たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

関東ふれあい「修験行者のみち」は何にもない道だった。

2010年03月28日 | 足尾の山
◎2010年3月22日(日)

 昨日の良天、スキーにでも行きたかったが、金曜日の夕方から風邪気味で、昨日も起き抜けの体調が悪くて、出歩くのはやめにしてしまった。今朝も気分はあまりぱっとしなかったが、ただ歩くだけなら、天気も昼過ぎまでは何とか持ちそうだからと、足尾に出かけた。以前から、都沢林道の北側に東西に延びる波線の尾根を歩いてみたかった。大天狗之大神まで尾根伝いに行き、帰路は都沢林道を下るつもり。

(平坦に見えるがかなりの傾斜)


 7時24分、国道脇の駐車スペースに車を駐めて歩き出す。天気はどんよりしている。いつ雨が降ってきてもおかしくない空模様。これでは、今日は急ぎ足だな。県道を鹿沼方面に向かい、すぐ左上に分岐する作業道に入る。尾根通しに、携帯電話やらテレビ関係の電波施設が続いている。そのための作業道だろうが、ため息が出るくらいに急。この斜面を一気に標高差350mほど、最初の三角点まで登り続けないといけないはずだ。特に、取り付きの上りがかなりきつく、途中で、天気が崩れることを本心から願った。雨が降れば、取りやめにできる。不思議な尾根の形状になっている。真ん中に金属の側溝のようなものが置かれ、上まで続いている。急峻な尾根に見えていて、左から、これまた平らな作業道が入っている。上に行けば、また左からの作業道。もっと楽なルートがあったんじゃないのかなと疑ってしまう。側溝はいつの間にか遠ざかった。

(最後のアンテナ施設)


 民放連合、NHKの中継局を過ぎ、アンテナが林立しているところを過ぎると、ようやく傾斜も緩やかになり、南側の展望も開ける。しかし、ガスで何も見えない。かろうじて備前楯山のシルエット。1,029.1mの三角点8時14分。ここまでは何とか作業道を追って来られたが、ここからは、踏み跡も完全になくなった。そして積雪。たいした量ではないが、固まっていて、歩きづらい。雪の下は枯葉が堆積しているため、足がとられてしまう。こういうところはゴム長だったかな。今日は登山靴で歩いている。気まぐれにテープがある。やはり、歩いている人もいるんだ。

 前知識はあったが、地形図の上では、この波線尾根もまっすぐに近い延び方をしているが、小ピークごとに、方向を右に変える。図面上でいえば、ピーク手前で右上に向かい、ピークで右下に変わる。だから、表面上はほぼ直線。できるだけ注意をしたが、2回ほど、そのまま行ってしまい、小尾根に入り込み、戻ってしまった。不思議に、そういうところにはテープがない。雪が降り出した。ちょっとやばそうな気配。地形図では、1,014mポイント部分に、林道に南下する波線+実線があるから、状況によってはそこからエスケープするつもりでいた。ところが、その分岐にまったく気づかなかった。自己弁護というわけでもないが、積雪のため、それでなくとも歩く人のいないエリア、標示なんかあるわけがなく、道型も分からないままに通り過ぎていた。

(左に1,268.6m峰)


 この尾根道は樹林帯を行くのではなく、ずっと灌木帯になっている。そのため、明るい。ただ、あたりは雪で真っ白で、陽はささずに小雪。薄気味の悪い感じがさっきからずっと続いている。伐採の跡を見ては、ほっとする。途中、南下する道型を見つけ、辿ってみたが、ただの巻き道だった。正面に1,268.6mのピークが見える。このあたりは、人工的に斜面を切り崩した感じになっている。ちょっとした小台地。ふだんなら、景色はいいのだろうな。今歩いているこのルートはいったい何のためのルートなのだろう。祠もまったく見かけないということは、地蔵岳、行者岳からの信仰ルートの延長ではなさそうだ。足尾と鹿沼を結ぶ生活道だったのだろうか。それにしても名残があってもよさそうだが、まったくない。ピークが見えていたから、適当に斜面を登る9時16分、1,268mピーク。またそのまま行ってしまい、戻る。フリースは霜がついたように白くなり、髪の毛もべっとり。メガネは曇ったまま。ここで帽子をかぶる。

(おむすび岩)

(この先に都沢湿原?)

(もう目印だらけで行ける)


 しばらく歩いてから、三角点を確認しなかったことが悔やまれ、戻る。雪の中に見つけた。ピーク位置から、東側にちょっと下ったところにあった。ネットで調べたところ、南側にしばらく行くと、湿原があるようだ。あまり知られていず、「都沢湿原」と仮称されている。行った方の報告では、花もきれいで、のんびりとできる地上の楽園のような湿原だそうだ。行って見たいが、この天気、この雪ではなあ。小ピークを乗り越え、しばらく行くと、おむすびのような岩。これはネットで写真を何枚か拝見した。なるほど、これか。厚みはない。感心していたら、後ろでドカドカという大きな音。びっくりした。振り返ったら、鹿が一頭走って行った。いつの間にかテープやら境界標石で賑やかになる。もう、迷うことはないだろう。雪の時期に歩いた報告は見たこともないが、無雪期には、笹に覆われた小径の風情のようだ。1,196mピーク手前で合流する波線ルートも確認できないまま。

(行者沼)


 大天狗之大神10時05分。ここまで、歩き出しから2時間半か。まずまずかな。降雪も小雪のままで済んだ。地蔵岳方面には足跡が3人分くらいある。天気も下り坂だろうし、このまま都沢林道に向かう。県道に出て足尾方面に歩く。ここでまた寄り道。巴の宿を素通りするのも気がひける。雪の上には足跡がまったくなかった。しばらく休憩。

(勝雲山へ?)

(県道に合流)


 都沢林道入口10時35分。「関東ふれあいの道・修験行者のみち」通洞駅まで7.6km、林道入口までは4.8km。ぬかるみが続く。決して雰囲気のいい林道ではない。いくつか見える滝もいたって小振り。新緑、紅葉の時期はどうなのだろう。下りがずっと続く。電柱に「歩道→」と赤ペンキで記された道があった。これが、勝雲山の脇から続く波線ルートであろう。入ってみたが、ずっと先まで続いているような気配。ただ、ネットの情報では、途中で不明瞭になるらしい。地形図でも沢筋になっている。やがて舗装道路になるも、通る車は1台もいない。廃屋をいくつか見やりながら、林道入口11時30分。ここから県道を歩く。

 だらだらと歩きながら、右手の上の尾根に電波塔を確認。あそこを歩いたのか。今日のルート、いきなりの急登を除けば、後はあっさりした歩きで終わってしまったが、結構、高いところを歩いていたんだね。感心する。確かに、駐車地の近くから歩ける石倉山ですら標高1,109mだからね。しかしなあ、この都沢林道、「修験行者のみち」としたいわれは、いったい何なの? 何もなかったけど。新しくていいから石祠くらい置いて欲しいね。11時50分、車に到着。車に入ったら、ゾクゾクと寒気がした。風邪がまたぶり返したようだ。

※今日の写真は冴えない写真ばかりだった。曇天の地味な尾根歩きはこんなものでしょう。

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6 コメント

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Unknown (ぶなじろう)
2010-03-29 21:54:30
今晩は。

今回のルートは、前回の近隣なのでしょうね。地名的には大天狗の大神と巴の宿ぐらいしかわかりません。兎に角、マニアックなコースなんだろうなと、想像しております。
こういったコースを発見し自在に歩けるたそがれオヤジさんを尊敬申し上げますです。
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ぶなじろうさん (たそがれオヤジ)
2010-03-29 22:08:40
ありがとうございます。
それは買いかぶりというものです。コースにしても、ぶなじろうさんのおっしゃるパクリですよ。
確かにマニアックです。マニアックといえば、今回、車を駐めたのは国道122号付設のパーキングなのですが、10年ほど前でしょうか、黒檜岳から大平山を歩いて帰る際、同じところで職質を受けたことがあります。山に興味がある警官だったのでしょう。どこの山に行ったのか聞いてきたので、黒檜の名前を出したらキョトンとしている。位置をしつこく聞くので、仕方なく、車から地図を出して、広げて解説してやりましたよ。そしたら、一言。「なかなかマニアックですね」。つい、その時のことを思いだしてしまいました。
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Unknown (ぶなじろう)
2010-03-30 21:44:39
今晩は。
買いぶりでも、なんでも凄いです。
お巡りさんとの話も、凄すぎです。そのコース、なんとなくピンときます。なので、凄い!
おいらは、たそがれオヤジさんの記録をパクリ、銅親水公園へ向かうつもりです。すぐではありませんが。なんかウキウキしてきましたです。
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ぶなじろさん (たそがれオヤジ)
2010-03-31 05:56:49
足尾の山は、人それぞれですが、そのマニアックさに惹かれると、はまり込むことがありますので注意してください。
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今度はご一緒にいかがですか^^ (Unknown)
2011-09-14 15:55:00
峰入り修行の計画がありますンで
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峰入り修行 (たそがれオヤジ)
2011-09-14 17:48:26
どなたか存じませぬがお誘いありがとうございます。
身近にそういう世界は皆無ですので、機会があれば、参加して、貴重な体験を積んでみたいとも思うのですが、どうもそこまでは気分的に至れないというのが実情でして、この度のお誘いは、当面は修行を重ねてからということで、見送りさせていただきます。
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