の高さだろう。この大岩の前後でしばらくはなだらかだったが、また傾斜が強くなる。残雪が出てくる。そして緩やかになる。雪は締まっていて歩きやすい。ザクザクと心地よい音を立てる。踏み抜くこともない。だれかの付けたテープに導かれて、本来よりもやや北寄りに歩いてしまった。気づいて修正歩きをしたものの、その間にあったはずの五枚石は残念ながら見られず仕舞いだった。大きな岩が目立つようになる。行者平の風景に似ている。
(三枚石)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/b1/ff796c6d948eeb69052cb3536fa60e30.jpg)
9時15分、三枚石到着。駐車場から1時間35分。周辺に雪はもうない。だれもいない。それをいいことに、石の上に乗ってみた。ぶなじろうさんはここで皇海山を確認したようだが、自分には見えなかった。ぶなじろうさんは長身らしいから、背の低いオレには無理か。男体山周辺だけ。写真を撮るにしても枝が邪魔になる。石に寄りかかるように置かれた物置風の社殿の中に、いわゆるご神体があるようだ。覗いて、写真に収める。「秘密めいた」というよりも、見方に寄ってはいやらしい画像になってしまった。「秘密めいた」というと、最近になって、金精神社のご神体のいわれを知った。現物を見たことはあるが、まさか道鏡に由来しているとは思わなかった。眉唾っぽい逸話ではある。金精峠越えするまでは荷物にもならなかったのか。朝廷の地からそこまで、峠越えは無数にあったろう。それはともかく、時代的に重なる勝道上人と道鏡、同じ下野国で顔合わせがあったとしても不思議ではないと思うが。
(金剛水)
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(気になる赤ペンキの道)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/e4/a6071c8cf8ddaea62403cdb326f75a9d.jpg)
方塞山に向かう。踏み跡がかなりある。そのまま固まっているため、ゴム長がトレースにひっかかり、すこぶる歩きにくい。すぐに「金剛水」の標示。行ってみる。ちょっとした井戸風。水は下の「フタ」と記された石を除けるようになっている。コンコンと湧き出している様子を想像したが、ただの水溜りでしかなかった。水源がまだ凍っているということか。柄杓が置いてあったから、飲めるのだろう。ちょっとやめておく。先も長い。ルートに復帰。つつじ平。これからきれいになるところなのだろうな。右手にちょっと気になる赤ペンキ。北に向かって木にずっと塗りたくられている。
(方塞山)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/e7/7521cef498a6496dcce60929f3da9ab5.jpg)
9時55分、方塞山到着。三枚石からはちょっと下って、ちょっと上って、下るといったところ。山名標示がどこにあるのか探し回り、電波施設に行ってみる。ここにも裏手の木に赤ペンキが続いている。雪がかぶって明白には分からないが、道型があるようだ。おそらく、さっきのペンキ帯に合流しているのだろう。すぐそこを車道が通っている以上、作業道とは考えにくい。車道が出来る前の作業道だとすればそれまでだが、方向的に巴の宿に向かっているような気がする。帰りに歩いてみようかなと迷った。ただ、期待外れの可能性が高いし、都沢林道周辺も確認しておきたいしなぁ。
(横根山に向かう)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/2f/1dc8f3cc6345f87014618ef03edd2ddb.jpg)
(男体山から女峰山)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/00/4d89dd91f42544b5d0294977ce7c6492.jpg)
ここからいやらしい鉄条網がずっと続いている。何とかロッジの施設も、視界の妨げになり、写真を撮っても、牧場を含めてどこかがひっかかる。残雪に残る足跡は1/3になる。方塞山から戻る人が多いようだ。伸びている車道を一か所渡って、横根山に取り付く。気温も上がり、雪もぬかり、ゴム長に泥が付くようになった。眺望が広がってくる。さっきから気になる山がある。袈裟丸の右側に、三角形の山が鎮座している。独立峰のようで、標高もかなりある。あんな山に記憶はないな。皇海山にしては、形が違うようだ、尾瀬の笠が岳にしては大きい。日光白根山も見える。それにしても、好きな袈裟丸連峰があんなにゴツゴツと見えるのは素晴らしい。
(横根山)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/d9/a37109f3c2ab477b065caad2fd66c8ad.jpg)
特別な苦もなく横根山。10時50分。三枚石からここまで、体力が滅入るほどのアップダウンはなかった。景色もよく、時間があれば、ハイキングコースとしては最高かも。この横根山、はるか以前に来たことはある。かすかな記憶がよみがえる。どこから歩いたか忘れた。粕尾峠からだったような気もする。東屋はもっと新しかったかな。いや、まだなかったかな。ここからの展望もいいが、鎌があれば、そこいらの木立ちを刈り払いたいところだ。ここで昼食にする。オッサンさんの紀行では、梅雨時期のせいもあったのだろう、陰気くさい雰囲気にさっさと退散したようだ。ガスが立ち込めていたら、確かにそんな雰囲気が出てくるかもしれない。ふさがれた南東方向から、いきなり何が出て来るか分からないような不気味さがある。
(井戸湿原)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/27/278fa346d2857443a71d6ada0f167751.jpg)
ここまで来たからには、井戸湿原に寄り道といこう。下る。もう、ここから先は、1人分の足跡しかなくなった。横根山中継局を通り、また東屋。「熊注意」の看板。ここから注意標示が目に付くようになる。目撃談が多いのだろう。何とかロッジのせいじゃないかなと思ったりして。食事宿泊有りのようだし。「五段の滝400m」の標示があった。寄ってみたいところだが、ここまで来てしまったからには、帰りの時間が気になる。我慢しよう。鹿除けフェンスを外す。湿原への鹿の進入除けということだろうね。11時15分、井戸湿原。木道がかかり、ちょっとしたミニミニ尾瀬ヶ原。正直のところ湿原の感じはしない。春にはどんな風景になるのか興味はあるが、訪れることはないだろう。ザックを背負って歩くには違和感のある景勝地になるようだ。
(仏岩)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/5d/e236a20daa106bfaa9ad7afc0c9d8730.jpg)
(象の鼻)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/95/412a912473423da9e817ee3236002859.jpg)
(皇海山)
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(白根山)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/a6/3be5d1a905e002384bbfb18bebba8f99.jpg)
やはり疲労だろうか、象の鼻に出るまでの上りが応えるようになった。また鹿除けフェンス。こちらは開放状態になっている。これじゃ、何頭の鹿が中に入り込んだかわかったものじゃない。紐をきつくしてしばる。11時40分、仏岩。由緒板があったが、説明が釈然としない。「ここで修行した」とは書かれていない。傍らに小さな祠はあるが。この先の象の鼻と同様、周辺は奇岩が多く、無理に仏岩と称して、修行場所の雰囲気にしてしまった感はぬぐえない。11時45分、象の鼻。この大きな岩もおもしろいが、ここからの展望は最高だ。赤城山から高原山にかけて270度か。錫ケ岳も見える。展望板には富士山も記されていたが、残念ながら目を凝らしても見えなかった。気になっていた、あの三角形の山、まさかとは思っていたが、皇海山だった。ここから見ると、ああいうふうにピラミダルな姿に見えるんだ。感心した。それにしても急峻な姿。しかしなあ、最高の展望だけど、展望台の下に広がる放牧場とロッジはすこぶる興ざめにしてくれるよなぁ。
(帰路に着く)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/1f/d7be05451b2c978f829286ae2d5fc79d.jpg)
雪の上には、もう足跡がなくなっていた。ロッジも休業中。だれもいない。ここから車道をずっと歩くのもしゃくだからと、「発光路」と記された方面に行ってみた。粟野町に下るのは知っていたが、途中から分岐するのではないかと期待した。ところが、この道は廃れかけ、荒れている。さらにどんどんロッジ方面から離れていく。これではダメだなと戻り、途中から、鉄条網を乗り越えて牧場に入り、また乗り越えて車道に戻った。牧場内はどろどろで歩きづらかった。ゴム長で良かった。さてこれからどうしよう。方塞山に戻って、あの気になる赤ペンキを追ってもいいのだけどな。車道から登り返しをしても100mにも満たない。ただ、赤ペンキを追って、途中で迷ったり、引き返す形になったらどうしようもない。まだ雪もある。このまま歩いて行って、当初の予定通りに、都沢林道周辺を確認した方がいいのじゃないのかな。
(立派な県道)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/8d/f0df47c42cb14406a17041729f169d99.jpg)
やがて車道は砂利道からアスファルトに変わる。けたたましいバイク音が近づいて12時50分、県道<草久・足尾線>に合流。これまで歩いて来た車道は通行止めになっている。新しい広い道。しばらく下っていくと、林道っぽい道が分岐している。雪に覆われている。どこに行く林道だろうか、地図を見ても記載されていない。気にせずに下る。そのうち、地形図に記された道路のカーブの形状具合が、現物と違うことに気づいた。もしかして、間違った道を下っているのでは?と、瞬間、「またかよ」と思ってしまった。ここのところ、立て続けにミスをおかしている。どうしよう。ちょっと下ると確かに<草久・足尾線>の看板。疑心暗鬼の足取り。右手に閉鎖された林道。雪が深い。これかなぁ。入ってみて歩いた。カーブして戻っている。ということは、さっき見かけた林道から続いている道か。林道どころか、県道の旧道だったわけだ。あのカーブはまさに地形図のカーブだった。持参の地形図は古いままだ。それにしてもいい道だ。主要県道でもないのにこの整備。観光道路をどこまで延ばすつもりでいるのか。
(都沢林道入口)
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13時20分、都沢林道の出会い。林道そのものは通行止めになっているが、ふれあいの道になっているようだ。通洞駅まで7.6km。林道区間は5km程度だろう。巴の宿にあった「通洞駅」方面の標示は、この都沢林道につながって、足尾に下っているのか。「修験行者のみち」となってはいるが、林道に名残があるとは思えない。いずれにせよ、この周辺の尾根をいくつか探索してみるためにも、都沢林道のことはよく知っておきたい。車道を古峰ヶ原峠方面に少し歩いて、右に巴の宿の案内板があった。
(巴の宿)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/d3/2937f3bc4916a3cf77553a4deec6b275.jpg)
ハイキングコースに入り、すぐに巴の宿。13時30分。雪が少し残っている。ロウソクに火を灯そうと思ったら、芯が出ていない。残念。ナイフで周りをカットしようかとまで思ったが、そこまでの信心深さはない。13時50分、高原の峠。車が4台。人の姿は見えないから、三枚石を歩いているのか。休まずにそのまま下る。
(三枚石新道入口)
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このハイキングコース、慣れてくると、あまり面白みを感じないのが正直のところ。だらだらと上の空で歩いていたら、へつり地蔵に気づかぬまま通り過ぎ、車道に出てしまった。途中、ショートカットを繰り返しながら駐車場に到着。14時30分。さっきから、パーン、パーンと乾いた音が響いてくる。あれは隣接する射撃場から聞こえてくるのだろうか。きつかったのは三枚石新道の登りだけだが、7時間近く歩き、それなりに疲れた。歩数計も30,000歩オーバーになっていた。ワカンと杖はザックに結わえたままで使うこともなかった。やはりゴム長は始末が悪い。中に入っていたズボンの裾と靴下がぐっしょりと濡れていた。今日はだれにも会わなかった。県道を走っていた車4台と行き交っただけ。そんなことを思っていたら、ジイサンが疲れた顔をして隣の車に戻って来た。どこに行ってきたのか。帰りの東北道は、予想通りに渋滞になっていた。
一か月前のことになるが、ぶなじろうさんが古峰ヶ原にある「三枚石」に行かれたブログ(http://blogs.yahoo.co.jp/waikazu/31205145.html)を拝見し、三枚石は見たことがなかったので、すぐに翌週行ってみた。ところが、天気は雨からみぞれに変わり、とても、歩けるような状態ではなかった。古峰神社の駐車場まで行って、残念ながらUターンしてきた。以来、三枚石のことは気になっていた。とても人気のスポットらしく、雪が融ければ、峠に車を乗り入れたハイカーもわんさと入り込むようだ。今日は天気も良く、ハイキングがてらに行ってみた。どうせ行くのなら、三枚石新道からの方がおもしろいんじゃないかと、「オッサンの山旅」ルート(http://www.sky.sannet.ne.jp/njn95685/yokoneyama2.htm)を参照にさせていただいた。「参照にする」とは聞こえはいいが、ほとんど丸写しのルートを歩くつもりでいた。せっかくだからと、横根山まで欲張るのはいいが、果たして行けるかどうかは現地での気分、体力次第。ここには、逃げ道がたくさんある。以前から、都沢林道周辺の尾根を歩いてみたかったのだが、今日は、その後下ってから辿るルートの下見も兼ねている。
(三枚石新道の上り)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/9f/dba500da983b94b0be799e478a1a5828.jpg)
(振り返ると地蔵岳と男体山)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/41/6007027f617db0e3b8495567448352e2.jpg)
雪解けの時期に合わせ、今回もゴム長。使うかどうかも分からないアイゼンを持って荷物を重くしたくはない。まして厳冬期でもない。スパイク付きで十分。ゴム長も年間を通じて便利なものではなく、この時期限定だから、今季はこれが最後だろう。念のため、ワカンと杖2本をザックに結わえる。古峰神社の駐車場から7時40分に出発。駐車場に車はない。上に向かって、すぐ左手に「三枚石新道入口」の案内板。「健脚者に限る」と記されている。歩いてみた結果としては、確かに傾斜が強くて長いが、健脚でないと歩けないわけではない。この程度の上り坂なら、どこにでもあるだろう。薄暗い印象を抱いていたが、この時期だからか、意外に明るい雑木林風情の登りで、高度を上げるに連れて、後ろ・北方面に、地蔵岳しか見えなかったのが、男体山、大真名、女峰山が徐々に見えてくるといった、それなりのお返しにありつけるルートだ。大きな石がゴロゴロしはじめる。
(大岩で休憩)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/92/80c2b9506001460ff627d5c9eb96c097.jpg)
(山頂下で北寄りに歩いてしまった)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/29/7aa68c40f14b49a4a0309c73fc549c3c.jpg)
歩き始めから1時間、正面に大きな岩が立ちはだかる。最初、これが「五枚石」かなと思ってしまったが、五枚にはなっていないので、ただの大岩といったところか。しばらく休憩。木々が邪魔をして、すっきりした展望はずっと望めない。ここの標高は1,140mくらい。ちょうど、古峰ヶ原峠の高さだろう。この大岩の前後でしばらくはなだらかだったが、また傾斜が強くなる。残雪が出てくる。そして緩やかになる。雪は締まっていて歩きやすい。ザクザクと心地よい音を立てる。踏み抜くこともない。だれかの付けたテープに導かれて、本来よりもやや北寄りに歩いてしまった。気づいて修正歩きをしたものの、その間にあったはずの五枚石は残念ながら見られず仕舞いだった。大きな岩が目立つようになる。行者平の風景に似ている。
(三枚石)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/b1/ff796c6d948eeb69052cb3536fa60e30.jpg)
9時15分、三枚石到着。駐車場から1時間35分。周辺に雪はもうない。だれもいない。それをいいことに、石の上に乗ってみた。ぶなじろうさんはここで皇海山を確認したようだが、自分には見えなかった。ぶなじろうさんは長身らしいから、背の低いオレには無理か。男体山周辺だけ。写真を撮るにしても枝が邪魔になる。石に寄りかかるように置かれた物置風の社殿の中に、いわゆるご神体があるようだ。覗いて、写真に収める。「秘密めいた」というよりも、見方に寄ってはいやらしい画像になってしまった。「秘密めいた」というと、最近になって、金精神社のご神体のいわれを知った。現物を見たことはあるが、まさか道鏡に由来しているとは思わなかった。眉唾っぽい逸話ではある。金精峠越えするまでは荷物にもならなかったのか。朝廷の地からそこまで、峠越えは無数にあったろう。それはともかく、時代的に重なる勝道上人と道鏡、同じ下野国で顔合わせがあったとしても不思議ではないと思うが。
(金剛水)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/c0/8744862751f3f5deb433eb14a16b736e.jpg)
(気になる赤ペンキの道)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/e4/a6071c8cf8ddaea62403cdb326f75a9d.jpg)
方塞山に向かう。踏み跡がかなりある。そのまま固まっているため、ゴム長がトレースにひっかかり、すこぶる歩きにくい。すぐに「金剛水」の標示。行ってみる。ちょっとした井戸風。水は下の「フタ」と記された石を除けるようになっている。コンコンと湧き出している様子を想像したが、ただの水溜りでしかなかった。水源がまだ凍っているということか。柄杓が置いてあったから、飲めるのだろう。ちょっとやめておく。先も長い。ルートに復帰。つつじ平。これからきれいになるところなのだろうな。右手にちょっと気になる赤ペンキ。北に向かって木にずっと塗りたくられている。
(方塞山)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/e7/7521cef498a6496dcce60929f3da9ab5.jpg)
9時55分、方塞山到着。三枚石からはちょっと下って、ちょっと上って、下るといったところ。山名標示がどこにあるのか探し回り、電波施設に行ってみる。ここにも裏手の木に赤ペンキが続いている。雪がかぶって明白には分からないが、道型があるようだ。おそらく、さっきのペンキ帯に合流しているのだろう。すぐそこを車道が通っている以上、作業道とは考えにくい。車道が出来る前の作業道だとすればそれまでだが、方向的に巴の宿に向かっているような気がする。帰りに歩いてみようかなと迷った。ただ、期待外れの可能性が高いし、都沢林道周辺も確認しておきたいしなぁ。
(横根山に向かう)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/2f/1dc8f3cc6345f87014618ef03edd2ddb.jpg)
(男体山から女峰山)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/00/4d89dd91f42544b5d0294977ce7c6492.jpg)
ここからいやらしい鉄条網がずっと続いている。何とかロッジの施設も、視界の妨げになり、写真を撮っても、牧場を含めてどこかがひっかかる。残雪に残る足跡は1/3になる。方塞山から戻る人が多いようだ。伸びている車道を一か所渡って、横根山に取り付く。気温も上がり、雪もぬかり、ゴム長に泥が付くようになった。眺望が広がってくる。さっきから気になる山がある。袈裟丸の右側に、三角形の山が鎮座している。独立峰のようで、標高もかなりある。あんな山に記憶はないな。皇海山にしては、形が違うようだ、尾瀬の笠が岳にしては大きい。日光白根山も見える。それにしても、好きな袈裟丸連峰があんなにゴツゴツと見えるのは素晴らしい。
(横根山)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/d9/a37109f3c2ab477b065caad2fd66c8ad.jpg)
特別な苦もなく横根山。10時50分。三枚石からここまで、体力が滅入るほどのアップダウンはなかった。景色もよく、時間があれば、ハイキングコースとしては最高かも。この横根山、はるか以前に来たことはある。かすかな記憶がよみがえる。どこから歩いたか忘れた。粕尾峠からだったような気もする。東屋はもっと新しかったかな。いや、まだなかったかな。ここからの展望もいいが、鎌があれば、そこいらの木立ちを刈り払いたいところだ。ここで昼食にする。オッサンさんの紀行では、梅雨時期のせいもあったのだろう、陰気くさい雰囲気にさっさと退散したようだ。ガスが立ち込めていたら、確かにそんな雰囲気が出てくるかもしれない。ふさがれた南東方向から、いきなり何が出て来るか分からないような不気味さがある。
(井戸湿原)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/27/278fa346d2857443a71d6ada0f167751.jpg)
ここまで来たからには、井戸湿原に寄り道といこう。下る。もう、ここから先は、1人分の足跡しかなくなった。横根山中継局を通り、また東屋。「熊注意」の看板。ここから注意標示が目に付くようになる。目撃談が多いのだろう。何とかロッジのせいじゃないかなと思ったりして。食事宿泊有りのようだし。「五段の滝400m」の標示があった。寄ってみたいところだが、ここまで来てしまったからには、帰りの時間が気になる。我慢しよう。鹿除けフェンスを外す。湿原への鹿の進入除けということだろうね。11時15分、井戸湿原。木道がかかり、ちょっとしたミニミニ尾瀬ヶ原。正直のところ湿原の感じはしない。春にはどんな風景になるのか興味はあるが、訪れることはないだろう。ザックを背負って歩くには違和感のある景勝地になるようだ。
(仏岩)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/5d/e236a20daa106bfaa9ad7afc0c9d8730.jpg)
(象の鼻)
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(皇海山)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/e7/a4698f77d6450c4da36a163bb42349a5.jpg)
(白根山)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/a6/3be5d1a905e002384bbfb18bebba8f99.jpg)
やはり疲労だろうか、象の鼻に出るまでの上りが応えるようになった。また鹿除けフェンス。こちらは開放状態になっている。これじゃ、何頭の鹿が中に入り込んだかわかったものじゃない。紐をきつくしてしばる。11時40分、仏岩。由緒板があったが、説明が釈然としない。「ここで修行した」とは書かれていない。傍らに小さな祠はあるが。この先の象の鼻と同様、周辺は奇岩が多く、無理に仏岩と称して、修行場所の雰囲気にしてしまった感はぬぐえない。11時45分、象の鼻。この大きな岩もおもしろいが、ここからの展望は最高だ。赤城山から高原山にかけて270度か。錫ケ岳も見える。展望板には富士山も記されていたが、残念ながら目を凝らしても見えなかった。気になっていた、あの三角形の山、まさかとは思っていたが、皇海山だった。ここから見ると、ああいうふうにピラミダルな姿に見えるんだ。感心した。それにしても急峻な姿。しかしなあ、最高の展望だけど、展望台の下に広がる放牧場とロッジはすこぶる興ざめにしてくれるよなぁ。
(帰路に着く)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/1f/d7be05451b2c978f829286ae2d5fc79d.jpg)
雪の上には、もう足跡がなくなっていた。ロッジも休業中。だれもいない。ここから車道をずっと歩くのもしゃくだからと、「発光路」と記された方面に行ってみた。粟野町に下るのは知っていたが、途中から分岐するのではないかと期待した。ところが、この道は廃れかけ、荒れている。さらにどんどんロッジ方面から離れていく。これではダメだなと戻り、途中から、鉄条網を乗り越えて牧場に入り、また乗り越えて車道に戻った。牧場内はどろどろで歩きづらかった。ゴム長で良かった。さてこれからどうしよう。方塞山に戻って、あの気になる赤ペンキを追ってもいいのだけどな。車道から登り返しをしても100mにも満たない。ただ、赤ペンキを追って、途中で迷ったり、引き返す形になったらどうしようもない。まだ雪もある。このまま歩いて行って、当初の予定通りに、都沢林道周辺を確認した方がいいのじゃないのかな。
(立派な県道)
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やがて車道は砂利道からアスファルトに変わる。けたたましいバイク音が近づいて12時50分、県道<草久・足尾線>に合流。これまで歩いて来た車道は通行止めになっている。新しい広い道。しばらく下っていくと、林道っぽい道が分岐している。雪に覆われている。どこに行く林道だろうか、地図を見ても記載されていない。気にせずに下る。そのうち、地形図に記された道路のカーブの形状具合が、現物と違うことに気づいた。もしかして、間違った道を下っているのでは?と、瞬間、「またかよ」と思ってしまった。ここのところ、立て続けにミスをおかしている。どうしよう。ちょっと下ると確かに<草久・足尾線>の看板。疑心暗鬼の足取り。右手に閉鎖された林道。雪が深い。これかなぁ。入ってみて歩いた。カーブして戻っている。ということは、さっき見かけた林道から続いている道か。林道どころか、県道の旧道だったわけだ。あのカーブはまさに地形図のカーブだった。持参の地形図は古いままだ。それにしてもいい道だ。主要県道でもないのにこの整備。観光道路をどこまで延ばすつもりでいるのか。
(都沢林道入口)
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13時20分、都沢林道の出会い。林道そのものは通行止めになっているが、ふれあいの道になっているようだ。通洞駅まで7.6km。林道区間は5km程度だろう。巴の宿にあった「通洞駅」方面の標示は、この都沢林道につながって、足尾に下っているのか。「修験行者のみち」となってはいるが、林道に名残があるとは思えない。いずれにせよ、この周辺の尾根をいくつか探索してみるためにも、都沢林道のことはよく知っておきたい。車道を古峰ヶ原峠方面に少し歩いて、右に巴の宿の案内板があった。
(巴の宿)
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ハイキングコースに入り、すぐに巴の宿。13時30分。雪が少し残っている。ロウソクに火を灯そうと思ったら、芯が出ていない。残念。ナイフで周りをカットしようかとまで思ったが、そこまでの信心深さはない。13時50分、高原の峠。車が4台。人の姿は見えないから、三枚石を歩いているのか。休まずにそのまま下る。
(三枚石新道入口)
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このハイキングコース、慣れてくると、あまり面白みを感じないのが正直のところ。だらだらと上の空で歩いていたら、へつり地蔵に気づかぬまま通り過ぎ、車道に出てしまった。途中、ショートカットを繰り返しながら駐車場に到着。14時30分。さっきから、パーン、パーンと乾いた音が響いてくる。あれは隣接する射撃場から聞こえてくるのだろうか。きつかったのは三枚石新道の登りだけだが、7時間近く歩き、それなりに疲れた。歩数計も30,000歩オーバーになっていた。ワカンと杖はザックに結わえたままで使うこともなかった。やはりゴム長は始末が悪い。中に入っていたズボンの裾と靴下がぐっしょりと濡れていた。今日はだれにも会わなかった。県道を走っていた車4台と行き交っただけ。そんなことを思っていたら、ジイサンが疲れた顔をして隣の車に戻って来た。どこに行ってきたのか。帰りの東北道は、予想通りに渋滞になっていた。
今度行かれることがあったら、気になった赤ペンキ(だったかスプレー)を追ってみてください。どこに行き着くか知りたいものですから。
もう、峠の先まで車は入れますし、景色を楽しむのでしたら、わざわざ三枚石新道を歩くこともないとは思いますが。
このあたり全く不案内で、詳しい地図も持っていないので、象の鼻以降はルートを追えませんでした。
伸びやかな風景で結構気に入ってしまいました。前回、三枚石で帰ってしまったことが後悔されます。
パクリ名人のおいらとしては、いずれ行ってみたいと、またまた思ってしまいましたです。
オッサンさんの記事をプリントして歩きました。オッサンさんが行かれた時とは大違いの天気で、期待以上の展望に恵まれました。
もっと写真を出したいところですが、自己満足ぽくもあり、我慢しました。
今度、晴れたとき、もう一度行ってみてくださいよ。ふれあいの道、ハイキングコースではありますけど、いいところですね。
三枚石紀行懐かしく拝見させて頂きました。
天候に恵まれ写真もバッチリ決まっています。
五枚石より東寄りを歩いて三枚石に辿り着いたようですね。象の鼻の展望台あんなにも視界が開けていたとは思いませんでした。日光連山が近くに見えるんですね。前回訪問しなかった象の鼻興味深く見せて頂きました。