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たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

陣地~氷室山~熊鷹山

2011年12月31日 | 近所の栃木県の山
◎2011年12月30日(金)

<西沢駐車場(7:36)……856mピーク(8:26)……陣地(8:55)……1030mピーク(9:40~9:50)……一般コース稜線合流(10:39)……氷室山(10:44~10:50)……宝生山(11:00)……十二山(11:47)……茶立小尾根分岐(12:01)……石祠(12:07)……熊鷹山(12:25~12:35)……熊鷹山登山口(13:23)……駐車場(13:35)>

 今年の3月だったか、ハイトス氏が予定外にも陣地なる風変わりな名前の山に登られ、一度行ってみたいと思っていた。不思議な名前の山につい惹かれてしまう。折良く、「オッサンの山旅」さんが10日前に陣地に行かれた記事を拝見した。少しきつそうだが、オッサンさんのグルリ回りをやってみようか。いつものことではあるが、人様が編み出したコースを、何も考えずに後追いするのは、まことにもって楽な歩き方だ。創造性に欠けた歩きというか。ある意味、情けない話だが。

(いきなり、バテバテの登り)


 地形図では、陣地から氷室山に至る尾根には点線が走っている。この辺を歩く人はそんなに多いとは思えないので、当初からしっかりした踏み跡を期待してはいない。とにかく、その尾根に乗ることが先決。オッサンさん同様に、856mピークの南西に下る小尾根から取り付くのがいいだろう。西沢駐車場から下って末端を覗きに行ったが、これは急で足が出ない。元に戻り、駐車場正面から入り込んだ。急斜面の植林帯である。すぐに息が上がる。木や立木につかまりながらの登りだ。幸いにも、落ち葉は少なく、下も凍り付いていないので、滑らないだけマシ。すぐに林道を見下ろす具合になった。我慢して登っていくと、ようやく、右手から小尾根が上がって来ているのが見えた。右手、右手に進み、何とか小尾根に到着した。わずか13分、標高差100m程度のものだが、今回のコースの中で、一番きついところであった。

(向かい側に熊鷹山に延びる稜線。あそこまで行けるの?)

(相変わらずの急登)

(856mピーク。ようやく本尾根に到着)


 小尾根歩きで少しは楽になったものの、依然として急な登りが断続的に続く。尾根の状態はあまりよろしくない。ヤセに近い。左右は急斜面になっている。ここも、左は植林、右は雑木。伐採したところから、熊鷹山方面が見える。林道はかなり先まで続いている。本尾根が右手に見えて来るも、まだまだ遠い。今日のコースは先が長い。気弱にも、もう、この時点で、陣地まで行ったら、適当なところから林道に下って、さっさと帰ろうかなとも思い始めるようになっていた。いつものことだ。ハイトス氏記事によれば、1030mピークの真下あたりまで林道が来ているようだ。尾根幅が広がり、ようやく856mピークに到達。ほっとした。しばらく休んだ。駐車場から標高差400m程度のものだったが、かなりしんどかった。まぁ、このコース、どこからでも下れる利点があるし、行けるところまで行こうか。下降気味から、幾分、上昇気分に戻った。

(尾出山)

(陣地山頂)


 本尾根の歩きは寒かった。冷たい風が音を立てて吹いている。結局、最後の最後まで手袋は外せなかった。さっきまでの小尾根に比べ、格段に楽な歩きになった。展望は決して良くはないが、尾出山が右手に見え、左には十二山から奈良部山方面にかけての山並みを確認できる。植林の中を登り、陣地に到着。山頂には「陣ノ手」の山名板が1枚と三角点があるだけの小高い丘。山名板の裏を見たら、「MK 2008,11」と記されていた。よく見かけるMK氏のものだ。して、この山名の由来だが、何なのだろう。陣ノ手に至ってはまったく分からない。陣は戦でもあるのだが、陣を敷くには無理があるような地形にも…。どら焼きを食べてすぐに出発。何せ先が長いからゆっくりしていられない。休むとしたら熊鷹山だ。次の1030mピークを目指す。

(本日最初の石祠)

(1030mピーク)


 地形図の点線だが、確かに踏み跡はしっかりとしている。ただ、植林作業の関係だろうか、時たま、太い作業道が左右に横切ったり、テープも林業関係のものとおぼしきものが多く、頼りにしてしまっては、とんでもないところに出てしまいそうだ。また、小尾根もかなり派生しているから要注意。コンパスも、短距離区間でセットし、小まめに見て歩くようにする。北西に一旦下る。巻き道のようなのがあったが、構わずに尾根伝いに次のピークに向かう。オッサンさんはここで巻き道を辿ってつまずいたらしい。しばらく下る。そして上る。ところどころに低い笹が見られるようになった。お好みの雰囲気。しかし、すぐに終わり、岩がゴツゴツしたところを通過。石祠があった。年代は確認できず、「九月」と「小」の字だけは分かった。1030mピークに到着。

(1030m近くの石祠)


 10分ほど休んだ。とは聞こえはいいが、実のところどっちに行けばいいのか迷っていて時間がかかった。到着してすぐに、ここにある石祠探しをしてしまったためである。石祠はピークからやや北東方面にあるのだが、そこから、これから行くべき北西方面を見ると切り立っていて、とても下りられそうにない。しばらく思案していたわけだ。結局のところ、岩場というほどのものではなく、そのままトラバースして下れたが、1030mピークに戻って、尾根を素直に下れば良かっただけのことかもしれない。ちなみに、この石祠だが、一風変わった社殿の格好をしていて、「課抜神社」と彫られていた。後で調べたことだが、これは「課」ではなく「臼」のようで、「臼抜神社」が正解らしい。その道に詳しい方もいるもので、下の神社に精通していなければ、こういった石祠の解釈、位置づけも理解できないものだ。一見のハイカーが「昔の石祠が忘れ去られたようにポツンと鎮座していた。実にいい風情だねぇ」じゃダメなのである。だから、それ以上の余計な思案は織り込まないようにしている。

(三角岩の石祠)


 ヤセ尾根になった。三角形の岩の下にまた石祠。屋根と台だけになって、胴体は消えているが、こういう種類のものなのか。氷室山が間近に見えてきた。左を見ると、林道が上にずっと上っているのが見える。沢入と結ぶ林道だろうから、宝生山あたりの稜線を横切るようになるのだろう。こんな奥深いところで、車のエンジン音を聞くのは耐えられないな。右手奥に横根山を確認。手前の高いピークは何という山だろうか。ここずっと気になっているハナント山はどこにあるのやらさっぱり分からない。見えるわけがないか。ハナント山も山名に惹かれている。

(右に見えるのが氷室山だろうか)

(結局、この踏み跡を行くことになる)

(林道が真下まで来ている)


 左からしっかりした道が上がって来ていた。当初、作業道だろうと思っていたので、無視して、ずっと尾根通しに歩いて来たが、これが何ともうまく小ピークを巻いている。しまいには、この道を歩くようになってしまった。わざわざ疲労を増やすまでもない。ようやく標識が出てきた。「三滝→、氷室山→」。駐車場にハイキングマップの掲示板があったが、それによると、宝生山登山道として越路館沢コースというのが、この尾根に上がって来ていたが、ここに出るということだろうか。「上級者のみ」とあった。三滝方面に踏み跡は確認できず、テープがあっただけ。林道もすぐ真下まで来ている。これでは、辿りたくも辿れないコースになっているのではあるまいか。余談だが、掲示板に記載されたコースはいずれも「上級者のみ」と付記されている。唯一、南から熊鷹山に入る滝巡りのコースのみこれはなかった。滝巡りのコースは以前歩いたことはあったが、それなりにきつくはあった。

(石灯籠の台。上はバラバラ)

(稜線手前の氷室山。ここに来たのは初めてだ)

(袈裟丸は吹雪いているのだろうか)

(氷室山神社)

(奥の氷室山から筑波山)


 そろそろ氷室山の稜線に出る。ここで明治の石柱が置かれていた。そして、粉砕している石灯篭の台座部分。踏み跡を辿って小ピークに出ると、氷室山の山名板と石祠があった。石祠は2基あったようで、1基は屋根のみ残っている。そのまま下り、稜線に出た。ここから氷室山は近い。左に切り開かれた斜面から覗く袈裟丸山は何とも寒々としている。氷室山神社から奥のピークまでグルリと回る。山名のイメージからしても、とにかく寒い。風も強く、休んでいられる状態ではなく、筑波山を遠望してさっさと引き返す。この山、もう4回目くらいになるだろうか。さきほどの合流点に戻り、熊鷹山に足を向ける。

(室生山山頂)

(この歩きが何ともいえない)

(こんなのが倒れている)


 ここの尾根歩きはいつ来ても、好きな雰囲気の気持ちのよい歩きだ。からっとした疎林の中の歩き。周囲は、低い笹が広がる。ちょうど、足尾の薬師岳から地蔵岳に向かう尾根歩きの雰囲気に似ている。適当なアップダウンもある。だれもいない。風は相変わらず冷たい。迂回路はあるが、ちょっと登って宝生山。さして特徴のないピークだ。むしろ、こんなところに山名と三角点があるのが不思議なくらいだ。そのまま下る。次は十二山か。根本山と熊鷹山が見えてくる。枯葉に覆われ、幾分歩きづらい。踏み跡の様子からして、以前よりも歩く人が少なくなったのかなとも思える。赤城山も上は荒れている。男体山もシルエットだけが見える感じ。ここも以前は信仰の道だったのだろうか、ところどころに丁目を示す標石が置かれているが、倒れたままになっているのが多い。

(十二山山頂)


 十二山は宝生山以上に静かな山。山名板と「主図根」と刻された標石があるだけ。根本山から熊鷹山に向かう際には、左上に見える丘だが、ここにわざわざ登る人はまずいないだろう。現に田沼側からにしても巻き道があった。

 今回の歩きに際し、ちょっと迷ったことがあった。白岩山神社の存在だ。しっかりした社殿が十二山と熊鷹山との間の沢筋の岩場の上にあるらしい。下から来ると、その神社を経由して「茶立小尾根」という尾根に出られるらしいのだが、何せ、神社に至るまで半端ではない危険な岩場が2つほどあるようだ。一旦、熊鷹山まで行き、帰りはこのルートを下りたいという気持ちもあったが、ここまでずっと迷っていた。「やまの町桐生」の記事やら、辿ったレポを拝見するにつけ、自分1人では無理があるようだ。「必ずロープを用意し単独行はお止しください」とも書かれていた。手ぶらの単独では無理だろう。駐車場の案内板には、茶立小尾根の名称とともに、その小尾根末端に白岩山神社が記されてはいたが、実際には尾根から沢に下らないと行き着けない。結局、小尾根分岐に至って断念した。茶立小尾根の末端には石祠があるらしいから、せめて、そこまでは行ってみよう。この短い区間の小尾根に茶立小尾根という名前までついているのが不思議なくらいだが。

(茶立小尾根)

(そして石祠)


 ごつごつした岩場が早速出てきた。尾根は歩く人も多いのか、道形が出来ている。ただ、その先は分からない。ちょっとした小ピークの上に石祠が1基あるだけ。刻された文字があるのかどうかも判別つかず。まっ、これで一満足でいい。稜線に戻る。そのまま戻るのも急できついから、トラバースしながら復帰。あとは熊鷹山に登って下るだけだ。

(熊鷹山山頂。鍋焼きオジサンがいたので広く撮れなかった)

(熊鷹山から見た陣地。その後ろに尾出山)

(男体山方面をアップで)


 熊鷹山には、意外にもオッサンが一人食事中。鍋焼ウドンでも食べているようだ。一気に腹がすいた。しかし、寒風の中、よくじっとして食事できるものだなと感心した。すぐに櫓に登った。さっきはシルエットだけだった男体山もかすかに見えた。奥日光の上空は相当に荒れている。先週、備前楯山から臨んだ男体山は上だけ白かったが、裾野まで白くまだらになっている。年明けはもう真っ白かもしれない。今日、グルリと回ったコースもよく見える。どれが陣地だか、やはり目立たない山であることは確かだ。1030mピークだけは分かる。熊鷹山の山頂も寒くて長時間はいられない。下山にかかる。「西沢口→」の方に下る。

(下りの分岐。右に行く)

(ワサビ田)


 途中、風があたらない日だまりで食事した。冷たいオニギリだけ。ガスは今回持参しなかった。備前楯で食べた生煮えの鍋焼きウドンをまた食べる気にもなれない。下りは道標に沿って歩くだけ。途中、「←白ハゲ口→」というのがあったが、右の矢印の先に手書きで「西沢口」とあったのでここを西沢の方に向かう。ずっと尾根通しだが、最後は植林帯に入って尾根から外れた。作業道が入り乱れ、道標もなくなり、果たしてこれでいいのかと思いもしたところで「西沢口→」の標識を見てほっとする。林の中はとにかく寒い。風はないが冷え込んでいる。ようやく、下に、ぽっかりと明るい平地が見えた。沢伝いにワサビ田があった。まだ現役のようで、網が周りにかかっている。なぜかゴム長とヘルメットが放置されていた。沢沿いに行くと広場に出、そこには「くまたか山→」の標識があった。

(熊鷹山登山口)

(駐車場に到着。長かった)


 道は二股になっていた。直進は舗装林道。右は未舗装だがタイヤ痕有り。右に行ってみたが、不安になって戻る。舗装林道は西沢線というらしい。真正面に山の壁があった。陣地はここからは見えないようだ。程なく橋を渡り、林道作原沢入線に出て駐車場に到着した。寒い一日だった。今年の歩き納めというところか。しかし、今日は石祠によく出会った。石祠を意識しての歩きではなかったのだが、結果的にそういうコースだったわけだ。ここのところおろそかにしている初詣は、しっかり行って来いよといった暗示なのだろうか。でもおそらく行かないだろうな。


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陣地~氷室山~熊鷹山 (ぶなじろう)
2012-01-01 10:50:42
あけまして、おめでとうございます。

寒風の中お疲れ様でした。熊鷹山以外全く判らないのですが、ボヤキの中に楽しさがニジミ出ているような感じがしましたよ。
この地域、少しずつ惹かれつつあります。知識は皆様のネット記事のみ。昭文社に頼れないので予習が大変そうです。

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登りおさめ (ハイトス)
2012-01-01 14:35:42
あけまして、おめでとうございます。
昨年は色々とお付き合いいただき有難うございました。
今年もよろしくです。

さて、結構しっかりした登りおさめでしたね。
オッサンの記事をよんで結構長丁場だなぁと思ったルートでしたが。
茶立尾根は入り口が判り辛いかと思っていましたが何かマーキングのひとつも有りましたか?
白岩山神は宿題になっています。
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陣地 (野球親爺)
2012-01-01 16:02:37
明けましておめでとうございます。

陣地は気になっている場所で、30日も候補に挙がっていましたが、早起きができそうもないのであきらめました。
その日は結局ちょっと朝がゆっくりできるハナント山へ行って参りました。
たそがれオヤジさんが気にしている場所とのこと。ルート選定が悩めるところでしょうか。

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ぶなじろうさん (たそがれオヤジ)
2012-01-01 18:18:46
おめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

安蘇の山々は意外にも奥深く、私なんざ、ほんの触り部分だけの歩きですよ。どんどん奥に入るまで、まだまだ時間もかかりますね。
この山域のおもしろい所は、勝道上人が出流山から日光に向かう際、開山していった山が多いといったところでしょうか。陣地がそうだということではありませんよ。ただ、その関係か、地元の方の信仰心も古くから厚いようで、今回のように、多くの石祠にも巡り会えるわけですよ。
たまには安蘇の山も歩いてみてください。
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ハイトスさん (たそがれオヤジ)
2012-01-01 18:29:45
あけましておめでとうございます。こちらこそよろしくお願いします。

さて、ハイトスさん懸案の白岩山神社。茶立尾根の上からの取り付き部分には廃れたビニール紐がありました。それよりも分かりやすいのは、大きな二股の木が左手に見えます。そこから左を覗けば、尾根が明瞭に分かります。
ただ、あそこは上からではなく下からの方がいいのではないでしょうかね。もっとも、下からのルートは分かりかねますが。
ハイトスさんが単独で行かれるようでしたら、お声かけください。自分でも行けなくもないのではと思ってはいるのですが。
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野球親爺さん (たそがれオヤジ)
2012-01-01 18:36:40
あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

野球親爺さんは早速、今日、薄暗いうちから歩かれたようですね。私なんか、元日は朝から酒を飲める日といった感覚でいますから真似できませんよ。
陣地は、あまり、人にお勧めできるほどの山ではありません。他の山とかけて歩くのがいいですよ。あれだけなら、ちょっとやるせなくなってしまいます。
いずれ、東蓬莱山からグルリと歩いてみたいとも思ってはいるのですけど、林道歩きが長くなりそうだし。迷うところです。
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